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多数のご応募を頂き、ありがとうございました。 募集を締め切らせて頂きます。
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今回の東北・関東大震災は、日本に第二次世界大戦以来の深い傷跡をこの国に残しました。東京も「計画停電」により、街のムードが一変しています。被害地のために何ができるのか。復興するにはどうしたらいいのか。これからの日本はどうあるべきなのか。焦りのような、もやもやした気分が募ります。
さて、『季刊ロゼッタストーン』休刊から6年が経ちました。書籍の発行を細々と続けながら、私のライフワークでもあるコミュニケーションをテーマにした雑誌をどういう形で復刊するか、ずっと考えてきました。
出版をはじめ既存メディアはじわじわと衰退しています。逆にインターネットが普及し、情報自体の量は以前とは比べものにならないほど多くなりました。ブログやツイッター等で個人の情報発信を目にする機会も増えましたが、マスコミよりも速く正確な情報、深い分析、違った角度からの見方等も多く見られます。
2000年に創刊した『季刊ロゼッタストーン』第一号編集後記で私はこんなふうに書いています。
——いろんな立場の意見を1冊で紹介できる雑誌、コミュニケーションに役立つ総合誌はできないだろうか。失われてしまった「大家族」に近いものを、雑誌のなかで表現できないだろうか。私はそんなことを考えてこの雑誌を創った。
当時の私は、日本人が自分と考えの違う世界を切り捨て、小さな世界に閉じこもり始めているような危機感から、さまざまな人の違う価値観を結び付ける役割を果たしたいと考えていました。
あれから11年。私がやりたかったことは、ネット上に出現したソーシャルメディアによって実現されつつあります。2000年当時、インターネットでは同じ趣味嗜好の人同士がサークル的に集まる傾向にありました。ところが、今ではツイッター等の登場で、もっと緩やかに、いろんな人が気軽に立場背景が異なる人たちと言葉を交わすことができるようになっています。国民同士が横につながるなかで、社会に関心を持ち、自分でも考えたい、何かしたい…と思う人もだんだん増えてきました。震災以後は、特にそういう傾向が顕著になっています。もちろん私もその一人です。
今の私はただ「結び付ける」だけでなく「生み出したい」と考えています。
日本人ひとりひとりの見識の高さ、判断力は世界に誇るものがあると思います。ネットの世界では、有名無名に関係なく、あちこちで興味深いユニークなつぶやきや会話が飛び交っています。こういう一般の知恵を結び付けたら、これからの日本を考える上で良いアイデアが生まれるのではないかと、わくわくします。
多くの人の意見が集約され、話し合われ、提言される媒体。これが、私がいま思い描いている新ロゼッタストーン『理想国会』です。
いまひとつ明確なビジョンを示すことができない本物の国会に代わって、日本の理想像を一緒に考えませんか? 批判ではなく、建設的なプランを考えていきましょう。
従来の雑誌・書籍の枠にこだわらず、多くの知恵や情報を集め、発酵させ、よりすぐれた知恵にして放出する。自分が主体となって情報発信するのではなく新しい知恵が生まれるのを手助けする。……そんな媒体をめざしたいのです。
これまでの雑誌は路線がはっきり決まっていて、「正しいこと」「かっこいいこと」を上から提案する形が主流でした。しかし、今の時代には、多様な価値観の人が集まって一緒にものを考えようというロゼッタストーンのような媒体も必要なのではないかと思います。
そこで、日本のために知恵を絞ってくださる会員を募集します。ぜひ、あなたのお知恵を貸してください。
具体的にはこんな手順を考えています。
- テーマを決め、まず編集部で信頼できる情報を集め、考えるための材料を会員に提供します。
- それに対して自由に疑問やご意見、提案をお寄せいただきます。
- ご意見を参考に専門家(できれば立場が違う2人)を招き、勉強会(理想国会)を開催し、ネット中継します。会員は会場、あるいはネット上で議論に参加してください。
- そのときの話し合いと、その後寄せられた意見をもとに、編集部でいくつかプランをつくります。
- 多数決で、どのプランがベストかを決定します。
- できたプランはネット(ロゼッタストーンWEB)で公開し、その後も折に触れて検証し、磨き上げていきます。
- 最後に「こんな日本をめざしたい」という提言集を電子書籍化します。
(大きく意見が分かれたものについては、両案を併記します)
新ロゼッタストーン『理想国会』の初年度テーマはずばり「新しい日本再建案」。会員の方々とコミュニケーションを取りながら、1年かけてこの大きなテーマに取り組んでいければと思っています。
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