━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005年7月11日発行  ━

●━━　若手国会議員メルマガ　『未来総理』　第143号　 ━━━━━━●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　先週はようやく恵の雨が降り始めたと思ったら、一転西日本を中心に集中
豪雨となり、残念ながら亡くなった方もいたようです。梅雨入りあたりは北
陸などの一部を除き雨がほとんど降らなく、今年は空梅雨になると心配され
ていましたが、やはり天候を予測するのは難しいようです。これも温暖化な
どの地球環境の変化からくるものなのかはわかりませんが、エコではないで
すが、地球を大切にしないといつかしっぺ返しが来るのではと思ってしまい
ます。

　今回は公明党の上田勇議員、民主党の細野豪志議員から原稿が届きました。


　┏━━━[ PR：ロゼッタストーン新刊書籍のお知らせ ]━━━━━┓

　  　 　●『拍手という花束のために』（加藤昌史著）

　　１公演観客動員数４００人の学生劇団から年間１５万人動員の
　　人気劇団に成長したキャラメルボックス。数々のピンチを、
　　その生命力で乗り越え続けたプロデューサーが、門外不出の
　　初公開データを元に、語り続ける２８８ページ!

　　　 定価：１５００円（税別）　好評発売中！

　┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　目次
────────────────────────────────☆★
■「日本のＯＤＡはどうあるべきか」
　 　 上田勇（衆議院議員・公明党・神奈川）

■「有権者の声　都議選より」
      細野豪志（衆議院議員・民主党・静岡）

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「日本のＯＤＡはどうあるべきか」
            　 　 上田勇（うえだいさむ・衆議院議員・公明党・神奈川）
──────────────────────────────────
　２０００年に国連で合意された「ミレニアム開発目標（ＭＤＧ）」では、
先進諸国は海外開発援助（ＯＤＡ）の額を２０１５年までに国民総所得（Ｇ
ＮＩ）比で０．７％まで拡大をめざすことになっています。

　ＭＤＧでは、貧困と飢餓の撲滅、初等教育の達成など８つの目標と１８の
具体的なターゲットが定められています。世界には、生活費が一日１ドル未
満という絶対貧困人口が１１億人、飢えている子どもが３億人、小学校に通
うことのできない子どもが１億人いると言われています。同じ地球市民とし
て、このような深刻な問題を解決するためにわが国としても可能な限り貢献
を行っていくべきだと考えます。

　わが国は、食料や資源の多くを海外からの輸入に依存しており、国内で生
産する工業製品の多くを海外に輸出しています。その意味では、国際社会の
平和と繁栄はわが国にとってきわめて重要であり、国際的協調という観点も
踏まえてこれまでＯＤＡを積極的に供与してきました。

　わが国は７，８６２億円を供与しており、アメリカに次ぐ世界第２位のＯ
ＤＡ大国ではありますが、ＧＮＩ比では０．１９％とＭＤＧには遠く及びま
せん。また、近年は財政健全化が緊急課題となっていることから、２０００
年度以降ＯＤＡ予算を減額してきており、０５年度予算では００年度のピー
ク時の７５％にまで減っています。この間、アメリカをはじめイギリス、フ
ランス、ドイツなどの先進諸国のほとんどはＯＤＡを増額しており、しかも
さらにＭＤＧの達成に向けて増額していくことを表明しています。

　こうした環境の下で、これからの日本のＯＤＡのあり方がどうあるべきか
が大きな課題となっています。さらに、国連常任理事国をめざして運動して
いることもあり、国際社会に対する貢献を拡大するためにＯＤＡを増額する
べきとの声が各方面から高まっています。

　しかし、現在の財政状況を考えると難しい問題です。政府・与党では、財
政健全化をめざすため、２００２年以降社会保障関係費を除くほとんどすべ
ての歳出項目を削減しています。また、社会保障関係費についても自然体で
あればもっと予算が伸びていたところを、さまざまな抑制策を講じてきてい
るのが実情です。しかも、将来にわたって財政健全化を図るためには、さら
に歳入・歳出両面からの多大な努力が必要なのは明らかです。このように国
民に我慢や負担をお願いしている中で、ＯＤＡ関係予算だけを例外扱いにし
て増額することには到底理解が得られないと考えます。

　私は、諸事情を勘案して削減のペースは多少緩めるものの、引き続きＯＤ
Ａ予算は減額していかざるを得ないと考えています。ただ、それだけでは国
際社会における責任を果たすことができませんし、国際的な理解を得ること
も難しく、わが国の国益にも適わないと思います。限られた財源をいかにし
て効果的、効率的に使っていくか、そのためには次のことが必要だと考えま
す。

(1) わが国は、アメリカの次に多額の国連分担金を拠出しています。また、
１９９０年代を通じてアメリカを上回る世界最大のＯＤＡ供与国でありまし
た。こうした他の面での国際貢献やこれまでの実績についてもっと積極的に
アピールしていく必要があります。

(2) 経済成長により必要性の低下した中国等に対するＯＤＡを合理化して、
最貧国に仕向けるなど重点的、戦略的な供与を行って、費用対効果を高める
必要があります。

(3) ＯＤＡ事業における工事費、調達費などをチェックしてムダを省き、少
ない金額で効率的に事業を実施していく努力が必要です。

(4) 資金的な協力だけでなく、技術協力や人的貢献を重視して、「顔の見え
る」援助とするような工夫が必要です。

(5) ＮＧＯなどの民間団体と協力して、現地のニーズに適った効果的な事業
内容にすることが必要です。

　◆上田勇ホームページ　http://www.isamu-u.com/top.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「有権者の声　都議選より」
                  細野豪志（ほそのごうし・衆議院議員・民主党・静岡）
──────────────────────────────────
■都議選の結果
　自民４８議席に対し民主３５議席。私が個人的に設定していたのは、
「３０未満なら敗北、３０から３５までなら引き分け、３６以上なら勝利」
というラインでした。議席数で自民党に及ばないわけですから「東京から政
権交代」とはいきませんでしたが、選挙前の１９議席からすると前進です。
ボクシングで言うと、民主の判定勝ちと言ったところでしょうか。

　今回、私は競り合いをしている若手新人の選挙区を中心に応援に入りまし
た。入った選挙区の結果はなんと１０勝２敗。もちろん、「私の功績で当選」
というわけではないのですが、必死に戦っていた候補の当選は嬉しいもので
す。この勝率の高さは、民主が競合いに強くなったこと、そして若手有利の
傾向を示しています。

　当初、大量の候補者を擁立した民主党東京都連に対しては厳しい声があり
ました。心配された共倒れはありませんでしたが、複数立てた選挙区で、若
手の新人が競り勝ち、現職惜敗というところがありました。ベテランが惜敗
した選挙区の戦後処理は大変だと思いますが、新人が議会活動でがんばるこ
とで応えていくしかありません。民主党の議席増を目指すためにも、党内で
の新陳代謝を促すためにも、東京都連の決断は間違っていなかったと感じて
います。

■選挙の風
　今回の選挙は、無風選挙と言われていました。しかし、現実には民主に風
が吹いたと私は思います。選挙を何度か戦うと、肌感覚というのが身につい
てきます。今回の都議選では、前半と後半で有権者の反応大きく変わりまし
た。

　前半、我々応援弁士は、日中関係や郵政などの小泉政権の問題点と、民主
党の東京マニフェストを訴えていました。有権者の反応は全くしらけたもの
でした。反応が出てきたのは、政府税調の増税提案に的を絞った後半です。
「天下りやハコモノなどの無駄遣いを削り、納税者の立場に立つ民主党」と
「無駄遣いを放置し、つけを国民に回す自民党」とやると、主婦やサラリー
マンの足が一瞬とまります。

　一旦風が吹くと、流れを変えるのは至難の業です。選挙戦終盤になって、
「政府税調は政治センスがない」「増税は学者の言っていること」と自民党
幹部が必死で火消しに回ったのですが、かえって火に油を注ぐ結果となりま
した。

　民主党に風は吹きました。しかし、街角で有権者から聞く民主党に対する
評価は、極めて厳しいものばかりでした。民主党を応援してくれている人ほ
ど、国会での民主党の戦いに対する評価は辛らつです。今回の風は民主党が
吹かせた訳ではなく、敵失で自民党に対する逆風が吹いた結果、民主党がわ
ずかに浮き上がったというのが私の選挙に対する総合評価です。


■劇場政治から脱却を
 　衆議院で辛くも通った郵政民営化法案の行方は、誰に聞いても分かりま
せん。衆議院サイドで言えることは、反対の意思表示をした人の方が元気で、
また評価も高まっているということです。この評価は参議院にも届いている
はずです。

　先日、ポスター用の写真を撮るために、散髪に行ってきました。皆、考え
ることは同じらしく、議員会館内にある理髪店は議員で混みあっていました。
毛染めをする人、増毛する人、スタイリストをつける人など、ポスター撮影
には誰もが万全を尽くします。最近は、写真を簡単に修正できるため、本人
の見た目はそれほど関係ないんですが、写真に気合は乗り映りますので、撮

影に備えて気分を高揚させる効果はあるかも知れません。すでに衆議院は、
参議院での否決、総選挙の可能性を織り込みつつあります。

　もちろん、民主党は郵政解散があれば受けて立ちます。自民党が分裂状態
で総選挙に突入するとにでもなれば、民主党にとってはチャンス到来です。
しかし、問題は国民にとって郵政解散がどう映るかということです。

　都議選で実感したのは、郵政に対する国民の関心の低さです。総選挙にな
れば、総理は郵政を争点にするでしょうが、自民党議員（造反議員は無所
属？）は郵政には言及せずに戦うことになるでしょう。自民党はマニフェス
トを放棄して、中選挙区時代に回帰して「自分中心党」で戦うことになりま
す。

　民主党はマニフェストを改訂し、結束して戦うことになりますが、郵政を
訴える小泉総理と、独自の政策を訴える地元の相手候補との二正面作戦を強
いられます。結局、一番迷惑を被るのは、訳の分からない選択を迫られる有
権者ということになります。

　積み残しになっている年金協議、今国会にかかっている障害者自立支援法、
都議選で論争になった増税論議、そして袋小路に入ってしまった外交。重要
テーマは目白押しです。郵政論争が終わったら、総理自作自演の劇場政治か
ら脱却して、まともな国会に戻したいものだと思います。

 ★細野豪志ホームページ　　http://www.goshi.org/index2.htm

┏━━[ PR：★ロゼッタストーン幼児向け学習ノート★ ]━━━━━━┓

　  　 楽しいぬりえで遊びながら、文字や数を覚えることが
       できる「親子でまなぶシリーズ」、日本の昔話が
　　　 可愛いぬりえになった「よみきかせぬりえ」。
　　　 ダイエーバリューショップで発売中です！

　　※詳しくはこちら　⇒　学習ノート

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　編集後記　　  　　　　　　　　　　　　吉永歩　（ロゼッタストーン）
────────────────────────────────☆★
　先週ロンドンで痛ましい事件がおこりました。現在のところ地下鉄・バス
爆破あわせて70人近い犠牲者、行方不明者がいるようです。朝の通勤時間帯
を狙った事件は、実際の犠牲者の数以上にたくさんの人に衝撃を与えました。

　アルカイダの関与かともいわれていますが、こういったテロの犠牲者は毎
回のように一般市民であるということを理解して欲しいと思います。テロを
起こす側にもそれなりの根拠や思いがあるのでしょうが、何かの決着をつけ
る方法がこういった行為しかないというところには、全く弁明の余地はない
と思います。

　日本においてもいつか身近で起こるのではないかと思った方も多いと思い
ます。私も、池袋や新宿といったターミナル駅をよく使うので、何か他人事
ではないものを感じます。列車やバスというのものは、飛行機などと違って
一人一人の持ち物を検査することができないため、現在のゴミ箱を撤去や巡
回といった対策で万全ということはありません。

　こういったテロ行為をなくす為にはどうすればよいのでしょうか？
　
「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。


※いただいたご意見は、「未来総理」のほか、「ロゼッタストーンWEB」の
  感想掲示板にも掲載させていただく場合があります。
　ご了承ください。

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　次号予告
────────────────────────────────☆★
　次回の配信は、７月２５日(月)です。

　大村秀章議員　　丸谷佳織議員　　山井和則議員
　長島昭久議員　　中根康浩議員

　が登場する予定です。

　※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　未来総理メンバーの紹介
────────────────────────────────◇◆
　「未来総理」には、超党派の２８名が参加しています。 　　(敬称略)

◇衆議院
　　石破　茂（自民党・鳥取）　 　 上田　勇（公明党・神奈川）
　　大村秀章（自民党・愛知）　　  吉良州司（民主党・大分）
　　楠田大蔵（民主党・比例九州）　近藤昭一（民主党・愛知）
　　近藤洋介（民主党・比例東北）  鈴木康友（民主党・比例東海）
　　達増拓也（民主党・岩手）   　 樽井良和（民主党・比例近畿）
　　樽床伸二（民主党・大阪）  　　手塚仁雄（民主党・東京）
 　 中塚一宏（民主党・神奈川）  　中根康浩（民主党・比例東海）
　　長島昭久（民主党・東京）   　 西村康稔（自民党・兵庫）
  　福島　豊（公明党・大阪）　　　三日月大造(民主党・滋賀）
 　 細野豪志（民主党・静岡）　　　丸谷佳織（公明党・比例北海道）
  　山井和則（民主党・京都）

　◇参議院
　　荒木清寛（公明党・比例）　　  有村治子（自民党・比例）
　　小池　晃（共産党・比例）　　　桜井　充（民主党・宮城）
　  福島みずほ（社民党・比例）　　藤末健三（民主党・比例）
　　松下新平（無所属・宮崎）

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒　プロフィール
各議員のホームページにもリンクしています。

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人：弘中百合子　編集人：吉永歩
Copyright(C) ロゼッタストーン   許可無く転載することを禁じます
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
━━━━━━━　若手国会議員メルマガ『未来総理』（毎週月曜配信）　━