少女マンガは女性が上位だ。このミュージカルもまさにそう。
才色兼備のお嬢様が法律家になるためパリに向かえば、ただその傍に寄り添いたいだけで休学して追いかけるスリムでお洒落な年下の御曹司。金持ちで学校を我が物顔でのし歩く大財閥のイケメン後継者にコクられても、「じゃー貴方がニューヨークから帰ってから」と肩すかしの返事をする中流の下クラス出身の女子学生。
集英社「マーガレット」に1992年から12年に渡って連載された神尾葉子原作の「花より男子」ミュージカルは、瞳に星を輝かせて「白馬の王子様」を待つ従来の少女マンガから大きく飛躍して、雑草魂に溢れた普通の女の子が主人公なのが新しい。
牧野つくし(加藤梨里香)は会社員の出世は派閥しだいと信じる庶民夫妻の
一人娘で、超金持ち向けの名門校「英徳学園高等部」に入学する。学園は制服すら拒否して私服で通うF4(Flower4/花の4人組)に牛耳られている。
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道明寺司(松下優也)よりレッドカードを突きつけられた牧野つくし(加藤梨里香) |
つくしは目立たなく過ごそうと思っていたところ、F4たちに絡まれ、リーダー格の道明寺財閥の跡取り道明寺司(松下優也)をはずみで張り倒してしまう。ところが張り倒された司はニッコリ。お姉さんに躾けてもらったと思ったのか? 両親から離れて暮らしていた彼は、既に結婚した姉に未だにシスコンらしい。
つくしの「宣戦布告」の歌声が元気で、司の「俺様」 “なあ お前 愚かなお前 これからは 俺になびけ、、、俺というブランドに”の空威張りぶりが愉快だ。
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花沢類(白洲迅/右)は藤堂静(古畑奈和/左)が忘れられない |
F4の仲間でつくしが一時心を寄せる花沢類(白洲迅)は純情さが魅力で、西門総二郎(真剣佑)、美作あきら(上山竜治)のダイナミックなダンス力は特記すべき。(2016年1月5日~24日 於シアタークリエ)
2016.1.16 掲載
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