(前回からつづく)
「着る」のような語幹が一文字の一段活用動詞の場合、
のように終止形をそのまま転成名詞にしてしまうと、語呂が悪いということも影響しているはずだ。
もっとも、この文は
の目的語「服」が省略されていると見ることもできる。
いずれにしても、このように新型転成名詞は増加しているのだが、今のところ書名やキャッチフレーズ、CMのコピーが主である。コピーライターたちが目新しい表現を常に探しているからに他ならない。
しかし、今後十年くらいかかって、これらの表現が一般の話し言葉に浸透していく可能性は大きい。
その頃には芸能人の記者会見などで、
- 「彼のどこが好きになったのですか?」
- 「そうですねえ、彼のやさしいが好きです。」
というような会話が普通になってしまうかもしれない。
「足りない」を~・・・ かぎかっこをつけることによって、 転成名詞化を表している。
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[参考文献]
ヒューマンアカデミー編2011『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第二版』翔泳社
高見澤孟・監修2004『新・はじめての日本語教育』(株)アスク出版
山形食べる通信
しまむらホームページ(スウェッターズ)
2017.9.15 掲載
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