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ミュージカル「天使にラブ・ソングを」

シアター通よりシアター好き

渡辺晴子
著者プロフィールバックナンバー

ウーピー・ゴールドバークの大ヒットコメディー映画の舞台を1977年のディスコブームで湧き上がるフィラデルフィアに移した“天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~”は日本では4度目の上演。前回にも増してお馴染みのファンと新しい観客に元気を届けるハッピーな作品となっている。


ストーリー

デロリス・ヴァン・カルティエ(朝夏まなと/森公美子ダブルキャスト)はマフィアの親分カーティス・ジャクソン(吉野圭吾/大澄賢也ダブルキャスト)にクラブでの歌手デビュ―を約束されて愛人として交際をつづけてきたが、その約束を反故にされる。おまけにクリスマス・プレゼントは彼の妻の中古品。キッパリ手を切り自立すると決心したところ、運悪く彼が子分たちと共謀した殺人現場に居合わせてしまう。

ミュージカル「天使にラブ・ソングを」
デロリス(朝夏まなと)、カーティス・ジャクソン(吉野圭吾/右端)と子分たち[写真提供/東宝演劇部]

証人として消されては困ると飛び込んだ警察署にいたのが高校時代からデロリスに憧れていた「汗かきエディー」ことエディー・サウザー警官(石井一孝)。エディーは男子禁制のカソリック修道院クイーン・オブ・エンジェルス教会でデロリスを修道女に変装させて匿おうと計画する。

ミュージカル「天使にラブ・ソングを」
デロリスとエディ・サウザー(石井一孝)[写真提供/東宝演劇部]

修道院長(鳳欄)は反対するが、オハラ神父(大川陽介)は「参拝者が少なくミサがガラガラのこの教会を本部が売却を計画しているが、警察からは多額の寄付がある」と説得する。

シスター・メアリー・クラレンスとして潜り込んだデロリスは持ち前の自由奔放な行動で質素な規律正しい生活を送ってきた修道女たちを近所のパブに連れ出したり、食事の礼拝を混乱させるなど振り回してしまう。見かねた修道院長は彼女に聖歌隊に参加する以外のことはしないように厳命。デロリスは修道女たちのあまりにも下手な歌に絶句するが、プロとして鍛えた歌声と明るい人柄で聖歌隊を特訓。そして聖歌隊は激変!

デロリス「さあ、声だして!天国まで届くように思い切り!」
シスター・ロバート「院長様はつつましくと・・・」
シスター・パトリック「メアリー・クラレンスは、神のお言葉は大きな声でと」
デロリス「アーメン」

ロックとディスコ・サウンドに展開した讃美歌はガラガラ空席だった教会に町の人々を呼び込み、献金募集も満額の2万ドルに達する。不動産業者もその成果に感銘して購入資金を寄贈し教会は増築する。

ところが、地元のテレビ局に取り上げられた聖歌隊のニュースはカーティスらの知ることになり、マフィアたちは教会を襲ってくる。シスターたちはマフィアに反撃、デロリスの行動を神に嘆いていた修道院長もシスターになるため修行中の見習いシスター・ロバートもカーティスの拳銃に体を張ってデロリスを守る。拳銃に指が掛かった間一髪、エディーの拳銃が火を噴く。

フィナーレは法皇様を迎えての教会の大ミサ。修道院長、デロリス、シスターたち、男たち全員の“さあ、声を出せ!”の大合唱。続くカーテン・コールでは観客席もペン・ライトを振り回してのディスコ・ダンス! 汗かきエディーの「ジョン・トラボルタ」変身やオーケストラ・ピットからの法皇様がせり上がってくるサプライズも楽しい。(2022年11月17日 東急シアターオーブ/東京公演12月4日まで。その後大阪、広島、愛知、福岡、長野公演)


2022.12.1 掲載

著者プロフィール
渡辺 晴子(わたなべ はるこ) : HKW、シカゴ・サン・タイムズ、アジア新聞財団(東京支局長)を経て、現在HKW代表メディア・リポート特派員。30年来の(公益社団法人)日本外国特派員協会会員で、副会長、理事、監事、選挙管理委員長を歴任し、現在は永世会員。特別企画委員長としての同協会の取材活動、文化事業を主宰している。また上智大学講師、ユネスコ「女性とメディア」開発コンサルタントとして内外のジャーナリストを育成。
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