劇作家としてまた東宝取締役として日本の演劇界に偉大なる足跡を残した天才興行師 菊田一夫氏の業績を永く伝え、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台芸術家、照明、効果他のスタッフ)を表彰する「菊田一夫賞」の本年度の受賞者が本日4月20日、決定した。
受賞者7人(うち一つは団体)のうち、過半数にあたる4人がミュージカル関係なのは日本で初めてミュージカルを大衆演劇の領域まで広げられた菊田一夫氏を記念する賞に相応しくまた、ミュージカル・ファンの筆者としても喜ばしい。
菊田一夫演劇大賞(正賞 記念盾 副賞金百万円也)を受賞したのは三谷幸喜さん。
(「国民の映画」「ベッジ・パードン」「90ミニッツ」の作・演出の成果に対して)
菊田一夫演劇賞(正賞 記念盾 副賞金五十万円也)の受賞者は4人。米倉涼子さん、(「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラの役の演技に対して)、石丸幹二さん、(「ジキル&ハイド」のヘンリー・ジキルとエドワード・ハイド役他の演技に対して)、瀬奈じゅんさん、(「三銃士」のミレディ他の演技に対して)、宝塚歌劇男役の柚希礼音さんは「オーシャンズ11」のダニー・オーシャンの役の演技に対して。
菊田一夫演劇特別賞(正賞 記念盾 副賞金五十万円也)を受けたのは、劇作家 井上ひさし氏の演劇世界を永年舞台製作で伝えるこまつ座と、「女の一生」の堤静の役の演技を含む永年の舞台の功績に対して司葉子さん。
三谷幸喜さんは「昨年は(自分の)生誕50年ということで自分でぶち上げて賞を色々もらったが、この賞が一番嬉しい。実は他でもそういったが、、、、。菊田先生は演劇を芸術というよりエンターテイメントととらえて活躍されたが、自分もそうなのでこの賞は実に嬉しい。もらえるものは全部もらいたい、、、ノーベル賞も。ゆくゆくは菊田先生にならって東宝の取締役になりたい」との受賞挨拶で満場を沸かせた。
ベテランの司葉子さんは「私は他の受賞の方たちと違って菊田先生を生で存じ上げている。出来の悪い娘だったがこれまで育てて頂いた。映画が主だったが、これからは舞台で頑張るのでどうぞよろしく」と会場の演劇関係者にアピールした。
2012.4.25 掲載
|