来年の一般公開に先駆け9月16日、第3回したまちコメディ映画祭in台東で上映される。正確には、前夜祭の映画秘宝まつりでのジャパン・プレミアとなる。
メチャ強い女の子のすごい立ち回りなど、いかにも男の子向け映画雑誌、映画秘宝に好まれそうな映画だが、秘宝ファンでなくても充分楽しめる。コメディの要素もたっぷり、主演のアーロン・ジョンソンも麗しい。
そう、アーロン、実はかなりの美形だ。
主役のオタク少年を演じるのに、美貌をカモフラージュする役目も果たしているようなメガネとカーリーヘアは、欧米オタクの定番スタイル。
爆笑コメディ映画『ナポレオン・ダイナマイト』のお絵かき好きの主人公はじめ、オタクキャラはほぼそれだ。
アーロン演じるイケてない少年は、正義の見方を目指し、通販で買ったボディスーツなどを駆使して自分で考えたヒーロー、キック・アスに変身。
"生身のヒーロー"というのは、このところのヒーローものの1つのトレンドらしい。
昔のことはサラリと忘れ、毎回、新しい恋人が登場するのがお約束だったジェームズ・ボンドさえ、失った彼女のことを想ったりしちゃうのだ。首部分が動くようになった新コスチュームに「これで体ごと振り向かなくてすむ」と言うバッドマンには、首凝ったりしてたのかもと思うと親近感さえ覚えた。
最初から生身そのまんま、しかもズレまくっているキック・アスが、行動を起こしたことで変わっていく姿も、関わり方は超個性的ながら、社会に関わっていくことで大人になる一般の若者と同じだ。
写真は昨年のロンドン映画祭での『ノーウェアボーイ』ワールド・プレミア。
タキシードに身を包んだアーロンは、細身ながら逆三角形のスラリとした肢体のハンサムで美丈夫という言葉がぴったりだ。
当時19歳の主演俳優だったアーロンは、42歳のサム・テイラー=ウッド監督を相手に力の入ったエスコートぶりを見せていた。写真では、そっぽを向き合っているようだが、手はしっかりとつないでいて、この翌日に婚約が発表された際は深く納得したものだ。
7月には2人の間に女児誕生で、アーロンは20歳のパパとなった。『ノーウェアボーイ』を見たら、応援したくなるイギリスの若手俳優+新鋭監督カップルだ。
アーロン・ジョンソン入門(?)としては、『ノーウェアボーイ』を見てオオッ!となってから、『キック・アス』でのオトボケ具合を楽しんだ方が、入りやすいと思う。一般公開は、その順番になるので、映画祭まで来られない方は、まずは『ノーウェアボーイ』で期待を膨らませてから見るのもいい。
ところで、以前ご紹介した『50歳の恋愛白書』同様、『キック・アス』にはブラッド・ピットがプロデューサーとして名を連ねている。やるなあブラピ、作品選択眼もなかなかと思います。
『キック・アス』(原題) 9月16日ジャパン・プレミア |
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オタク少年(ジョンソン)が自家製ヒーローとなって正義の味方活動を始めたところ、もっと本格的なヒーロー活動をしている謎の親子(モレッツ、ケイジ)と出会い…
監督 マシュー・ボーン
出演 アーロン・ジョンソン、クロエ・モレッツ、ニコラス・ケイジ ほか
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2010.9.13 掲載
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