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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005年6月20日発行  ━

●━━ 若手国会議員メルマガ 『未来総理』 第140号  ━━━━━━●

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 6月半ばにもなり、だいぶ蒸し暑い日が続くようになってきました。寝苦
しい夜を乗り切るために冷房を使い始めている方も多いと思いますが、体に
とってはあまりよくないようです。暑い時は暑いと汗をかきながら寝る。割
り切ってしまえば、案外寝れるものみたいです。

 今回は自民党の有村議員、民主党の楠田議員から原稿が届きました。


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  目次
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■「領土問題を教育の基本に」
           有村治子(参議院議員・自民党・比例)

■「最近の低投票率について」
       楠田大蔵(衆議院議員・民主党・比例)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

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■「領土問題を教育の基本に」
           有村治子(ありむらはるこ・参議院議員・自民党・比例)
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 《教科書でも軽んじられてきた領土問題》

   皆様いかがお過ごしですか、ありむら治子です。先週の「北方領土の日
に想う」に引き続き、領土問題の続編です。

   独立国家をなす要件が、(1)国民、(2)領土、(3)主権 の3つであるとす
るならば、さて私たちは、領土や主権の大切さを、教育の中でしっかり伝え
られているだろうか―――自戒を込めて強い問題意識を持っています。そこ
で「日本の教育において、領土問題がいかにとりあげられているのか」を具
体的な切り口にして、先日、中学社会科(地理・歴史・公民)教科書全23冊
の領土に関する記述を調べてみました。

   相互不可侵を誓っていた日ソ中立条約を破って対日参戦したソ連軍が、
戦後2週間近くたって急襲し、不法占拠を60年間続けているのが、現在の北
方領土です。にもかかわらず、現行の教科書においては「第2次世界大戦末
期の占領」という間違った記述や、「二島返還か四島一括返還か、意見が分
かれている」と言った、日本政府の見解と異なる記述も目立ちます。残念な
がら日本の教育において、領土問題がいかに軽んじられてきたかが露呈す結
果となり、北方領土を集中的に担当する内閣府と外務省・文部科学省の連携
が充分に図られていない現状が浮き彫りになります。

   独自に行った教科書記述の調査結果を踏まえ、NHK生中継のあった参議院
予算委員会と、文教科学委員会において、小泉総理に対する国会質問に立た
せていただきました。中山成彬文部科学大臣からは、「北方領土の教科書記
述を充実させるとともに、竹島・尖閣諸島がわが国固有の領土と明記するよ
う、学習指導要領を改善したい」旨の答弁をいただきました。ちょうど島根
県が「竹島の日」の条例を制定した直後で、領土問題が外交問題としてもク
ローズアップされ、世論の関心が高まっていたこともあり、産経から朝日ま
で全国紙4誌を含む朝刊6社が、一斉にこれを報じてくれました。

   この国会質問の報道によって、北方領土について、「史実とは異なる、
間違った記述」をしてきた教科書会社2社が、出版している社会科教科書の
内容訂正を申し出、文部科学省がこれを受理することになりました。加えて、
先日発表された教科書検定の結果においても、日本固有の領土に対して適切
な記述をする努力が見られたことは、一定の前進だと認識しています。

 《自国の領土に関心を持つことが、日本の安全保障対策につながる》

   独立国家には、それぞれの歴史観・領土観があり、領土問題は、国民の
主権に直結する問題です。「どこからどこまでが、国土であるのか」という
固有の領土についての教育は、安全で安心できる国民国家をめざす上で、も
っとも大事な基礎教育であるはずです。ここをきちんと教え伝えていかなけ
れば、将来的にまた「北方領土・竹島・尖閣諸島」に次ぐ、新たな領土問題
を日本国内で発生させることにもなりかねません。

   韓国では中学社会科(国史)において、国定教科書を用いて竹島(韓国
名:独島)のことを1ページにわたり、写真解説とともに教えています。竹
島や尖閣諸島について記述している日本の教科書は4冊しかなく、そのほと
んどが「2行の記述」にとどまっています。残念ながら、将来日本の子供た
ちが、アジアの隣人に「これはわが国の領土だ」と主張されたとき、領土の
重要性について特に教えられることもなく育ってきた日本の子供たちは、そ
れに対して賛否のコメントをするだけの情報を持ち合わせていません。これ
は健全なことではありません。

   今回、日本の子ども達が学ぶ教科書の調査と平行して、先生方が日々参
考にされている指導用教科書における北方領土の記述も確認しました。こち
らも現状はお寒いばかりで、領土の歴史的背景はもとより、北方領土につい
ての説明が一切書かれていない本さえありました。現在全国の教室で教鞭を
とられている教諭の多くが、20代から50代の「戦後派世代」であり、私自身
も含め北方領土について公教育でほとんど教えられずに育った世代だと言う
現実を考えれば、生徒に多大な影響力を持たれる先生方にこそ、北方領土問
題の本質と教育における領土問題の重要性をお伝えすべきだと考えます。

   ドイツの法哲学者イエーリングは、「領土の一部を失って、黙っている
国民は、領土の全てを失う危険を負う」という言葉を残しています。自国に
おける領土について、より多くの国民が関心を持つことが、コストも安く、
平和的でもっとも大事な防衛・安全保障政策だと私は考えます。これからも
「誇りある・安全な日本」の再建に向けて、領土・主権問題に積極的に取り
組み、韓国や中国・ロシアなど隣国と、健全で安定した信頼関係を育む努力
を続けたいと強く願っています。

 ◆有村治子ホームページ  http://www.arimura.tv/

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■「最近の低投票率について」
       楠田大蔵(くすだだいぞう・衆議院議員・民主党・比例)
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 私は福岡5区で立候補しております。4月に補欠選挙が行われた福岡2区
は私の選挙区の北隣りであり相手もあの山崎拓さんということではまり込ん
で挑みました。しかし結果は18,000票弱の差をつけられて完敗でした。投票
率は45.99%。前回総選挙での投票率を7%あまり割り込みました。

 この低投票率こそ敗戦の原因だという声もありますが、私はそれ以上に山
崎陣営の必死さを強く感じました。とにかく危機感が違う。山崎事務所内の
カレンダーに「終わってから倒れろ」という標語が張ってあったのが地元の
報道で出ましたが、まさに言葉だけではない凄みがあったと思います。なぜ
これほどの凄みが出るのか。皆さんはどのように考えるでしょうか?

 私はやはり自民党陣営には生活がかかっているからだと思いました。この
補欠選挙で負ければ政権交代につながるかもしれない。そして地方に補助金
や公共事業が来なくなる、つまりは建設業など業者の人は会社がなくなって
しまう危機感を感じているのです。そのほかにも優遇を受けてきた農協や学
校法人、宗教法人などありとあらゆる業界が既得権益を守るために生活をか
けて選挙に挑むのです。

 皆さんにとりましてはそんな世界は縁遠いと思われるかもしれません。し
かし私の感覚では少なからず生活がかかっている人はその選挙区に2割程度
はいます。ここで低投票率が活きてきます。100%の人が投票するのであれ
ばこの2割の人の声は残り8割の人の声にかき消されてしまいますが、今回
の福岡2区のように投票率が50%を割りこんでくると、この層を取り込み公
明票などの上積みをすれば確実に勝てるのです。

 こうした状況はもう長い間続いてきました。こうした現象を見ているとや
はり政治・選挙というものは第一義に自らの生活を守るということであると
感じます。既得権益を持った人たちがそれを守るために雨が降っても槍が降
っても投票に行く。その反面、政治や選挙で'一見'自分の生活が変わらない
と思っている人は行かない。これこそがやはり投票率が上がらない原因だと
思います。

 しかしここでやはり考えて頂きたいのはこの一部の有権者の権益を守る反
面で多くの借金が積み重なり、税金や保険料の負担が徐々に上がり始めてい
るということです。今のフリーターが歳を取って働けなくなりニートを支え
る親御さんたちが一斉に退職した後などを考えると本当に生活苦になって近
い将来暴動も起きかねません。そうした来るべき危機を今のうちから我々が
皆さんにわかりやすく提示し、若い世代の自らの手で未来をつかみ取るとい
う構図を示し、生活との接点を従来と違う形で感じられるような政治にしな
ければならないと思っています。

 ◆楠田大蔵ホームページ  http://www.mks.or.jp/daizoo/

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★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記                吉永歩 (ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 今回の楠田議員の原稿は投票率の低下に関するものでしたが、みなさんは
どう思われたでしょうか?

 既得権益を守るために投票は必ず行く人と、自分の生活にはあまり関係が
ないため投票に行かない人。他にもいろいろなパターンの人がいると思いま
すが、とてもわかりやすい構図だと思います。

 もともと自分の応援している政治家が議員になり、その後地元に、支持者
に対して何がしかの還元をするという流れ自体は悪いことではないはずなの
ですが、長い年月をかけてくるにつれて、現在の社会情勢や環境に合わなく
なり、ひずみが出てきているのも事実なのだと思います。

 全てが大きく変わってしまった後に後悔しても遅いわけで、今のうちから
政治に興味がない層にもきちんと情報が伝わるように、議員のみなさまには
頑張って欲しいと思います。

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

※いただいたご意見は、「未来総理」のほか、「ロゼッタストーンWEB」の
  感想掲示板にも掲載させていただく場合があります。
 ご了承ください。

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 次号予告
────────────────────────────────☆★
 次回の配信は、6月27日(月)です。

 樽井良和議員  中塚一宏議員  西村康稔議員
 福島 豊議員  三日月大造議員

 が登場する予定です。

 ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 未来総理メンバーの紹介
────────────────────────────────◇◆
 「未来総理」には、超党派の28名が参加しています。   (敬称略)

◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)    吉良州司(民主党・大分)
  楠田大蔵(民主党・比例九州) 近藤昭一(民主党・愛知)
  近藤洋介(民主党・比例東北)  鈴木康友(民主党・比例東海)
  達増拓也(民主党・岩手)     樽井良和(民主党・比例近畿)
  樽床伸二(民主党・大阪)    手塚仁雄(民主党・東京)
   中塚一宏(民主党・神奈川)   中根康浩(民主党・比例東海)
  長島昭久(民主党・東京)     西村康稔(自民党・兵庫)
   福島 豊(公明党・大阪)   三日月大造(民主党・滋賀)
   細野豪志(民主党・静岡)   丸谷佳織(公明党・比例北海道)
   山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)   桜井 充(民主党・宮城)
   福島みずほ(社民党・比例)  藤末健三(民主党・比例)
  松下新平(無所属・宮崎)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒プロフィール
各議員のホームページにもリンクしています。

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発行人:弘中百合子 編集人:吉永歩
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