(前回からつづく) 在日外国人や子供向け以外にも、【漢字表記に対する批判を避けるためのひらがな化】もある。「きょうだい」「障がい者」「子ども」などである。
ひらがな化推進論者曰く、
- 「兄弟」と書くと女の兄弟(=姉妹)のことが考慮されなくなる。
- 「障害」と書くと「害」の字が不適切
- 「子供」は元々「子」を十把一からげにしている
。。。。。。云々である。
この理由によるひらがな化回避は、まだ評価が定まっておらず、例えば朝日新聞は今でも「障害者」表記で通している。
最近よく見るひらがな表記に「ふっこう・熊本」というのがある。漢語は同音異義が多く、「ふっこう」には「復航」、「腹腔」などもあるが、大地震の直後なので、即座に「復興」を思い浮かべる人がほとんであろう。
。。。かと言って、韓国のように時代によって漢字を極端に制限する政策をとると、文章は非常に読みにくくなってしまう。現在の韓国では、我が国のひらがな、カタカナに相当するハングルのみで文章が書かれているのである。つまり、
- げんざいのかんこくでは、わがくにのひらがな、かたかなにそうとうするはんぐるのみでぶんしょうがかかれているのである。
。。。。というような表記であり、いかに読みにくくなるかがわかるであろう。
わが国では、今のところ、漢語のひらがな化はキャッチフレ-ズ的な使用に抑えられているようである。これは決してお上(かみ)からの規制による動きではなく、あくまでも国民の自主判断によるものである。漢字、ひらがな、カタカナ、さらにローマ字まで、異種の文字を適切に使いこなしてきたお国柄のなせる業(わざ)であろう。(この稿終わり)
[参考文献]
四日市市ホームページ「かんきょう四日市」
名古屋市ホームページ「かんきょう実験スクール」
(株)ファンケル・ホームページ「えんきん」
弘前大学人文社会学部ホームページ
2016.12.15 掲載
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