このコラムは主としてミュージカルを紹介しているが、これは新橋芸者衆の年恒例の日本舞踊。
明治4年(1871年)祇園の甲部歌舞練場にはじまった都をどりに倣って、東京でも大正14年(1925年)新橋芸者衆の芸を発表する場として、東をどりが始まった。踊りだけでなく、三味線、長唄、清元が江戸の粋と艶を届け、一見さん(初めての客)の日本人ばかりではなく外国人観光客たちから称賛を浴びている。
今回の公演のテーマは「古典で見せる新橋の芸」総合構成・演出、西川左近。2部に分かれ、第1部は、「これが新橋長唄尽くし」君が代松竹梅(長唄)若手10人による華やかなオープニング。雪月花(長唄)雪、月、花を題材に変化に富んだ動きを見せた。
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雪月花。しっとりした雪、粋な月、賑やかな花。 |
第2部は「これぞ新橋清元尽くし」。歌舞伎で知られる夕霧伊左衛門の吉田屋敷での恋模様に続き、女車引(清元)では陽気で明るい面を見せ、幻椀久(清元)では狂気を、最後の口上・フィナーレでは黒紋付に身を固めた出演者全員が「東をどりは東京の踊り、世界のをどり・・・」と歌い、手ぬぐいが撒かれ、会場と一体となって手を締める。
幕間では新橋の大料亭の「味を競う陶箱 松花堂弁当」「料亭の鮨折」が揃う他、点茶席では芸者衆によるお点前、酒処、ドンペリニヨン・ブースなどが設けられていた。
プレスクラブからは日、英、米、ギリシャ4か国のジャーナリストが観劇した。(2018年5月24日~27日/新橋演舞場)
2018.6.15 掲載
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