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日本人留学生が見たニューヨーク
プロフィール>>> 前田直子(まえだなおこ)東京生まれ。射手座のA型。3人姉妹の末っ子。 5年間出版社に勤務している時にアメリカの雑誌に興味をもつ。 2001年5月、会社を退職しNYへ渡る。現在は語学学校の帰りにマガジンショップでアメリカ雑誌を読み耽る毎日を送っている。



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もうビデオはいらない!? アメリカ生活でのテレビ事情

 最近、週末になるとすっかりテレビに釘付けだ。おそらく今までの倍以上はテレビの前に座るようになってしまったかもしれない。

 世界は確実にデジタル化に進んでいるようで、ケーブルテレビからは "オンデマンド・ムービー"と呼ばれる映画のデジタル配信が昨年末ぐらいから始まっている。この"オンデマンド・ムービー"とは、好きなときにリストの中から見たい映画を選び、それがケーブルTVを通してデジタルで配信されてくるというもの。ビデオのように早送りや巻き戻し、一時停止までもできるので映画の途中でトイレに行きたくなったり、電話が鳴っても一時停止を押せば続きを見逃すこともない。

 アクションやラブストーリ、ホラー映画など約80タイトルがジャンル分けされて、レンタルビデオ屋さんほどではないけれどまぁまぁ揃っているし、中身も『マイノリティ・レポート』や『8mile』と映画館で見逃したわりと最近の映画から、ヒッチコックの『バード』など昔の作品も並んでいる。1タイトル3.95ドルで24時間以内なら何度でも見れて、レンタルビデオ屋に行かなくてもいいケーブルTVのレンタルビデオなのだ。

 ケーブル会社のサービスによっては、人気チャンネルHBOなどのドラマシリーズ『Sex and City』や『Soprano』などのバックナンバーを無料で見ることが可能だ。アメリカのドラマはシーズンで終わることなく"第50話…"と永遠と続くものも多いので、前のものを見逃しているドラマが見れるのはドラマオタクにはちょっと嬉しい。

 このオンデマンド・ムービーに輪をかけて、最近ルームメイトが新たなTV関連テクノロジー・マシーンを購入してきた。

 それは…"リプライTV"と呼ばれるDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)。

 言ってみればデジタルのビデオデッキ。録画したい放送がデジタルでデッキの中のハードディスクに録画され、ハードディスクの容量によっては100時間以上も録画ができるという優れもの。再生時にコマーシャル・スキップのボタンを押せば自動的にコマーシャル無しで見ることができ、「いいところでコマーシャル…」なんてテンションが下がることも無い。(実はこのコマーシャル・スキップ機能の為に、広告会社がリプライTV会社を訴訟中で物議をかもしているのだが。)

 価格は400ドル〜(ハードディスクの容量によって変わる)と、ビデオデッキに比べれば高めで、それでもデジタルデッキの良さってなぁに?と聞かれれば、やはりコマーシャル・スキップ機能と画像がキレイな事と、ビデオの山に囲まれることはないことだろうか。さらにサーチ機能も充実していて、例えば"マドンナ"とキーワードを入れるとマドンナが出ているドラマやドキュメンタリーなどのプログラムが画面に現れて見逃すこともない。もちろん操作は全てリモコン1つ。

 そんなわけであっという間に見なければならないものが溜まっていってしまった。デジタルで簡単に録画はできても、見る側の私はアナログで見ていかなくちゃいけないので、気付くと時間ばかり経ってしまっている。今ではテレビを消したときの静けさが妙に心地いい。ついついデジタルTVの世界に夢中になってしまっていたけれど、自分でコントロールしていくことがやっぱり必要なんだと痛感している今日この頃だ。

2003年5月11日
前田直子


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