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第61回 「半端ない」(2)


前回からつづく
  元々の「半端ではない」は二通りに解釈できる。

1) あいつのジャズに関する知識は半端ではない。

のひとつの解釈は

A: 半端に持っている知識以上のことをよく知っている

である。「中途半端」という言葉があるが、その「中途ではなく、それを上回っている。」という意味だ。(図A)

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もうひとつの解釈は

B: 十(充)分な知識以上のことをよく知っている

である。つまり、常人以上のことを知っている、イコールプロだという意味である。
  外来語を使ってわかりやすい表現を作るとスーパー知識者(筆者作)である。(図B)

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「半端ではない」は、元々Aの意味だったのが、主にBの意味に変化してきていると考えられる。

ところが、「半端ではない」の「では」を省略すると、「半端ない」という言葉が別の意味にもとれる。
  解釈Aでは、「半端がない」ことになり、「半端な知識もない」と連想してしまう。
  解釈Bでは、十分な知識以上の「付加的な知識が特にない」ことになり、特にプロというほどではなくなってしまう。

つまり、その印象は「半端ない」と発言した人の思惑から離れていくのである。(つづく)

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2015.11.15 掲載



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