ポスターを見ただけで「あっ、これ面白そう!」、実際に見たら「やっぱり面白かった!」という経験ないですか?
この『素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜』は、おおまかに言えば、そういう映画の1つですが、でも、ちょっと違います。写真を見て「面白そう!」、そして、根本的な勘違いがあったにもかかわらず面白かったという珍しい映画です。
私の見た写真というのが、名優フランク・ランジェラがロボットと見つめあっているもの。そしてタイトルが『Robot & Frank』。てっきりドキュメンタリーと思ったのでした。写真は見えちゃいましたが、試写前は、あらすじなど読まないようにしています。
見つめあうフランクとロボットの横顔のアップ。ロボットを見つめるフランクに、ちょっととぼけた味がある。見つめ返す形のロボットが少し見上げるふうなせいか、何だか、いたいけで愛おしい。フランクが最先端ロボットにビックリ、2人(?)の間に友情が芽生える、というようなものを想像したのでした。
ですが、実際はドキュメンタリーではなく、コメディタッチのドラマでした。フランク・ランジェラは、フランクというおじいさん役でした。紛らわしい。邦題の方は、そのあたりを良く説明してくれています。フランクじいさんと介護ロボットのお話なのでした。
でも、とぼけた味はあります。さすが名優、そこは写真でも、しっかり伝えていたのですね。そして、ロボットがほんとうに愛おしい!こちらも名演?!
ネタバレしてはまずいので多くは語れませんが、「おおっ、そういうことだったのか!」というひねりがいくつもあって、あきさせません。
このおじいさん、犯罪者?というあたりのドタバタで笑わせ、窮地に追い込まれた時のロボットの決断が泣かせます。
老いと介護、自分らしい暮らしを最後まで貫きたい当人の思いとそれを見守る家族の思い、笑いのうちに考えさせられます。
『素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜』8月10日公開 |
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物忘れが激しくなってきた1人暮らしのフランク(ランジェラ)を心配した息子(マースデン)は、介護ロボットをプレゼント。どれだけ役に立つのか疑わし気でもあったフランクだが、ロボットの使い道で名案を思いつき…
監督 ジェイク・シュライアー
出演 フランク・ランジェラ、スーザン・サランドン、ジェームズ・マースデン ほか
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2013.8.13 掲載
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