一見スターというより、どこにでもいそうなアメリカンボーイ、ジェシー・アイゼンバーグ。だが、この顔と名前が知れ渡ることになりそう。
主演作『ゾンビランド』はゾンビ映画としては記録的なヒットとなり、日本でも、この夏から全国劇場公開。
『セブン』や『ファイトクラブ』のデヴィッド・フィンチャー監督の新作『ザ・ソーシャル・ネットワーク』(原題)でも主演。ジャスティン・ティンバーレイクや、新スパイダーマン、アンドリュー・ガーフィールド(前回で少しご紹介)の出演でも注目を集めている作品だ。
そんなことになろうとは知る由もなかった昨年、たいして期待もせずに見た『アドベンチャーランドへようこそ』がよかった。
時代は80年代。舞台はアメリカの遊園地。かっこよくはないけど憎めない主人公(アイゼンバーグ)と、家庭に問題ありで影のあるヒロイン(クリステン・スチュワート)の織り成す恋愛模様をデヴィッド・ボウイ、ルー・リード、ザ・キュアーetc. の懐かしい名曲が盛り上げる。
アメリカのお笑い界で活躍するビル・ヘイダーが演じる遊園地のマネージャーや、マーティン・スターのオタク青年など濃い脇で、コメディとしても上出来。
変キャラの多い中、二の線を一手に引き受けるのが恋敵のライアン・レイノルズ。ヒロインが惹かれるのも納得の大人度、でも大人のずるさが主人公の純なところを際立たせもするあたり、ストーリーも上手い。
『トワイライト』でブレイクしたスチュワートも、こちらへの出演が先に決まっていたそうだから、アイゼンバーグ同様、いいタイミングの配役だったとも言えそう。
このすぐ後に、ハリウッドのメジャースタジオがウッディ・ハレルソンやビル・マーレイなど大物も起用して作ったのが、アイゼンバーグがゾンビから逃れて遊園地を目指すホラーコメディ『ゾンビランド』。それに比べれば、やはり小ぶりな『アドベンチャーランドへようこそ』、日本ではDVDでの公開となったが、なかなかどうして捨てたもんじゃありません。
『アドベンチャーランドへようこそ』DVD発売中 |
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彼女にはふられ、父親の仕事の不調で経済的に行き詰まり、卒業旅行もオジャンになったジェイムズ(アイゼンバーグ)は、大学入学までの夏、遊園地でのアルバイトを始める。そこで働くエム(スチュワート)に一目ぼれするジェイムズだったが…
監督 グレッグ・モットーラ
出演 ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ライアン・レイノルズ ほか
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2010.7.25 掲載
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