菊田一夫演劇賞は日本の演劇界に偉大な足跡を残された菊田一夫氏の業績を永く伝えるとともに、同氏の念願であった大衆演劇の発展の一助として舞台で優れた業績を残した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台芸術家、照明、効果、音楽、振り付け、その他のスタッフ)を表彰している。
菊田一夫演劇賞選考委員会と一般社団法人映画演劇文化協会により今回第40回の表彰が4月20日東京パレスホテルにて行われたが、ミュージカル関係がその半数を占めることとなった。
菊田一夫演劇大賞を受けたのは宝塚歌劇団。100周年の一連の舞台成果に対して。表彰状を受け取った宝塚歌劇団理事小林公一氏に加えて100周年の節目の舞台として「眠らない男ナポレオン—愛と栄光の涯に—」を昨年公演したナポレオン役、柚希礼音、ジョセフィーヌ役、夢咲ねね他の星組員たちが参加して席上に花を添えた。柚希礼音、夢咲ねねのサヨナラ公演「黒豹の如く」「Dear DIAMOND—101カラットの永遠の輝き—」が目下東京宝塚劇場で公演中だが、月曜日は休演日に当たるので参加が可能となった。
菊田一夫演劇賞の森公美子さんは「シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜」のデロリス・ヴァン・カルティエの役の演技に対して。
このミュージカルはプレス・クラブで団体観劇したが、映画では主役を演じミュージカル版でもプロデューサー兼主役を務めたウーピー・ゴールドバークに匹敵する名演技と好評だった。
濱田めぐみさんは「カルメン」のカルメン、「メンフィス」のフェリシア・ファレルの役の演技に対して。残念ながら両方とも観劇に機会がなかったが、彼女の劇団四季時代の「アイーダ」での演技や現在日生劇場で公演中の「Death Note」のレムの名演技からみて、そろそろ菊田一夫演劇賞選考委員会から表彰されるのではないかと思っていたところだ。
ミュージカル以外では佐々木蔵之介さんが「ロンドン版ショーシャンクの空に」のアンディ・デュフレーン役の演技に対して、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが「パン屋文六の思案〜続・岸田國士一幕劇コレクション」、「三人姉妹」の演出の成果に対して。
菊田一夫演劇賞特別賞は今年度の「黄昏にロマンス—ロディオンとリダの場合—」のリダの演技を含む長年の舞台の功績に対して渡辺美佐子さんが受けた。
2015.4.27 掲載
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