(前回からつづく)
形容詞を名詞化したい時は、
のように、語幹に通常の活用とは別の接尾語を付加させる。ただし、使える形容詞は限定的だ。「さ」以外には、「み」(例:深み、渋み)が付加されることがある。
ところが、最近は、
- 山形には、ここにしかない「おいしい」が、たくさんあります(山形食べる通信)
- ここにしかないおいしいがつまっている(デイリーヤマザキCM)
という表現が出てきた。従来の感覚では当然、
- 山形には、ここにしかない「おいしさ」が、たくさんあります
- ここにしかないおいしさがつまっている
である。
形容詞の場合でも終止形のまま転成名詞として使われているのが新しいが、前者の場合は読みにくさを考慮して、「おいしい」と引用符つきにしてある。
そしてさらに今度は
という表現も現れている。
「おいしい」のように形容詞の終止形を名詞とすることに違和感がなくなってきたことにより、動詞+願望の助動詞「たい」の「着たい」も名詞にしてしまうという荒業(あらわざ)だ。この助動詞は形容詞型の活用をするので、スムーズに使えるのである。(つづく)
ここにも、終止形転成名詞が。。。 「止まるを助ける!」
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[参考文献]
山形食べる通信
しまむらホームページ(スウェッターズ)
2017.8.15 掲載
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