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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第196号
*** *** 2005年ももうすぐ終わろうとしています。皆さま、今年は
*****v***** どんな1年でしたか? この時期になると1年間のいろんな
********* 出来事が思い出されますね。今回は今年最後の「ヴィーナス
******* はぁと」です。地方議員からの原稿は、残念ながら集まらな
*** かったのですが、自民党新人、川条志嘉議員から原稿が届きま
* した。今年は自民党の女性議員が目立つ年でしたね。
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目次
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■ 「少子高齢化対策〜女性の視点から」(1)
川条志嘉(衆議院議員・自民党・大阪)
■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「少子高齢化対策〜女性の視点から」(1)
川条志嘉(衆議院議員・自民党・大阪)
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「女性が子供を生み育てやすい社会を作りたい」というのが私のライフワ
ークである。猪口邦子氏の少子化・男女共同参画担当大臣への就任を受け、
与党内でも、男女共同参画のための勉強会が開かれ大臣に要望を上申する
(12/13実施) など、少子化対策・男女共同参画への気運が高まっている。
けれども、夫婦共働きにもかかわらず、男女共同参画といったとたんに拒
否反応を起こす男性、はたまた、ジェンダーと言う言葉そのものに対する誤
解、概念への誤解等課題は山積している。
少子化問題を解決していくためにも、ジェンダーといわれる問題に対して、
政治という側面から「外面の革命」を起す必要がある。またそのために必要
なのが、一つはアメリカのフェミニスト、グロリア・スタイネムの主張する
ように男女双方の精神と意識の「内面の革命」であり、もう一つは、日本の
伝統的価値観と現状を考察することだと思う。
ワーキングマザーや、主婦層へのヒアリングの結果も踏まえ、さらに少子
化対策に成功した国の例も踏まえて、意識・現実・働き方・家庭のあり方な
どを、数回に分けて考察していきたい。
今回は、男女共同参画基本法の論戦が今まさに旬であるという時期を踏ま
え、あえてその現場のレポートは避け、なぜ男女共同参画がポジティブに進
められなければならないか、心の方面から迫っていきたい。
■「内面の革命」・・・心理学からジェンダーに迫る
ドメスティックバイオレンスの加害者・被害者、幼児虐待をする親、高齢
者虐待をする子供、薬物依存者、摂食障害、アルコール中毒、買い物や仕事
の依存症、不特定多数の異性と交際したがる人、といった常軌を逸脱した社
会規範の破壊者は、実は同じ要因を持つといわれている。自尊心のなさに起
因する愛情の飢餓感である。
私がこの仮説に出会ったのは、大学生の教養の時代である。「愛しすぎる
女たち」、あるいは、エーリッヒフロムの論説などを通して現代社会自体の
病める一面を考察できた。
そのきっかけとなったのが、グロリア・スタイネムの「マリリン」という
評伝である。アメリカのセックスシンボルといわれ、虚飾と栄光に彩られた
マリリン・モンローの悲劇的な生涯を、自尊心・アイデンティティ探しの旅
という観点から描いている。
一見女性が気恥ずかしく思ったり、敵視してしまうような、あらわに男性
の気を引くコスチュームや立ち居振る舞い、そういったものすべてが、自尊
心の脆さのあらわれだったとし、時代性の考察を付加した上で、マリリンの
心から現代社会の病める部分を読み解いている。
「すべての男性」に認められたいという思いが、「男性」への極度の依存に
変わり、愛情が壊れていく。年をとって衰えていく「美」にとってかわる、
「子供」「仕事」というアイデンティティを確立できない死の直前の哀しい
姿。自由という仮面の下で、きわめて男女の性別役割分担を強要したアメリ
カ社会、特にハリウッドの様子。
(映画製作において、女性監督なるものが登場したのがごく最近であること
をとっても、この状況は理解できるだろう。)
それゆえ極端に「女性」「美」を敵視したアメリカ60年代のフェミニズム
黎明期の世相。その中で、最後まで可能性を模索し続けた、一人の「女優と
いう職業の女性」の生き方。この本が、心理学や社会学、女性の生き方、日
米の文化比較に私の興味を誘い、その後の私の生き方に大きな影響をもたら
した。(先日偶然、この本の訳者の道下匡子氏と出合う機会があり感激した
が、それはまた別の機会に書きたい。)
今の時代、女性の社会進出が進み、未婚化・晩婚化が進んだことが、少子
化の大きな要因と一部に声高に言う人もいる。
しかし、私はその意見に疑問を持つ。人間も、生命体のひとつであり、種
族保持の欲求は本能の中に持ち合わせている。子孫を育てる場として家庭を
保持したい欲求も持ち合わせている。しかし、環境はそれを許さない。
それを証拠づけるようなひとつのデータがある。平成十三年に厚生労働省
が出した、「第一回21世紀出生児縦断調査」によれば、子供を産む一年前に
職を持っていた人は全体の73.5%。その73.5%の人のうち、67.4%の人が出産
後離業した。その理由の内訳は、
●家事育児に専念するため自発的に職を辞めた人52.0%
●仕事と家庭の両立困難で離職を余儀なくされた人24.2%
●退職勧告された人5.6%
従って、わかりやすく説明すれば、
●出産を経験した女性全体の約半数の人が、出産を機に退職。
●しかも、退職の理由を見れは、出産を経験した女性全体の約四分の一の人
が、自発的に退職。
●これとは別に女性全体の約一割の人は両立できずに泣く泣く仕事をやめて
いる。
また、男女雇用機会均等法で現行でも禁止されている「妊娠・出産を理
由とする解雇」に当たる事例が、出産を経験した女性の2%もの人に起こって
いる。幸運にも育児休業を取って無事職場復帰を可能にした女性は、出産し
た女性の18%。これから、結婚して子供を産もうという女性は、この現実に
想像以上に厳しく直面している。
私たちは子供のころから学校では、たとえ無意識のうちに「男は理系、女
は文系」という、区分けがあるにせよ、がんばれば男性と同じ評価を得られ
るという期待感を持ち、大学までがんばってきた。資格試験においても、機
会はほぼ均等に保証されている。野球やサッカーといったスポーツの分野で
も、がんばれば道は開ける時代である。
しかし、肝心の実生活において、あるいは職を続けるに当たって、本来な
ら慶事のはずの出産が、仕事と家庭を選択させる踏み絵になる。しかも、女
性のみ直面する事態である。
ここで「人間」という軸を中心に積み上げてきたアイデンティティが、
「産む性、育てる性」という別の価値観に理不尽にも直面して、アイデンテ
ィティの危機を迎えると、思えるのである。
ニュースで聞く児童虐待の増加。しかも、専業主婦にそれが増えていると
いう、驚くべき事実。子育てのストレスは専業主婦の45%、兼業主婦の29%が
感じているという。
アルコールやギャンブルや買い物への依存。そういったものの背景には、
このようなアイデンティティの危機が大きな要因としてあると考える。それ
だけではない。パート労働で調理に携われば一時間いくらと評価されるのに、
家庭で調理しても評価されることはなく、「私は家事しかしていない」と自
信喪失してしまう。
しかも、一日のうち女性が家事に費やす時間は、約四時間に対し男性はお
茶を入れることも家事と含めて約二十分という統計もある。未婚・晩婚の増
加は、女性たちがアイデンティティの危機から身を守るための自衛の手段で
はなかろうか。
「子供を産まない。」この選択は、いつか種族の消滅へとつながっていく。
今、人間本来の種族保持の欲望を素直に達成するために必要なのは、なんと
なくおかしいと思いながらいえなかった環境整備、社会制度に対して声を上
げることではないだろうか。
男性も女性も「人間」というひとつの価値観、アイデンティティに基づい
て、生涯生きていきたい。母性や家庭を大切にしながら働きたい。アンペイ
ドワークといわれる家事・育児をもっと評価してほしい。こんな願望をはっ
きりと意見として述べることが必要ではないだろうか。これが一人ひとりに
必要な「内面の革命」であり、国の「男女共同参画」「少子化対策」といっ
た施策を大きく動かす原動力になると考えている。
今、男女共同参画基本計画や少子化白書がまとめられ、家庭を大切にしな
がら働く働き方が、模索されている。幼保一元化も平成17年度全国35箇所で
試験事業が行われ、18年度本格実施が予定されている。その中で、地域の人
に門戸を開く子育てセンターを併設するプランまである。
「政治の改革」は国民の意識を変えていくが、政治を動かすのは「国民の
意識」に他ならない。車輪の両輪である。子供に対して「踏み絵」ではなく
「神の賜物」という意識を取り戻すための国の施策の重要性について、次回
は書きたいと思う。
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編集後記 ロゼッタストーン・弘中百合子
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日本の人口が「自然減」に転じたというニュースが先日流れました。これ
から日本は「少子化」という問題に真剣に取り組んでいかねばなりません。
考えてみれば、こんな時代は、女性議員たちが活躍できる絶好のチャンスの
ような気がします。
われらが「ヴィーナス議員」たちの来年の活動にも期待したいですね。
今年1年間、「ヴィーナスはぁと」をご愛読いただき、ありがとうござい
ました。来年2月には、「ヴィーナスはぁと」も200回を迎えます。
なんらかの記念イベントを催したいと思っておりますので、どうぞご期待く
ださい。来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
では、みなさまどうぞ、よいお年を!
※「ヴィーナスはぁと」へのご意見、ご質問は
vheart@rosetta.jp までお願いします。
お手数ですが、お寄せいただくご意見に
1)「掲載可」か「掲載不可」か
掲載してもよい方は
2)「匿名希望」か「実名可」か
3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か
をお書き添えいただけると、大変助かります。
※「ヴィーナスblog」にも、ぜひコメントをお願いします。
( http://blog.so-net.ne.jp/venusheart/ )
※いただいたご意見は、「ヴィーナスはぁと」のほか、「ロゼッタストーン
WEB」の感想掲示板にも掲載させていただく場合があります。
ご了承ください。
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「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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◇衆議院
川条志嘉(自民党・大阪) 小宮山洋子(民主党・東京)
とかしきなおみ(自民党・大阪)
◇参議院
有村治子 (自民党・比例) 岡崎トミ子(民主党・宮城)
千葉景子 (民主党・神奈川) 広中和歌子(民主党・千葉)
福島みずほ (社民党・比例) 円より子 (民主党・比例)
吉川春子 (共産党・比例)
◇都道府県議会
石坂千穂(長野県・共産党) 京野公子(秋田県・いぶき)
高村京子(長野県・共産党) 仁ノ平尚子(山梨県・無所属)
平野みどり(熊本県・県民クラブ)遊佐美由紀(宮城県・民主党)
渡辺智子(香川県・無所属)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。
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■次号予告
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次回の発行は、1月19日を予定しております。
とかしきなおみ議員(自民党) 広中和歌子議員(民主党)
福島みずほ議員(社民党) 円より子(民主党)
吉川春子議員(共産党)
が登場する予定です。
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