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オリンピックのとばっちり

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あらゆるメディアがオリンピックへのカウントダウン

間近に迫ったロンドン五輪ですが、関係ないと思っていました。もちろん、街に出れば、そこここに五輪マークや万国旗が飾られ、関連イベントも目白押し、盛り上げようという意気込みは感じますが、それに乗るかどうかは、また別の話。

ですが関係ありました。先日、五輪のせいで、けっこう長距離を歩かされました。いえ、五輪記念歩こう大会みたいなことではなく、バスのストライキ。交通機関も大忙しが予想される五輪期間に向け、ボーナス獲得のため、ロンドンの8割方のバス会社でストライキが決行されたのです。

普段よりストレスフルな労働となるのでありましょうバス会社の方々が、その超過労働分ちゃんと払えということですね。みんなでロンドン五輪を成功させよう!オーッ!みたいなことではサービス超過労働などしないというのが、イギリスっぽい。五輪期間は乗客も多くバス会社も儲かるでしょうから、それを支える労働者にもというのは当然の要求。ということで、スト決行日にたまたま取材があり、往復1時間テクテク歩く羽目になった私も、ストをしたみなさんのことは悪く思いません。

そう言えば、土日は工事であちこち閉鎖になることが多いイギリスですが、このところ、いつにもまして工事で迂回することが増えていました。地下鉄は路線や駅が閉鎖、道路も工事で渋滞と、なかなか大変でした。五輪の準備期間から片づけ期間まで街中にあまり車をいれないよう、駐車場を閉鎖中のショッピングセンターなどもあります。こうしてみると、五輪にいろいろとばっちりを受けていたようです。

とは言え、工事して綺麗に便利になったところは、五輪後もそのまま使えるわけではあります。予定より大分遅れていた各所工事もさすがに終わっているはずですが、開催期間は交通規制で通れない場所が多くなるので、あまり出歩かず、せいぜいテレビ観戦でもしながら、ロンドンの日常が戻るのを待ちます。嵐が過ぎるのを、頭を低くして待つという感じでしょうか。

大分遅れたと言えば、警備を請け負った会社が、要求された警備員数を満たすことが出来ず、その分を軍がやることになったそうです。開催中は、兵士がロンドンの街中に増えて、ちょっと怖い感じになりそう。元を正せば、たくさんの警備員が必要なのはテロをにらんでのことでしょうから、怖いのは軍ではなくテロなわけですが。

何だか迷惑気なことばかり書いてしまいましたが、楽しみでないこともないです。まずは、『スラムドッグ$ミリオネア』(本ウェブサイトのこちら)に『127時間』(本ウェブこちら)と今勢いのあるダニー・ボイル監督が手がける開会式。『トレインスポッティング』や舞台でもボイル監督と組んだアンダーワールドが音楽監督です。ボイル映画の良さには音楽使いの上手さもあるので、そのタッグによる大舞台ということでも期待大です。

2012.7.25 掲載

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