「きのう、**のパーティに行ったんだけど、なんか私にはアウェイな感じがしたんだよね」などと使う。この「アウェイな」(away)の部分を日本語にすると、「場違いな」、「居心地の悪い」、「(私が)よそ者な」というニュアンスだろうか?
このアウェイ、2005年に放映されたドラマ「電車男」(フジテレビ)で主人公やその仲間が言ったのがきっかけで一般化したらしい。
元々はサッカーの試合で、自分の陣地で戦う「ホーム」に対して、敵地で戦うときに「アウェイ」と言うことに端を発している。
そもそも、野球ではホームグラウンドではない方のチームのことをビジターとか、ロードとか言っていたのだが、サッカー人気が野球を上回るようになって、「アウェイ」の方が新しい感じがするようになり、意味が拡張されたようだ。
「ビジター」は迎える敵に対しても敬意を表するニュアンスがあるが、「アウェイ」と呼ぶと「よそ者」感があるのが気になる。
さてこの、「アウェイ」は「アウェー」と書くこともある。
Yahoo!で「アウェイ」を検索してみると、約866万件に対し、「アウェー」は約863万件と勢力はほぼ拮抗している。筆者は英語発音に近い「アウェイ」の方に軍配を上げたいが、文化庁HPの国語表記の基準を見る限り、どちらかと言うと「アウェー」のようだ。
日本語としてのこの言葉自体新しいため、用例としては載っていないが、高速道路を表す言葉の場合は「ハイウェー」となっている。
英語でのaway[awei]の[ei]の部分は二重母音であり、一気に発音する。さらにその前が半母音[w]であるから、いわば2.5母音という感じだ。この一気に発音するという感覚は日本人にはわかりにくい。例えば、日本人が「 I 」(私)をゆっくり発音してくださいと言われると、「ア〜〜イ〜〜」と発音する人が多いと思うが、欧米人の場合は「ア〜〜〜ィ」となるはずだ。
今、最後の「ィ」を小さく書いたが、二重母音らしく表記しようとすると、標題の言葉は「アウェィ」が良いのではないかと思う。ネット上での検索では「アウェイ」でも「アウェィ」でも同数となる。検索システムでは大文字、小文字を特に区別していないからだ。
もっとも、日本語としてのこの言葉は「アウェー」が一番発音に忠実であろう。世の中では[awe:]と発音している人が多いだろうから。
[参考文献]
日本俗語辞書
http://zokugo-dict.com/01a/away.htm
文化庁HP「国語表記」
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gairai/huroku02.html
2013.5.15 掲載
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