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         女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第191号

  ***   ***      昨日も茨城県沖で震度5弱の地震がありました。
 *****v*****   最近、地震が多く「またか」という印象です。といいつつ、
 *********  地震への備えは正直あまりできていません。慣れてしまって
  *******  危機感が薄らぐことのないようにしなければ、と思います。
   ***   今回は、民主党の円議員と小宮山議員から原稿が届きました。
   *  総選挙という激震のあと、国会はどうなっているのでしょうか。

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   目次
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■ 「少子化時代の女性への応援歌」
   円より子(参議院議員・民主党・比例)

■ 「衆議院選挙後の国会の状況」
   小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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   『晴留屋応援団』募集開始!

  ロゼッタストーンでは、元殴られ屋・晴留屋明さんのWEBエッセイ
 『明日こそハレルヤ!』の単行本発売準備を進めています(11月発売予定)。

  多額の借金を抱え、家族とも別れて暮らしている晴留屋明さんですが、
  なんとか、元の暮らしを取り戻したいともがいています。そこで、この
  機会を「一発大逆転」最大のチャンスと考え、「晴留屋応援団」を募集
  することにしました。興味があるかたは是非見てみてください!

  ※詳細は以下のアドレスからご覧になれます。
  http://www.rosetta.jp/hareruya/ouendan.html

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 「少子化時代の女性への応援歌」
                  円より子(参議院議員・民主党・比例)
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「ひのえうま」という言葉を知っていますか。この「丙午(ひのえうま)」
の年には火災が多く、またこの年に生まれた女性は夫を食い殺すとか短命に
するという迷信があります。

 ひのえうまの年は近々では1966年だったのですが、この年、子どもの数が
異常に減りました。迷信とは思っていても、世の男女は、産児制限に努めた
んですね。

 第一次ベビーブームといわれた1947年〜1949年の3年間は毎年270万人ほ
どが生まれていましたが、さすがに1950年からは減少が続き、62年頃からま
た少し増加し、65年は182万人の出生数となりました。ところが翌1966年ひ
のえうまの年はがくんと136万人に、つまり50万人近くも減ったのです。翌
年の出生数は、再び194万人近くに増え、73年には209万人と第二次ベビーブ
ームの山ができました。

 以後、出生数が減り続けているのは誰もが知っていることですが、少子化
が大きな社会問題として浮上したのは、実は1990年のことなのです。

 この年、前年(1989年)の合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む
子ども数)が1,57と発表されたからです。1966年のひのえうまの年の合計特
殊出生率の1,58を下回ってしまい、1990年は「1,57ショック」という言葉が
列島中を駆け巡りました。

 以来、経済界も行政界も労働界も「大変だ」との認識のもと、様々な「少
子化対策」なるものをとってきたようですが、どれも効果はなく、ついに昨
年の合計特殊出生率は1,29と前年と同じながら出生数は過去最低となったこ
とは周知のとおり。現状維持できる人口置換率が2,08ですから、それを大幅
に下回っています。このままでは2007年から人口減少時代に入ると予想され
ていましたが、今年(2005年)上半期の人口が3万1千人減ったことが、つ
い先頃(8月)公表され、このままでは2年早く今年にも人口減が始まる可
能性が出てきました。

 世界一の長寿国である我が国は、人口減と同時に「超高齢社会」という現
実も抱えています。
 高齢者の医療費、介護費、年金の増大を見ると、少子化と高齢化が世界最
速で進む我が国の未来は、あまり明るくなさそうです。

 この15年、少子化と高齢化は社会の悪でもあるかのように、連日、新聞紙
上で「問題」として取り上げられ、「労働力がなくなる」「国力が落ちる」
「社会保障が揺らぐ」と人々の不安があおられてきました。
 もっと言えば「子どもを産んで育てるのはコストがかかる」とか「女性が
働き続けることができない時の逸失利益はいくらいくらだ」とか、どうも個
人と社会の損得の論理ばかりで議論されてきたように思います。
 そんなに少子化や高齢化は個人にも社会にも損なことなの――私は常々、
どの論調を聞いても納得できませんでした。

 長寿になったのは、発達した医学の恩恵を誰もが受けられるようになった
からだし、衛生的な水や十分な栄養をとれるからだし、まさに「豊かさの証」
です。
 少子化も同じく「豊かさの証」なのです。衛生的な飲み水もなく、伝染病
を防ぐ薬もなく、避妊の知識もない地域では、子どもの死亡率が高く、女た
ちは生き残る子をつくるために、せっせと子どもを産んでいます。

 2050年には我が国の人口は1億人を切ると言われています。そうなれば、
女性と高齢者の活躍の場がぐんと広がるのではないでしょうか。
 2007年にどっと定年を迎える団塊の世代や女性たちに働いてもらわなけれ
ばならないなら、個人や家族の暮らしとのバランスのとれた働き方や在宅型
の仕事など、就労の時間も条件も多様になるはずです。通勤の問題や住宅問
題だって変わるはずです。外国人労働者の受け入れも真剣に検討する必要が
あります。

 人口減少は大問題だと言いながら、小手先の対応しかできなかった我が国
の体質はなかなか変わりません。急激に労働力が減り、どうにもならなくな
った時に初めて、本格的な対策をとるのがこの国のやり方なのでしょうか。
国や行政には期待せず、国民が子どもにしっかりと目を向け、子どもの生き
やすい社会に変えていくしかないのでしょうか。優しい目で他人の子を見、
子どもの声をうるさいと思わない人が増えない限り「子ども」が増えないこ
とは事実です。

 だから私はいっそ人口が減ったほうがいいと思っているのです。多くの女
性もそう思っているからこそ少子化が進んでいるのです。しかし、だからと
いって国が何の施策もとらないでいいという理由にはなりません。

 人口増加の圧力が減ることは地球の環境にとっても食料やエネルギー供給
にとってもいいことです。
 1960年に30億人だった世界人口は、今63億人を超えています。2050年には
89億人になると予想され、私たちは人類存亡の重大な局面にいると考えなけ
ればなりません。日本社会だけのことを考えず、地球社会のために尽力する
ことが私たちの責務です。

 1994年、カイロで国際人口開発会議が開かれました。当時は2050年時点の
人口は爆発的に増え98億人になると予想され、人口増加に悩む国々に対して、
女性やカップルが自分たちの体についての正確な知識を得ることと、また、
子どもをいつ何人産むかどんな避妊方法を行うかを自由に選べる権利の確立
が必要だと勧告しました。それまで、人口増加を食い止めようと不妊手術や
持続効果の高い避妊薬を勧めてきた国家主導型の手法を根本的に問い直すこ
とになったのが「カイロ行動計画」だったのです。

 そして女性の教育水準を高くするとその効果は大きくなり、各国で、以前
は無視されていた社会的文化的性差(ジェンダー)の問題も取り上げられる
ようになり、98億人と予想された人口は10年間で89億人にまで下方修正され
ることになりました。多産多死の傾向に歯止めがかかったのです。

 私たち女性から見れば衛生状況が悪く、食糧もない中で、産んだ子がすぐ
に死んでしまうなんて耐えられないことです。世界中の女性たちと子どもが
そういう不幸から少しでも免れるよう支援していきたいと思うし、少産少死
は不幸なことどころか、女性や子どもの「幸福」ではないかと思うのです。
 だからこそ、国が少子化対策と称して子どもを産める環境づくりをするの
は、お節介だとさえ思います。それも、産めよ増やせよの発想から抜けきれ
ないから、その対策はちっとも効き目がありません。

 子どもの面白さ、可愛さに気づかない人は、なかなか子どもを持とうとは
思いません。
 厚生労働省の調査で、既に子ども1人のいるカップルの7割以上は「もう
1人ほしい」と考えているけれど、子どものいないカップルでは1割ほど低
くなっているのを見ても、子どもを育てることによってその面白さ、可愛さ
を体験し、人生の中でも最も大きな感動だと気づく人が多いからではないで
しょうか。

 このことから、小さいうちから出産に立ち会う、保育所などへ体験ベビー
シッターにいく、学齢前の子から中高生までの異年齢集団体験をさせるなど、
子どもとの触れ合いを持つ場が重要になってくる気がします。また、子育て
を楽しんでいる人が多いのに、それはあまり紹介されず、大変だということ
ばかり前面に押し出されている現状を変えることも必要です。

 いずれにしても、私は国が少子化対策をやっても、産むインセンティブを
女性たちに持たせるのは難しいと思っています。
 ただし、産んで育てている人たちへの対策は別です。働きながら子育てし
やすいようにすることしかり、子育て後に再就職しやすいようにすることし
かり。若者たちへの安定した就労支援や住宅支援しかり。つまり今やってい
ること、もっとやるべきことはすべて「子育て支援」なんです。これを社会
全体で充実させていけば、自ずと2人目、3人目を産みやすい社会にしてい
けるでしょう。
 もちろん、子どものいない夫婦も、一人で暮らす人も、外国人の家族も生
きやすい、そんな社会が前提です。

 今年は都議選、衆院選と選挙が重なり、夏休みを全くとれない厳しいスケ
ジュールで、今また特別国会では私の所属する委員会は連日審議をしている
ため、超多忙な日々ですが、そんな合間に、以上のような思いをこめた、少
子化と子育て支援についての単行本、「30代―子どもとキャリア、どちらも
ほしい」を書き上げました。11月末の発売(ミネルヴァ書房)ですが、お手
にとっていただければ嬉しいです。

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 「衆議院選挙後の国会の状況」
                小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)
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 あの自民党大勝の衆議院選挙によって、衆議院は、自民、公明の与党で3
分の2以上の議席を占め、何でもできてしまう恐い状況になってしまってい
ます。民主党は、113議席と60議席以上減ってしまいましたが、わかりやす
く闘うために、対決するものについては、しっかり対案を提出していくこと
にしています。でも、多勢に無勢で、大変です。私自身も、次の内閣の子ど
も、男女共同参画、人権・消費者担当を引き続きするとともに、党務の常任
幹事にもなり、その会議にも出、質問も議員が減った分、多くすることにな
って、ますます睡眠時間が少なくなっています。

 衆議院選挙で、小泉総理が唯一の争点に仕立てあげた、郵政民営化法案が、
施行時期を半年ずらした他は、選挙前と同じ内容のまま、大差で成立しまし
た。
 衆議院では、選挙前は5票の僅差での可決でしたが、10月11日は、賛成
338票、反対138票で、200票の大差で可決しました。自民党で反対して今回
当選した17人中11人も賛成にまわりました。そして14日の参議院本会議で可
決され、成立しました。

 民主党は、選挙前に対案を出さなかったことで、考え方への理解が得られ
ず後手にまわったという反省から、今回は、短期間でしたが、担当議員やス
タッフが徹夜をして、対案を提出しました。

 民主党の郵政改革案は、郵便と年金の受給などの決済、少額貯蓄のサービ
スを受ける国民の権利を保障するもので、郵便は公社(公社には1円も税金
は使われていない)で維持し、決済と少額貯蓄は公社の子会社で行う。
 民間より有利すぎる定額貯金は廃止。保険は、5年後には分割された完全
民間会社で行う、というものです。官と民の役割分担をはっきりさせ、民業
圧迫は許さない案です。

 残念ながら、否決されましたが、闘う民主党として、対決する重要法案に
は対案を出していくという第一弾として、各方面から評価をいただいていま
す。

 ただ、与党の場合、霞ヶ関の官僚という多くのスタッフが実際には作って
いて、省庁からのデータもすぐに入手できるのに対し、野党で対案を作る作
業は大変です。せめて、データは、野党にも、すぐに出してもらう必要があ
ります。

 12日の内閣委員会、大臣所信に対する質疑で、細田官房長官から、年度内
に作成する、次期の男女共同参画計画にも、ジェンダーの視点を盛り込んで
いくことは方針として決めていることだ、という答弁をもらいました。ジェ
ンダーや性教育バッシングについては、誤解を解いて、現場にも本来の意味
を徹底するよういっているということでした。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記                 ロゼッタストーン・弘中百合子
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 早いもので、この「ヴィーナスはぁと」も来月で丸4年。今回が191号で
すから、だんだん200号も近づいてきました。100号の時は、「100号記念交
流会」を開催したのですが、200号でも、何か特別企画ができるといいなあ
と思っています。「こんなイベントをやってほしい」など、ご要望があれば、
どうぞお寄せください。

 次回の「ヴィーナスはぁと」では、新しく参加してくれる議員をご紹介で
きると思います。どんなメンバーが増えるのか、どうぞお楽しみに!

※「ヴィーナスblog」にも、読者の声が寄せられています。
  どうぞご覧になってみてください。
    http://blog.so-net.ne.jp/venusheart/

※そのほか、「ヴィーナスはぁと」へのご意見、ご質問は
   vheart@rosetta.jp までお願いします。

      お手数ですが、お寄せいただくご意見に
       1)「掲載可」か「掲載不可」か

      掲載してもよい方は
       2)「匿名希望」か「実名可」か
       3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

   をお書き添えいただけると、大変助かります。

※いただいたご意見は、「ヴィーナスはぁと」のほか、「ロゼッタストーン
 WEB」の感想掲示板や、「ヴィーナスblog」にも掲載させていただく場合
 があります。ご了承ください。

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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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 ◇衆議院
     小宮山洋子(民主党・東京)

  ◇参議院
     有村治子  (自民党・比例)    岡崎トミ子(民主党・宮城)
     千葉景子  (民主党・神奈川)   広中和歌子(民主党・千葉)
     福島みずほ (社民党・比例)    円より子  (民主党・比例)
     吉川春子  (共産党・比例)

  ◇都道府県議会
     石坂千穂(長野県・共産党)     京野公子(秋田県・いぶき)
     高村京子(長野県・共産党)     仁ノ平尚子(山梨県・無所属)
     平野みどり(熊本県・県民クラブ)遊佐美由紀(宮城県・民主党)
     渡辺智子(香川県・無所属)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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詳しくは、ロゼッタストーンWebページをご覧ください。
( http://www.rosetta.jp/ )
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■次号予告
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 次回の発行は、11月3日です。

 福島みずほ議員(社民党) 吉川春子議員(共産党)

 が登場する予定です。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101
株式会社ロゼッタストーン発行人・編集人:弘中百合子
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