(前回からつづく)
元々の「半端ではない」は二通りに解釈できる。
1) あいつのジャズに関する知識は半端ではない。
のひとつの解釈は
A: 半端に持っている知識以上のことをよく知っている
である。「中途半端」という言葉があるが、その「中途ではなく、それを上回っている。」という意味だ。(図A)
もうひとつの解釈は
B: 十(充)分な知識以上のことをよく知っている
である。つまり、常人以上のことを知っている、イコールプロだという意味である。
外来語を使ってわかりやすい表現を作るとスーパー知識者(筆者作)である。(図B)
「半端ではない」は、元々Aの意味だったのが、主にBの意味に変化してきていると考えられる。
ところが、「半端ではない」の「では」を省略すると、「半端ない」という言葉が別の意味にもとれる。
解釈Aでは、「半端がない」ことになり、「半端な知識もない」と連想してしまう。
解釈Bでは、十分な知識以上の「付加的な知識が特にない」ことになり、特にプロというほどではなくなってしまう。
つまり、その印象は「半端ない」と発言した人の思惑から離れていくのである。(つづく)
2015.11.15 掲載
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