ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集

宿酔ふつかよい

朝、鈍い日が照ってて
   風がある。
千の天使が
   バスケットボールする。

私は目をつむる、
  かなしい酔いだ。
もう不用になったストーヴが
   白っぽくびている。

朝、鈍い日が照ってて
   風がある。
千の天使が
   バスケットボールする。

『山羊の歌』より

朗 読

解 説

宿酔

「宿酔」は『山羊の歌』に収録されているが、制作の時期ははっきりしない。

「朝、鈍い日が照ってて
    風がある。
 千の天使が
    バスケットボールする。」

この詩は3連から成る短い詩だが、1連目と3連目の4行は同じである。「千の天使が/バスケットボールする。」という2行がこの詩の中心であろう。

詩人は二日酔いの朝目をつむる。そこで「千の天使」が現われる。耳鳴りがして、それがバスケットボールの音と重なる。
二日酔いの朝の感想だ。

中也の球技を扱った詩は、野球を扱った「夏の夜に覚めてみた夢」がある。

 「その日昼みた野球のナインの
  ユニホームばかりほのかに白くーー」

ご感想

ユキタツさん 2024/09/08 12:50:53

夜勤明けに聴くと、確かに鈍い日が照ってるなぁと素朴な感じがして、いい感じです。

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