マット・デイモン主演のコメディになってるこの作品で、今年観たスティーヴン・ソダーバーグ監督新作は、なんと4本目!すごい創作意欲。才能あふれる監督が乗ってる状態なんだろうな。
ちなみに、その前の3本は『チェ』の2部作と『ザ・ガールフレンド・エクスペリエンス』。それぞれ、かなり違うタイプの作品というのもすごい。
犯罪を扱いながら軽く仕上げ、笑わせながら見せていく本作、ソダーバーグ作品中では『オーシャンズ』シリーズに近い感じ。そういえば、そっちにもデイモン出てたな。
ただ、オーシャンズのようなおしゃれさ、かっこよさはあまりなく、最後にちょっぴり苦味を残して終わらせているのは、笑ってばかりもいられない実話のせいか。
インフォーマント=情報提供者となって、FBIに自社の秘密を明かしたものの…という実在の男性を演じるデイモン、アメリカによくいそうなおじさん風に太めになって、いかにも、たいした悪気もなく悪いことを重ねちゃう会社員の雰囲気。
『ボーン』シリーズのアクション・ヒーロー役にハマったのもビックリだったが、本作での小市民的な会社員も上手い。この役のため14kg増量して、顔も体も丸っこい。
FBIに隠しカメラで情報を送るスパイ活動もするのだが、007みたいな情報員のイメージとは程遠いモタモタぶりで笑わせてくれる。
元通りスッキリしているであろう姿も拝みたかったのだが、残念ながら本作を観た第53回ロンドン映画祭には登場せず。
代わりに写真は、映画祭オープニングに登場の元祖スーパーモデル、シンディ・クロフォード。こちらは、いまだにパーフェクトなボディラインをキープの43歳!
特に出演作なども上映されないのに、なぜ?と思ってたら、この写真の翌日10月15日にロンドンのサッチギャラリーで開催された高級時計オメガ新シリーズ発表に登場。それでロンドンに来てたわけか。得しちゃった気分。
FBIへの情報提供者マーク・ウィテカーをマット・デイモンが熱演。自身が重役にまで登りつめた大手商社で行われている価格操作について話すウィテカーだったが…。実際のお話は、世界規模の大企業の不正事件。それが、とぼけたコメディに仕上がっている。一時はヒーローとなったウィテカーの状況が変転するのは実話通りだが、そこは見てのお楽しみ。
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 マット・デイモン、メラニー・リンスキー、スコット・バクラ ほか
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2009.12.3 掲載
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