『凶刃』のその後はどうなった?
矢野真木人殺人事件(いわき病院事件)・裁判レポート
『 凶刃 』(ロゼッタストーン刊)は、見ず知らずの精神障害者によって息子を突然刺殺された両親が、その無念さと刑法第39条の不条理をつづった本です。
精神科に入院中の患者が一時外出中に引き起こした犯行だったことから、発行時点では、このまま不起訴処分になって、犯行の経緯もあいまいになってしまうのではないかと懸念されていました。しかし、積極的にマスコミの取材に応じたり、短期間に著書を出版したりといった両親の努力が実ったのか、2006年2月末、犯人の起訴が決まり、同年6月懲役25年の判決が下されました。
その後、精神科の治療に問題があったとして、病院を訴え民事裁判で争いましたが、一審二審は敗訴、最高裁では上告を棄却されました。
裁判には敗れたものの、矢野夫妻の戦いにより、精神障害者の犯罪や精神医療について、さまざまな課題が見えてきました。精神的な病気による通り魔事件をなくすために、この渾身のレポートが役に立つことを願っています。
なお、2016年2月に脳出血で倒れ、闘病中だった啓司さんは、2016年10月27日、永眠されました。
※編集部注:矢野真木人さんが被害者となった通り魔殺人事件は犯人が精神障害者でしたが、このレポートは精神障害者を危険視する内容ではありません。暴力的傾向の問題は、健常者と精神障害者に普遍的な課題です。著者のレポートを通じて、精神障害者と医療のあり方及び触法精神障害者に対する司法のあり方などを一緒に考えてみてください。
■「凶刃レポート」最終報告 (2019年7月22日更新)
■最高裁は逃げた!? いわき病院事件、上告棄却 (2016年9月20日更新)
■いわき病院事件の持つ重要性と
いわき病院事件控訴審判決の問題点 (2016年4月16日更新)
■いわき病院事件(高松高等裁判所判決) (2016年3月17日更新)
[資料]高松高等裁判所判決(全文/PDF) (2016年3月17日掲載)
■いわき病院事件報告 (2016年1月27日更新)
■いわき病院事件(高松高等裁判所結審) (2015年12月4日更新)
■日本の精神医療の改革と改善を目指して (2015年7月13日更新)
■精神科医療と第三者殺人責任 (2015年4月3日更新)
■いわき病院の精神科医療の過失 (2015年3月10日更新)
■いわき病院事件の高裁鑑定論争 (2015年2月6日更新)
■いわき病院事件に関する意見募集
いわき病院側鑑定意見に反論を募集します (2014年8月22日更新)
■いわき病院事件裁判(平成26年8月1日法廷)の案内 (2014年7月20日更新)
■いわき病院が引き起こした矢野真木人殺人事件
相当因果関係と高度の蓋然性 (2014年6月16日更新)
■いわき病院が引き起こした矢野真木人殺人事件
相当因果関係と高度の蓋然性(概要) (2014年5月15日更新)
■チラシができました
「殺人事件につながった精神科医療の治療放棄は許されるか? いわき病院事件裁判ご紹介」 (2014年4月15日更新)
■殺人事件といわき病院の精神科開放医療
まじめに精神科開放医療を行えば殺人数は減少する! (2014年2月28日更新)
■精神科入院者と家族について
精神科入院者と家族の精神障害者の事故に関する諸問題
精神障害者の事故(事件・犯罪)に関する意見 (2014年1月28日更新)
■いわき病院控訴審答弁書に対する反論
次期公開法廷(平成26年1月23日)を控えて (2013年12月27日更新)
■いろいろ涙 ある『凶刃』読者への返事 (2013年12月11日更新)
■いわき病院事件:WHOに資料提供しました
IWAKI Hospital Case: Yano Report on Psychiatry Presented to WHO Report on psychiatry mal-practice at Iwaki Hospital and in Japan(英文) (2013年9月13日更新)
■高松地方裁判所判決の項目別問題点 (2013年6月10日更新)
■いわき病院事件:地裁敗訴で控訴しました (2013年5月18日更新)
[資料]高松地裁判決文(全文/PDF) (2013年5月18日掲載)
[資料]高松地裁「判決文の問題箇所」(PDF) (2013年5月18日掲載)
■精神科医療裁判における被害者側と加害者側の協力関係 (2013年3月19日更新)
■「いわき病院事件」裁判の意義について (2013年3月4日更新)
■裁判で勝訴できないか敗訴する場合 (2013年2月6日更新)
[資料]「いわき病院事件裁判」判決後の記者会見の実施について (2013年2月7日掲載)
■いわき病院事件裁判結審前の攻防 (2013年1月23日更新)
■いわき病院事件結審法廷最終意見陳述 (2012年12月22日更新)
■デイビース医師団鑑定意見書(II)
いわき病院と渡邊医師が野津純一に行った精神科医療 (2012年11月19日更新)
■英国のラボーン事件裁判判決
英国にあったいわき病院事件と類似した事件と裁判 (2012年10月17日更新)
■いわき病院の過失責任 (2012年9月26日更新)
■精神科医療の破壊それとも再生?
(精神科リスクマネジメントと医療の責任と尊厳) (2012年6月11日更新)
■いわき病院事件の鑑定と再鑑定
(精神科開放医療に対する地域社会の理解と承認の要件) (2012年5月10日更新)
■いわき病院事件原告弁論書 (2012年4月17日更新)
■デイビース医師団鑑定意見書
いわき病院と渡邊朋之医師が野津純一に行った医療 (2012年3月30日更新)
■「いわき病院事件」報告
いわき病院側鑑定意見書に対する原告矢野の反論 (2011年9月26日更新)
■いわき病院の精神医療と通り魔殺人の因果関係 (2011年7月28日更新)
■カラスの「かあ」 (2011年7月7日更新)
■精神医療と過失責任 いわき病院が提出した証拠に対する意見 (2011年4月11日更新)
■「いわき病院事件」裁判終局に向けた詰め (2011年3月15日更新)
■いわき病院の過失責任と殺人の高度の蓋然性 (2011年2月9日更新)
■無差別殺人にいたる高度な蓋然性 (2011年1月18日更新)
■いわき病院事件報告:市民の生命保全と精神医療を両立する課題 (2010年11月16日更新)
■いわき病院事件人証報告(鑑定医募集) (2010年10月6日更新)
■いわき病院裁判の原告人証で準備した想定問 (2010年9月22日更新)
■Insanity Irresponsibility
and Responsibility of the Clinical Psychiatry (英文) (2010年7月2日更新)
■精神障害と刑罰 (2010年6月9日更新)
■猫と犬の散歩 (2010年5月28日更新)
■いわき病院と渡邊医師の法的責任 (2010年5月2日更新)
■医療刑務所に劣るいわき病院の精神科医療 (2010年2月25日更新)
■いわき病院の過失と相当因果関係 (2010年2月10日更新)
■Poor Psychiatric Care
and Criminal Law 39 Contribute to Homicide (英文) (2009年8月12日更新)
■緊急でも患者の診察をしない精神科臨床医療 (2009年7月8日更新)
■いわき病院の精神科医療の錯誤と過失 (2009年6月20日更新)
■深田明子の母の意見陳述 (2009年6月10日更新)
■根性焼といわき病院の精神科医療 (2009年4月18日更新)
■市民精神障害者の精神科医療 (2009年3月18日更新)
■いわき病院事件という のろし火 (2009年2月24日更新)
■統合失調症治療薬を中断する精神医療 (2008年12月26日更新)
■統合失調症治療の精神医学的過失 (2008年10月28日更新)
■精神障害者による殺人犯罪被害者の立場と視点 (2008年8月20日更新)
■いわき病院の過失と違法行為 (2008年7月28日更新)
■解離性同一性障害(多重人格)ならば心神喪失か? (2008年6月16日更新)
■いわき病院事件裁判経過報告(精神科病院の医療に対する説明責任) (2008年5月8日更新)
■殺意をもつ心神喪失者?
(深田明子さんを殺した犯人には精神科入通院歴があった) (2008年3月29日更新)
■刑法第39条は不磨の大典? (2008年2月25日更新)
■被害者支援というありがた迷惑 (2008年1月25日更新)
■人生被害の刑罰と更生 (2007年12月29日更新)
■なぜ被害者自助グループですか?
(被害者自助グループを形成する理由) (2007年12月16日更新)
■いわき病院の精神医療の問題点(要旨) (2007年11月14日更新)
■いわき病院の精神医療の問題点(全文) (2007年11月14日更新)
■愛媛医療専門大学校特別講義
精神障害者の犯罪と医療機関の社会責任 (2007年9月23日更新)
■実名か匿名報道か?(精神障害者犯罪の場合) (2007年9月3日更新)
■自助グループ・被害者遺族の会を開催して (2007年8月26日更新)
■被害者遺族から見た犯罪被害者支援活動 (2007年8月9日更新)
■いわき病院事件中間報告 『精神障害者と精神科病院の社会責任』 (2007年7月10日更新)
■いわき病院事件の第6回公判報告 (2007年6月16日更新)
■SST(社会生活技能訓練)の信用問題 (2007年6月4日更新)
■いわき病院事件第5回公判報告 (2007年5月1日更新)
■パレンス・パトリエ思想と医師の責任 (2007年4月11日更新)
■いわき病院事件(第4回)公判報告 (2007年2月16日更新)
■被害者のタイムマシン (2007年2月4日更新)
■精神障害者の犯罪に関する法学系学生との対話 (2007年1月25日更新)
■人類的視点で日本に人権を求めるには (2007年1月10日更新)
■刑法第39条の非常に異例な判決事例 (2006年12月12日更新)
■いわき病院事件 (謝罪の効用) (2006年12月7日更新)
■いわき病院に対する裁判 (弁護士の反応) (2006年11月27日更新)
■いわき病院に対する第3回公判の報告 (2006年11月25日更新)
■いわき病院事件に関する特別講義 (2006年10月24日更新)
■いわき病院を被告とする民事訴訟趣意書 (2006年9月29日更新)
■辞め検・弁護士のあざ笑い (2006年9月16日更新)
■矢野真木人殺人事件 (刑事裁判を経験して) (2006年8月30日更新)
■いわき病院の責任 (2006年8月30日更新)
■精神障害と法的責任 (2006年8月30日更新)
■ポーランドで『法刃』出版 (2006年6月27日更新)
■野津純一に懲役25年の判決 (2006年6月27日更新)
■矢野真木人殺人事件の民事訴訟 (2006年6月21日更新)
■矢野真木人殺人事件の刑事裁判 (2006年5月30日更新)
※矢野夫妻は、この問題を一人でも多くの方に伝えたいと願っています。
「精神障害者による犯罪」「刑法第39条の問題」「精神医療の課題」「犯罪被害者の自立支援」といったテーマで、講演・講義をご希望の方は、ロゼッタストーンまでご連絡ください。
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