ベン・ウィートリー3作目の監督映画。
注目を浴びるきっかけとなった2作目『キル・リスト』はダークなミステリー、最新作の5作目『A Field in England』はダークな時代物だった。ほかにホラー映画なども手がけているウィートリー監督、ダークなのがお得意のよう。
そして、エグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねているのがエドガー・ライト。こちらは『ショーン・オブ・ザ・デッド』から『ザ・ワールズ・エンド』まで、傑作おバカ映画を監督し、イギリスから続々と世界的なヒットを飛ばし続けている人。
その両者の持ち味が良い具合にミックスされ、ダークさがおバカさをひきたてるコメディ映画になった。
楽しいはずだったカップルのキャンピングカーでの旅が、あれよあれよと言う間に地獄の道行きに。他人のちょっとした失礼にムッとするという、誰にでもあるようなことが、坂を転げるようにひどいことになっていくのが可笑しい。
笑わせてくれる主演の2人、アリス・ロウとスティーヴ・オーラムが脚本も担当。イギリスのコメディの役者さんは、ミスター・ビーンのローワン・アトキンソンはじめ、自分で脚本も書く才人が多い。いや、イギリスに限りませんね。お笑いの人は、日本の漫才にしろ、イギリスのスタンダップコメディにしろ、皆さん、自分でネタを書くから、脚本もその延長でいけるのかも。
残酷なことになればなるほど笑えるコメディ、特に最後が秀逸。暴走彼氏に振り回されるだけの彼女じゃなかった。女は強し、女は怖し。
『サイトシアーズ〜殺人者のための英国観光ガイド〜』9月28日公開 |
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ボーイフレンドのクリス(オーラム)とキャンピングカーでの旅に出るティナ(ロウ)。最初に降り立った場所でマナーの悪い男を注意するクリス。車に戻りバックした際に、誤って、その男をはねてしまったクリスは…
監督 ベン・ウィートリー
出演 アリス・ロウ、スティーヴ・オーラム ほか
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2013.10.2 掲載
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