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第18回 モード(2)


さて、手許の英々辞典でモード(mode[məud] n.)を引くと、四番目の意味として、

* an arrangement or a setting of equipment to perform a certain task

とあり、カメラなどでの「manual or automatic mode」が例にあげられている。
  なるほど、「決まった仕事を実行するための機器の設定」、つまり「切り替え」と言うことだ。
仕事モード、お休みモードの切り替えが大切だと言うことだ。

しばらく前に見たネコの生態を解説する番組で、大学教授による「ネコのスイッチ」という説明を聞いた。
  ネコは「親ネコ」「子ネコ」「野生ネコ」「家ネコ」の四つのスイッチを持っている という話だ。
  ヒトから見てネコが気まぐれに見えたり、野獣に見えたりするのはこの四つのスイッチを使い分けているのだそうで、なるほどと思った。

しかし、どちらかというとこの「スイッチ」という言葉はこの四つを切り替える手段であり、この四つ自体は「親ネコモード」、「子ネコモード」。。。という言葉を使った方がわかりやすいのでは?と思った。
  最近、人間が使う「モード」という言葉はなんとなく***気分という意味合いが大きいのだが、ネコの場合は見事に役割というか、電化製品のような機能をきちんと演じているような感じがする。

複雑な人間関係の中で必死に生き抜く現代人。。。。
  ヒトという動物は機械や電化製品のようにスイッチで切り替えなくても、他のモードの行動が出来てしまうから厄介だ。近年はケータイ電話やパソコンがあるために、休日でも残った仕事をしたくなったり、逆に仕事中に余計なことを考えたりしてしまう。

ときどきネコにモード切り替えを学びたくなる人も多いことだろう。

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参考: A S Hornby, Jonathan Crowther 1996「オックスフォード英英辞典」開拓社

2012.4.15 掲載



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