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DVD公開予定の低予算映画が、大好評につき劇場公開!
『ル・ドンク・アンド・スコゼイジー』

基本的には日本の公開時期にあわせて書かせていただいているこのコーナー、アー面白かった!いつ公開されるかな?とワクワク待っているのに、公開されない!書けない!という映画の数々…
  という憂さをはらすため、これから、時々は日本公開未定の映画もご紹介していきたい。
  少し待てば日本の配給会社もつくかな?という作品は後に回して、見込み薄と思えるものからご紹介する予定。
  もし、観てみたいと思っていただけたら、ロンドン発 俳優・映画情報の感想を、ぜひ感想掲示板にお寄せください!に、○○公開希望とでも入れてくだされば、たくさんたまった時点で考える配給会社が現れるかも?

公開されない映画だって…その1
『Le Donk & Scor-zay-zee(ル・ドンク・アンド・スコゼイジー)』

『THIS IS ENGLAND』でBAFTA(イギリスのアカデミー賞)も受賞しているシェーン・メドウス監督の新作。低予算で5日で撮りあげたという本作だが、6月のエジンバラでのワールドプレミアも大好評、当初イギリスで9月にDVD公開予定だったものが、10月9日から劇場公開された。

本作の勝因は、何と言ってもパディ・コンシダイン演じるル・ドンクのキャラクターのよさ。
  コンシダインは、同じメドウス監督の『デッドマンズ・シューズ』で俳優賞さまざまを受賞してもいる演技派。その務所帰り役はじめ、刑事とか、やもめとか、思いを秘めた寡黙な男みたいな役の印象が強い。だが、本作では打って変わって、アークティック・モンキーズの野外コンサートに集まった大観衆の前でラップまで披露。ル・ドンクのセリフはほとんど笑えるけど、そのラップの内容も可笑しい。
  プレミア会場となった第63回エジンバラ国際映画祭でのコンシダインは、渋さを封印して(?)ラッパー/ローディーのル・ドンクのまんま登場。ひとたび役に入ったら、なんでもできちゃう!?と、つくづく感心してたら、コメディも音楽も昔からやっていたのだった。私が思ってたイブシ銀イメージの方が役の上?いい意味で、期待を大きく裏切られた感じ。

元のアイディアが面白く、それをよく理解して具体化できるキャスト、スタッフがそろえば、5日で上出来映画が作れることを証明したメドウス監督は、5デイ・フューチャーズというプロジェクトを開始。早くもアメリカの写真家/映画監督ラリー・クラークが契約した。クラークと言えば、まだティーンエージャーだったハーモニー・コリンの脚本を採用して『KIDS/キッズ』を監督、鬼才コリンを映画界デビューさせたお方。ちょうど最近、そのコリン監督の新作に口あんぐりだったところ。そちらも、そのうちご紹介したい。

『Le Donk & Scor-zay-zee』 ■ ■ ■

パッとしないミュージシャンで、アークティック・モンキーズのローディーもしているル・ドンクのドキュメンタリーをシェーン・メドウス監督(本人)が撮っているという設定。元カノのボーイフレンドと張り合ってみたり、実力はあるけど口数の少ないラッパーのスコゼイジー(本人)に説教たれてみたり、ル・ドンクのやること、なすことが、いちいち可笑しくて、少しせつなくもある笑いとペーソス系ドラマ。
  メドウス監督が資金繰りに困っていたところに、イギリスの若手No.1ロックバンド、アークティック・モンキーズからドキュメンタリー制作の話がもちかけられたことで完成した本作、同バンドメンバーもちょこっと顔を出している。

 監督 シェーン・メドウス
 出演 パディ・コンシダイン、スコゼイジー、アークティック・モンキーズ ほか

*DVDになったので英語版なら日本からでも入手可能

2009.11.23 掲載

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