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ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」

市村正親が8回も殺される?!

英国エドワード朝時代、伯爵の爵位と巨万の富の継承者であることを知った貧しい若者モンティ(柿澤勇人、ウエンツ瑛士 Wキャスト)は、相続上位にある8人を奇妙奇天烈な方法で順々に殺してゆく。

2014年トニー賞4冠に輝くこのブラック・コメディーで殺されるのは聖職者、慈善活動家、舞台俳優、軍人など様々な生き方をする8人で、この8人をたった一人で演じ8回殺されるのが演劇界のレジェンド市村正親。

ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
謎の女性ミス・シングル(左・春風ひとみ)とモンティ(右・柿澤勇人)

幼いころ父親を亡くし、たった一人の肉親である母親を亡くして貧しいアパートで途方に暮れていた青年モンティをミス・シングル(春風ひとみ)が訪ねてくる。彼女はモンティの母の古い友人で、母は大富豪で伯爵のダイスクイス家の一員だが一家の総帥第8代ハイハースト伯爵、アダルバート・ダイスクイス卿の意思に反して結婚したため絶縁された、しかしモンティは8番目の継承権を持つ跡取りである、と教えて、母親が大切に保管していた文箱を開いてその証拠の手紙を見せる。

無職のモンティは銀行家のアスクイス・ダイスクイス・シニアに手紙を書くが、返事は無礼そのもの。聖職者ならと昔の母と交流のあったエゼキエル・ダイスクイス卿を訊ねるが、彼は同情心を見せない。一緒に登った塔で足を踏み外し助けを求める牧師に手を差し伸べず、転げ落ちるに任せたマーティに一つのアイデアが・・・。次々と殺してゆけば8番目の自分が継承者となる!

ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
塔から足を踏み外すエゼキエル・ダイスクイス卿(市村正親)の手を掴まえないモンティ(柿澤勇人)

モンティのガール・フレンド、シベラ・ホルワード(シルビア・グラブ)は玉の輿志望で、彼を愛していながら退屈な金持ちと結婚してしまう。

スケート中に氷が割れ湖水に沈んだり、ベンチ・プレスの重量で体が二つに切れたり、ミツバチに襲われたり、観客を恐怖とユーモアでハラハラ・ドキドキさせながら殺人ゲームは進んでゆく。

ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
モンティ(左・ウエンツ瑛士)と養蜂趣味のヘンリー・ダイスクイス(右・市村正親)

モンティはケンブリッジ大学を出ながら養蜂を趣味としている従兄弟のヘンリー・ダイスクイスの妹、フィビー・ダイスクイス(宮澤エマ)を愛してしまう。
全て順風満帆で進みダイスクイス一族に迎え入れられた時、モンティに災難が訪れる。宴会の席で総帥を毒殺したとの嫌疑が掛かったのだ。

身に覚えのないモンティをシベラとフィビーが暗黙の連係プレイで見事陪審員たちを出し抜いて無罪を勝ち取る。さて、毒殺犯はいったい誰なのか?(4月16日/日生劇場)

ミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
フィビー(左・宮澤エマ)とシベラ(右・シルビア・グラブ)が
モンティ(中央・ウエンツ瑛士)のアパートで鉢合わせ

【東京公演】日生劇場:4月8日~4月30日
【大阪公演】梅田芸術劇場メインホール:5月4日~5月7日
【福岡公演】キャナルシテイ劇場:5月12日~5月14日
【愛知公演】愛知芸術劇場大ホール:5月19日~5月21日


2017.5.4 掲載

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