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人生の3分の1の時間をロンドンで過ごしましたが、いまだに「へエー!」と驚かされることも多いイギリス。それとは逆に、こちらから見える日本に「フーム」なんて考え込んでしまうことも。そんなあれこれをランダムに綴ってまいります。

シェイクスピア生誕400周年

まずは訂正です。本連載2013年4月27日掲載「ヤラセじゃなかったリチャード3世遺骨発見」中、「ウィリアム・シェイクスピア作『リチャード3世』をBBCのドラマで見たばかりだったから。 ベン・ウィショーがリチャード3世役。」は大間違い、ウィショーが演じたのは3世ではなく2世、シェイクスピア作『リチャード2世』でした! 3年間も間違えたままで本当に申し訳ありません。

3年越しの間違いに気づいたのは今年放映された続編でした。ウィショーのドラマは2012年放映『The Hollow Crown』中の1篇でしたが、続編『The Hollow Crown: The Wars Of The Roses』の後半ではリチャード3世が主役でベネディクト・カンバーバッチが演じます。あれっ?と確認して愕然、これこそがシェイクスピア作『リチャード3世』でした。

2013年にリチャード3世の遺骨が発見され大騒ぎになった時、悪行で知られる王というので、前年に見たウィショーのリチャード王と思いこんでしまいました。なかなか酷い王だったので。それがリチャード2世だったわけですが、そちらが姑息というか卑怯というかコソコソ悪いことをするふうなら、カンバーバッチが演じてみせたリチャード3世は勇猛果敢に悪いことをします。どいつもこいつも、ろくでもない王です。

The Hollow Crownシリーズは英国王を主人公にしたシェイクスピア劇を歴史順に放映するもので、シェイクスピアが王のろくでもなさに焦点を合わせて描いたとも言えます。様々な思惑が交錯する中、敵におびえ、保身を図り、時に人を裏切ったり、陥れたりする王、ろくでもないというより人間くさいのかもしれませんが。

『The Hollow Crown: The Wars Of The Roses』はBBCのシェイクスピア生誕400周年記念の一環として放映されました。ドラマからドキュメンタリー、はてはお笑い番組までシェイクスピア関連の番組がたくさんあった中、黒澤明監督『乱』も久々に見ました。ご存知のように『リア王』を日本の時代劇とした1985年の作品ですが、今見ても全然古くないです。

リアルで知っているその時々の流行りすたりが如実に表れる現代劇より、イギリスものであれ日本ものであれ時代劇の方が古さを感じさせないのはあるにしても、さすがのシェイクスピア、さすがの黒澤です。

シェイクスピア生誕400周年は、まさに400周年のその日となるシェイクスピアのお誕生日4月23日前後が一番盛り上がってましたが、引き続き、様々な催しで祝われています。

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大英図書館

2016.9.15 掲載

著者プロフィール
山口 ゆかり(やまぐち ゆかり) : ロンドン在住ライター、コラムニスト。最近は映画関連の仕事が多いですが、イギリスの文化、社会ネタなども書いています。
・ブログ「イギリスの映画 など」
http://yukariyamaguchi.wordpress.com/
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