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実はモデルがいる被り物男『FRANK』

まずは、写真をご覧ください。真ん中が主人公フランクです。
  横の2人もメンバーになっているバンドのリーダー的存在で、曲を作ったり、ヴォーカルを務めたりしています。張りぼての頭を被ったまま。
  真剣に音を追求しています。張りぼての頭を被ったまま。
  みんなで合宿して曲作りに励みながら、シャワーもあびます。張りぼての頭を被ったまま。
  というわけで、コメディです。

中身はマイケル・ファスベンダーです。前半ずっと被り物で、何のためのファスベンダーかというとこですが、切れのいい動きはやっぱりファスベンダー。
  『フィッシュ・タンク』(第72回でご紹介、ファスベンダーの写真もそちらでどうぞ)でもダンスを披露していますが、普段でも踊るのが好きな人らしいです。『X-MEN』(第55回でご紹介)の撮影にダンスで登場して、現場を盛り上げていたそうです。
  今回は、踊りだけでなく、歌もいけるところを見せています。

後半、やっと被り物を脱いでイケメンを見せてれますが、被ったままが良かったかも。というのも、そこからシリアスになってしまうのです。前半が笑えるだけに、マジな話としてまとめず、おバカコメディとして貫いて欲しかったです。と言いつつも、ホロッとしながら見終えましたが。

ところで、フランクにはモデルがいます。写真とほぼ同様の被り物で、フランク・サイドボトムと名乗っていた人がいるのです。そして、この映画の脚本はジョン・ロンソンです。『ヤギと男と男と壁と』(第34回でご紹介)でも笑わせてくれた作家ですが、なんとフランク・サイドボトムがいたバンドのキーボード奏者を務めていたことがあるのです。写真右のキーボード奏者もジョンという役名です。

とはいえ、ストーリーはフィクションだそうです。せっかく、そんな面白い人がいたなら、実話が知りたいところ。計画中といわれるフランク・サイドボトムのドキュメンタリーを、楽しみにしているところです。


『FRANK』10月4日公開 ■ ■ ■

ひょんなことから、被り物の男フランク(ファスベンダー)の率いるバンドに入ることになったジョン(グリーソン)。ヒットさせることなど眼中に無いように音を追求するフランクだったが、ジョンがネット上にアップした映像が人気を呼んでしまい…

 監督 レニー・アブラハムソン
 出演 マイケル・ファスベンダー、ドーナル・グリーソン、マギー・ジレンホール ほか

2014.10.6 掲載

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