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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005年7月25日発行 ━
●━━ 若手国会議員メルマガ 『未来総理』 第144号 ━━━━━━●
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7月も終盤に入り夏休みの季節になりました。みなさんはどのような予定
をたてているのでしょうか?ロゼッタストーンはというと、事務所が引越し
をすることになりまして、それが一番の行事になりそうです。
それにしても、やはり気になるのは天気です。梅雨の大雨が記憶に新しい
ですが、今週にかけて大型の台風7号が日本に近づいていますので、海や山
にと行楽へお出かけのかたは気をつけてください。
今回は民主党の中根康浩議員、長島昭久議員、自民党の西村康稔議員から
原稿が届きました。
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目次
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■「初当選から今国会までを振り返って」
中根康浩(衆議院議員・民主・比例東海)
■「歴史教科書の採択問題について」
長島昭久(衆議院議員・民主・東京)
■「郵政民営化法案について」
西村康稔(衆議院議員・自民・兵庫)
◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介
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■「初当選から今国会までを振り返って」
中根康浩(なかねやすひろ・衆議院議員・民主・比例東海)
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2003年11月に初当選させて頂いてより約1年9ヵ月。
国会議員としての生活にやっと慣れてきたし、自分がやらなければならな
いことも明確になってきた。勿論 この1年9ヵ月も全力で走り続けてきた。
例えば、社保庁の不正、ムダ遣い追及。介護保険改悪問題。障害者虐待対策、
障害者自立支援法審議など国民の目線で精一杯取り組んできたと自信をもっ
ていえる。
しかし、まだまだやり切れていないとの思いも強い。コツもつかめてきた
ような気がするところ。そこへ解散総選挙の雲行き・・・。この緊張感はた
まらない。やはり、政治には緊張感が必要だとつくづく感じる。
勿論、今この時期の解散総選挙は、政権交代の大きなチャンスとして大歓
迎するところ。しかし、この政局を招いているのが小泉総理の郵政に対する
個人的こだわり、執着心というのが いかにも残念である。もっとこの国の
未来のあり方についてのビジョンを巡っての論争でありたいと思う。
それにしても、小泉内閣の4年間は、スローガンばかりは かまびすしい
が、その中味は弱者に痛みを押し付けるものばかりの まさに暗黒時代とい
ってもいいのであろう。その極めつけが、政府税調がもくろんでいるサラリ
ーマン大増税プランである。なんとしてでも この内閣にピリオドを打ち、
取りやすいところからとる弱いものいじめの政治をやめさせなければならな
いと固く誓うものである。
それにしても、6月17日(金)夜の衆議院の本会議場内は確かに酒臭か
った。10人以上の自民党議員は、赤ら顔でこの本会議に出ていたのだ。何
といい加減なことか。国民を愚弄しているとしかいいようがない。
この日は第162通常国会の事実上の会期末。午後4時に開かれた本会議
は民主党などが提出した川崎議運委員長の解任決議案が否決された後、一旦
休憩となった。その後、再開されたのが午後8時50分。55日間の会期の
延長が、民主党などが反対する中、自公の賛成多数で決められたのだ。
国民の多くが、そして与党の国会議員の多くが何のために行うのか理解で
きていない。郵政の民営化法案を強引に押し通すための延長である。弱者に
痛みを押し付ける障害者自立支援法案や筋トレを高齢者に行わせ、家事援助
サービスを削減する介護保険法案なども延長された中で、採決が行われるこ
とになる。
他方、アジア近隣諸国との関係は悪化の一途で、国連安保理常任理事国入
りという日本にとっての最大の外交的国益は、損なわれようとしている。定
率減税の縮減、各種控除の廃止による大増税、年金だけでない、介護や医療
や雇用など保険料の引き上げラッシュ。それなのに、議員年金は温存しよう
としている自民党。政治とカネの問題も一向に国民に対して誠実な姿勢を示
さない。
いったい55日間の延長で何をしようとしているのか分からない。国民負
担増だけが押し付けられ、暮らしが破壊されようとしていることだけは確か
である。
やはり、政権交代しかないことを痛感している。
◆中根康浩ホームページ http://www.sun-inet.or.jp/~nakayasu/
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■「歴史教科書の採択問題について」
長島昭久(ながしまあきひさ・衆議院議員・民主・東京)
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■文部科学委員会で教科書採択を質問!
私は去る20日、文部科学委員会で一般質疑に立ちました。テーマは、
「歴史教科書採択」。今年は、4年に1度の中学校教科書の採択の年にあたり
ます。
4年前、馴れ合いが続いていた教科書業界に新規参入を図った扶桑社版
『新しい歴史教科書』。その教科書が批判の大合唱にさらされました。その
大半は実際に読みもしないでの誹謗中傷でした。その結果、2001年の採択率
は限りなくゼロに近い0.039%にとどまりました。そして、装丁も新たに新
規巻き返しを図る今年も、その採択に対して露骨で不当な妨害が行われてい
るのを看過することはできません。
4年前には、栃木県の下都賀地区や杉並区などで、外部から採択妨害の執
拗な圧力が加えられ、教育委員に対し剃刀の刃が送りつけられる事件まで起
こりました。今年も、全国トップを切って採択を決めた大田原市において、
「扶桑社教科書の採択をやめないと子どもたちを殺す」などという脅迫電話
が教育委員会にかかっているといいます。
4年前の教訓から、文部科学省は今年4月付で全国に通達を出し、「静謐
な採択環境を確保していくため・・・違法な働きかけには各採択権者が警察
等の関係機関と連携を図りながら、毅然とした対応をとること」を確認しま
した。そこで、8月末を期限とする全国の公立中学校の教科書採択プロセス
の公正性を確保するため、脅迫事件にまで発展している大田原市のケースを
皮切りにつぎのような質疑を行ったわけです。
(1)全国に先駆けて採択を行った大田原市のケースにどう対処するかは、今後
8月末まで続く全国の教科書採択プロセスに大きな影響を与えるに違いない。
文部科学省、警察庁の取り組みについて質す。
(2)特定教科書の採択を有利にするため、教員組合と教科書出版会社の間で長
年行われてきた馴れ合い慣行について、改めて文部科学省の姿勢を質す。
(3)4年前、全国的にも注目を集めた「下都賀事件」は、教科書採択の権限を
めぐる法制上の不備に端を発したが、未だに是正されていない現状を質す。
(4)1982年に突如起こった中国による「教科書批判キャンペーン」は、日本の
新聞による誤報から外交問題にまで発展し、当時の宮澤官房長官の談話によ
り終息した。しかし、爾来、中国側の一方的な非難に屈する形で定められた
歴史教科書の記述をめぐる「近隣諸国への配慮」条項が、検定制度の根幹を
揺るがし、我が国の教育主権を著しく侵害してきた事実について質す。
■あなたは子供の教科書を読んだことがありますか?
子どもたちがどのような教科書を使っているか、おそらく大方の保護者は
ご存じないでしょう。恥ずかしながら、私も、昨年末に文部科学委員に就任
するまでは、ほとんど気にも留めませんでした。そして、教科書検定から採
択にいたるプロセスがどのようになっており、いかなる問題をはらんでいる
のかについても深く考えることはありませんでした。とくに、義務教育課程
の子どもたちが手にする教科書の内容は、子どもたちの社会を観る目や国家
観・世界観に決定的な影響を及ぼすでしょう。
今回、質疑をして、改めて数社の歴史教科書を読み比べ、子どもたちに、
健全な教育の機会を提供することの重大さ、そして難しさを痛感させられま
した。とくに、自分たちの国の歴史をどのように伝えていくか。良い面も悪
い面もバランスよく触れながら、それでいて自分の国に愛着と誇りが持てる
ような歴史教育の大切さを改めて噛み締めています。
★長島昭久ホームページ http://www.nagashima21.net/
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■「郵政民営化法案について」
西村康稔(にしむらやすとし・衆議院議員・自民・兵庫)
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1.7月5日、わずか5票差で郵政民営化法案が衆議院を通過した。私は賛
成票を投じた。地元の郵便局長の皆様から大変な御心配の御意見も頂き、こ
れまでに何度となく意見交換もさせて頂いた。
2.私の基本的な考えは、以下の2点である。
(1)第一に、大都市部の郵便局の統廃合はあり得るが、地方では例えば「お
年寄りが年金を郵便局でしか受け取れない」地域もあり、また、全国一律で
どこへでも定額(例えば、葉書50円)で郵便物が届くという「ユニバーサ
ル・サービス」を維持する必要があることから、地域の郵便局ネットワーク
はしっかり守ることが大事である。
(2)一方、郵便貯金、簡易保険合わせて340兆円もの資金を公的管理の元
に置くべきでないこと。即ち、これらの資金がこれまで主として役人の天下
りを受け入れる特殊法人などに流れており、日本の金融市場を歪めてきてい
るのである。民営化により、これらの資金が市場を通じて本来資金を必要と
する中小企業等に流れていくことが期待され、必ず日本経済の活性化につな
がると考える。
本法案は、この2点についてしっかり実現できるとの判断に立ち、賛成票
を投じた次第である。(赤字の郵便局は閉鎖されるのではないか、との御懸
念については、法案の修正によりしっかり対応しているし、3年毎の見直し
も行うことになっていることから、地域での郵便、金融のサービスが維持さ
れるよう、しっかりとフォローしたい。)
ただ、これだけの反対票が投じられたことを踏まえ、今後は、郵便局の皆
様方、そして国民の皆様に対し、内容をしっかり説明し理解を得るよう努力
する事が必要であり、特に、今後詰めることになる政令・省令(制度の細目)
を十分に検討することが必要である。さらに、本法案が成立した後も、民営
化の進んでいく姿をよく見守り、法案に規定されている見直し条項に基づい
て、見直しを行うことも躊躇すべきでない。
3.反対票を投じた議員の中には、純粋に郵便局のことを心配し反対した方
々もおられるが、ただ、残念なことは一部に「小泉総理を辞めさせたい」
「政局にしたい」「これを機会に自分の影響力ある政権をつくりたい」とい
った考えが見られることである。
郵便事業の将来や日本経済のことを考えてのことではなく、権力闘争の手
段として今回の郵政民営化法案をとらえていることは極めて残念である。特
に、場合によっては、野党と組んででも「小泉構造改革路線」を否定しよう
とする動きは断じて認められない。
4.小泉総理の政治手法については、
(1)確かに「強引すぎる」「国民に対し説明が足りない」との批判もある
し、否定できない面もある。しかし、これまでしがらみにとらわれて誰も改
革できなかった「道路公団民営化」といったタブーに手をつけ改革を実現し
ているのも事実である。(現に、将来の高速道路建設費を20兆円から10.
5兆円に削減を行った)
(2)また、私のような国会議員1年生でもどんどん発言の機会を与えられ、
仕事を任せてもらえる、自民党をそんな雰囲気に変えてくれたのも小泉首相
である。
(3)さらに、民主党が「消費税増税」を打ち出しているのに対し、小泉総
理は「私の任期中には消費税増税はしない」として、まずは行政のムダ遣い
を徹底的になくそうとする姿勢である。道路公団をはじめとする特殊法人の
改革、社会保険庁解体、そして、地方公共団体のムダ遣い改革と、着実にム
ダ遣いを削減し、その分を年金、福祉に回してきているのである。
(4)確かに、総理の頭の中の大部分が郵政のことにとらわれ、景気対策、
年金などの社会保障改革や他の重要課題にももう少し気を配ってほしい面は
あるが、自民党の雰囲気を変え、政・官・財の癒着構造を確実に壊している
のは間違いない。この改革路線に反対して、既存の利権を守ろうとする抵抗
勢力の話に乗ってはならない。
5.ちなみに、民主党は、郵政民営化については、対案(自分たちの独自案)
も出さず、ただただ廃案を主張するのみである。若手の民主党の中には「本
当は賛成なんだけど」と打ち明ける親しい若手議員もいるが、労働組合の意
向を優先し自分たちの案も出せないのである。「天下り反対」と叫びながら、
公的管理のもと340兆円もの資金を特殊法人などに流し続けることを何故
許すのだろうか。
6.話が広がってしまったが、この郵政民営化に関して、最も大事なことは、
340兆円の使い途である。国が管理することなく、市場を通じて必要とさ
れる企業に流れていくべきことである。このことは郵便局に責任はない。国
の責任である。郵便局においては、今後とも、地域に密着した全国一律のユ
ニバーサルなサービスを提供していただくことが期待されるし、このことは
引き続きしっかりと応援してまいりたい。
★西村康稔ホームページ http://www.yasutoshi.jp/
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編集後記 吉永歩 (ロゼッタストーン)
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今回は、国会のあり方や教科書問題、郵政民営化とバリエーションの豊富
な原稿が届きました。みなさんはどれが一番気になったでしょうか?
国内では郵政民営化問題が一番のトピックとして、衆議院の解散の可能性
など動きが活発になってきました。海外に目を向けると、ロンドンのテロの
余波も冷めないうちに、エジプトで80名を超える死者を出した爆破テロが
起こりました。人種の違い、宗教の違い、歴史的背景など、正直私たち日本
人には理解するのが難しいのかもしれません。見て見ぬふりはできないわけ
ですが、あまりの距離の遠さに何ができるのかわからなくなってしまいます。
今できることは、できるだけ偏った見方をせずに、いろいろな立場からの
意見を聞いてみることぐらいしかないのかもしれません。
「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
※いただいたご意見は、「未来総理」のほか、「ロゼッタストーンWEB」の
感想掲示板にも掲載させていただく場合があります。
ご了承ください。
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次号予告
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次回の配信は、8月1日(月)です。
有村治子議員 荒木清寛議員 桜井充議員
手塚仁雄議員 楠田大蔵議員
が登場する予定です。
※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。
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未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」には、超党派の28名が参加しています。 (敬称略)
◇衆議院
石破 茂(自民党・鳥取) 上田 勇(公明党・神奈川)
大村秀章(自民党・愛知) 吉良州司(民主党・大分)
楠田大蔵(民主党・比例九州) 近藤昭一(民主党・愛知)
近藤洋介(民主党・比例東北) 鈴木康友(民主党・比例東海)
達増拓也(民主党・岩手) 樽井良和(民主党・比例近畿)
樽床伸二(民主党・大阪) 手塚仁雄(民主党・東京)
中塚一宏(民主党・神奈川) 中根康浩(民主党・比例東海)
長島昭久(民主党・東京) 西村康稔(自民党・兵庫)
福島 豊(公明党・大阪) 三日月大造(民主党・滋賀)
細野豪志(民主党・静岡) 丸谷佳織(公明党・比例北海道)
山井和則(民主党・京都)
◇参議院
荒木清寛(公明党・比例) 有村治子(自民党・比例)
小池 晃(共産党・比例) 桜井 充(民主党・宮城)
福島みずほ(社民党・比例) 藤末健三(民主党・比例)
松下新平(無所属・宮崎)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
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発行人:弘中百合子 編集人:吉永歩
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