韓国製ウェスタン?
恐れ多くも、マカロニ・ウェスタン界の金字塔コンビ、クリント・イーストウッドにセルジオ・レオーネの『続・夕日のガンマン』(英題:ザ・グッド・ザ・バッド・アンド・ジ・アグリー)がもとになってる?
というわけで、だいじょうぶか?と思いつつ見たら、これがビックリ、楽しめちゃった…
これだけたっぷりお金かけて、しっかりおもしろい娯楽大作が作れちゃうんだ、韓国映画、あなどれない。いや、韓流ブームの日本では、あなどってる人はいないかもしれませんが、私、正直、本作に関しては、なめてかかってました、すみません。
痛快アクション・コメディに仕上がってて、心底感心。
なぜに満州の地でウェスタン?というそもそもの設定から始まって、ツッコミどころもたくさん探せるけど、結果オーライ。
バサリと顔にかかった前髪の隙間から、アイライナーばっちり入った目をギロリ!と登場するイ・ビョンホンも、悪役とは言え、行き過ぎちゃってないか?と思うのは最初のうちだけ。
小気味いいアクションが、目に気持ちいい広大な大地をバックに繰り広げれられるうちに、その世界にも馴染んでくる。今時はたいていCGで作っちゃうような、ありえないシーンも、体を張って、やってくださってる一大エンターティメント映画、悪役も劇画チックなくらいでちょうどいい頃合と納得。
数々のツッコミどころも、見終わった頃には雲散霧消という具合。
本作を試写したのは、昨年のロンドン映画祭。
すでに韓国、アメリカでは一般封切された後で、残念ながら、映画祭への目立った関係者の参加はなし。
で、写真は、韓国つながりということで、グリンダ・チャーダ監督。
『ベッカムに恋して』で一躍有名になったインド系イギリス人監督だが、韓国映画『猟奇的な彼女』のハリウッド・リメイク版も監督している。
映画祭参加、一般公開、リメイクも増えてきて、ここイギリスでも韓国映画の勢いを感じる今日この頃、遅まきながら韓流にちょっと興味がわいてきた。
脱いでもすごかったイ・ビョンホンは、現在公開中の『G.I.ジョー』でも肉体美を披露している。気迫を表現するのに着ている服を引きちぎることを、自ら監督に提案して実現したシーンだそう。自信ありなわけでしょうが、39歳!にしてあの体、当然かも。どんな映画のどんな役でも、必然性など気にかけることなく、どんどん服を引きちぎってほしい。
『グッド・バッド・ウィアード』8月29日公開 |
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満州を舞台に、グッド=いい奴(ウソン)、バッド=悪い奴(ビョンホン)、ウィアード=変な奴(ガンホ)が、宝の地図をめぐる争奪戦を繰り広げる。欧米の人の方が、日本人より韓国製ウェスタンへの違和感は少ないようだ。もとはアメリカ西部劇のウェスタンを、マカロニ・ウェスタン(イタリア製ウェスタン)で見慣れてるせい?
監督 キム・ジウン
出演 ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン ほか
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2009.8.20 掲載
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