黒人刑事がKKKへの潜入捜査に成功した実話が基になっている『ブラック・クランズマン』(3月22日から劇場公開)は、笑いに鋭い社会批評をひそませるスパイク・リー監督面目躍如の映画だ。
脚本も書いたリー監督がアカデミー賞脚色賞を受賞した映画の詳細は下記の映画公式サイトに譲り、今回は映画中のワンシーンについて書きたい。
「このレイシストめ!」というふうな言葉が吐かれるシーンだ。誰が誰にどういう状況で言うかは観てのお楽しみとして伏せるが、とっても痛快、胸のすくシーンになっている。
そのシーンが印象に残ったのは、似たシーンがある映画を観たばかりだったから。『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(3月6日からDVD発売)という映画だ。こちらもLBJことリンドン・B・ジョンソン大統領の実話が基。似ていると言っても、片やクライムコメディー、片や政治の世界を舞台にした人間ドラマと、ジャンルからシーンが登場する状況まで全く別だが、やはり、とっても痛快、胸のすくシーンだった。
両方ともアメリカ映画でもあり、トランプ大統領を思い浮かべた。そのシーンに関してではないけれど、『ブラック・クランズマン』ではトランプ大統領のニュース映像も使われていて、連想を呼びやすくもある。
アメリカでは、たぶんトランプ大統領に向けて「このレイシストめ!」と言ってやりたい気分が横溢している?と思ったのだが、たまたま続けて観た2本の映画だけで決めつけるのはこじつけか。
2019.3.16 掲載
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