『僕が星になるまえに』は、2010年のエジンバラ国際映画祭で締めを飾った映画。それが今になって日本で劇場公開されるのは、最近のベネディクト・カンバーバッチ人気のおかげですね。
当時、エジンバラ閉幕映画としても大抜擢というかんじでした。ハッティー・ダルトン監督はこれが初の長編となる新人監督だし、大スターもいない。
主演のカンバーバッチは、頭角を現し始めていました。
BBC放映のテレビ映画での若き日のスティーヴン・ホーキング、同じくBBCテレビ映画でのヴァン・ゴッホなど癖のある役を見事にこなし、賞を獲得。
映画でも『つぐない』や『Four Lions』など、脇役なのに印象深い。
そういえば『Four Lions』も日本での公開まだですね。同じ2010年の映画だし、これを機に公開祈願。なんとテロリストを主人公にしたコメディ。超面白いよー。笑えて、最後はグッときます。
ちょっと脱線しました。話を戻します。
この『僕が星になるまえに』のワールド・プレミアとなったエジンバラ映画祭での上映が6月、その7月には世界的人気シリーズとなるBBCドラマ『シャーロック』が始り、あっという間にカンバーバッチはハリウッドスターになってしまいました。
エジンバラでは、出演兼プロデューサーの1人でもあるアダム・ロバートソンをインタビューして、役者も大変としみじみ思ったものでした。
なかなか自分の思うような仕事ばかりではない役者稼業、打ち込めることをしたいとプロデュースに乗り出し、出会った脚本がこの作品になったのだそうです。
主人公である末期がんの青年の夢をかなえようとする親友の1人をロバートソンが演じています。
末期がんの青年が主人公と聞いただけでお涙頂戴を想像しますよね? 半分正解。ただのお涙頂戴にしていないのは、それぞれの名演。ロード・ムービー仕立てでもあり、コミカルなシーンも織り交ぜながらの青春映画として、カンバーバッチを中心に響きあっています。
邦題でお涙頂戴度が増しちゃってますが、原題はThird Star。何がサード・スター、3番目の星なのかは見てのお楽しみ。
『僕が星になるまえに』10月26日公開 |
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29歳の誕生日を迎えた末期がんのジェームズ(カンバーバッチ)は次の誕生日が来ないことを知っている。もう体の自由も利かなくなっているジェームズだが、3人の親友に旅行を持ちかける。願いをかなえようと奮闘する親友たち。ジェームズの真の目的は…
監督 ハッティー・ダルトン
出演 ベネディクト・カンバーバッチ、JJ・フィールド、トム・バーク ほか
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2013.10.30 掲載
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