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         女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第181号

   ***   ***  今回は先週に引き続き、自民党の有村治子議員が「領土問
  *****v***** 題」について、意見を寄せてくれました。北方領土はいつ
  *********  どのようにしてソ連に占拠されたのか、第2次世界大戦以前
   *******  はどういう状況だったのか、日本固有の領土といえる根拠は
      ***   どこにあるのか、みなさんは学校で習った記憶がありますか?
    *  水島議員からは、「政治主導」の例が寄せられました。

 ◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    目次
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 ■ 「領土問題を教育の基本に」
      有村治子(参議院議員・自民党・比例)

 ■  「政治主導」でここまでできる
   水島広子(衆議院議員・民主党・北関東)

 ■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「領土問題を教育の基本に」
                    有村治子(参議院議員・自民党・比例)
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 《教科書でも軽んじられてきた領土問題》

   皆様いかがお過ごしですか、ありむら治子です。先週の「北方領土の日に
 想う」に引き続き、領土問題の続編です。

   独立国家をなす要件が、(1)国民、(2)領土、(3)主権 の3つであるとす
 るならば、さて私たちは、領土や主権の大切さを、教育の中でしっかり伝え
 られているだろうか―――自戒を込めて強い問題意識を持っています。そこ
 で「日本の教育において、領土問題がいかにとりあげられているのか」を具
 体的な切り口にして、先日、中学社会科(地理・歴史・公民)教科書全23冊
 の領土に関する記述を調べてみました。

   相互不可侵を誓っていた日ソ中立条約を破って対日参戦したソ連軍が、戦
 後2週間近くたって急襲し、不法占拠を60年間続けているのが、現在の北方
 領土です。にもかかわらず、現行の教科書においては「第2次世界大戦末期
 の占領」という間違った記述や、「二島返還か四島一括返還か、意見が分か
 れている」と言った、日本政府の見解と異なる記述も目立ちます。残念なが
 ら日本の教育において、領土問題がいかに軽んじられてきたかが露呈する結
 果となり、北方領土を集中的に担当する内閣府と外務省・文部科学省の連携
 が充分に図られていない現状が浮き彫りになります。

   独自に行った教科書記述の調査結果を踏まえ、NHK生中継のあった参議院
 予算委員会と、文教科学委員会において、小泉総理に対する国会質問に立た
 せていただきました。中山成彬文部科学大臣からは、「北方領土の教科書記
 述を充実させるとともに、竹島・尖閣諸島がわが国固有の領土と明記するよ
 う、学習指導要領を改善したい」旨の答弁をいただきました。ちょうど島根
 県が「竹島の日」の条例を制定した直後で、領土問題が外交問題としてもク
 ローズアップされ、世論の関心が高まっていたこともあり、産経から朝日ま
 で全国紙4誌を含む朝刊6社が、一斉にこれを報じてくれました。

   この国会質問の報道によって、北方領土について、「史実とは異なる、間
 違った記述」をしてきた教科書会社2社が、出版している社会科教科書の内
 容訂正を申し出、文部科学省がこれを受理することになりました。加えて、
 先日発表された教科書検定の結果においても、日本固有の領土に対して適切
 な記述をする努力が見られたことは、一定の前進だと認識しています。

 《自国の領土に関心を持つことが、日本の安全保障対策につながる》

   独立国家には、それぞれの歴史観・領土観があり、領土問題は、国民の主
 権に直結する問題です。「どこからどこまでが、国土であるのか」という固
 有の領土についての教育は、安全で安心できる国民国家をめざす上で、もっ
 とも大事な基礎教育であるはずです。ここをきちんと教え伝えていかなけれ
 ば、将来的にまた「北方領土・竹島・尖閣諸島」に次ぐ、新たな領土問題を
 日本国内で発生させることにもなりかねません。

   韓国では中学社会科(国史)において、国定教科書を用いて竹島(韓国名
 :独島)のことを1ページにわたり、写真解説とともに教えています。竹島
 や尖閣諸島について記述している日本の教科書は4冊しかなく、そのほとん
 どが「2行の記述」にとどまっています。残念ながら、将来日本の子供たち
 が、アジアの隣人に「これはわが国の領土だ」と主張されたとき、領土の重
 要性について特に教えられることもなく育ってきた日本の子供たちは、それ
 に対して賛否のコメントをするだけの情報を持ち合わせていません。これは
 健全なことではありません。

   今回、日本の子ども達が学ぶ教科書の調査と平行して、先生方が日々参考
 にされている指導用教科書における北方領土の記述も確認しました。こちら
 も現状はお寒いばかりで、領土の歴史的背景はもとより、北方領土について
 の説明が一切書かれていない本さえありました。現在全国の教室で教鞭をと
 られている教諭の多くが、20代から50代の「戦後派世代」であり、私自身も
 含め北方領土について公教育でほとんど教えられずに育った世代だと言う現
 実を考えれば、生徒に多大な影響力を持たれる先生方にこそ、北方領土問題
 の本質と教育における領土問題の重要性をお伝えすべきだと考えます。

   ドイツの法哲学者イエーリングは、「領土の一部を失って、黙っている国
 民は、領土の全てを失う危険を負う」という言葉を残しています。自国にお
 ける領土について、より多くの国民が関心を持つことが、コストも安く、平
 和的でもっとも大事な防衛・安全保障政策だと私は考えます。これからも
 「誇りある・安全な日本」の再建に向けて、領土・主権問題に積極的に取り
 組み、韓国や中国・ロシアなど隣国と、健全で安定した信頼関係を育む努力
 を続けたいと強く願っています。

 ★有村治子ホームページ  http://www.arimura.tv/

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  「政治主導」でここまでできる
                 水島広子(衆議院議員・民主党・北関東)
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 ちょっと前の話になってしまいますが、国会議員になってからの経験の中
でもかなり珍しい成果なので、報告させてください。学童保育とBCGワクチン
の話なので、「なんだ、そんな小さな話」とお思いになる方もいらっしゃる
かもしれませんが、「政治主導」を考える上で良いケースだと思います。

 実は、この4月から、人知れず、大きな変化が起ころうとしていました。法
改正であれば国会で気づくことができますが、政省令の改正だと、なかなか
気づけないことも多いものです。今回も、関係者の方たちからの指摘で初め
て知りました。

 まず、学童保育ですが、厚生労働省は、2月28日の全国児童福祉主管課
長会議で、突如として、4月からの予算の組み方を大きく変えることを発表
しました。

 つまり、1施設への補助金として、これまであった「障害児受け入れ加算」
(障害児2名以上で年間69万円)、「時間延長加算」(年間31万円)、
「土日開設加算」(すべての土曜日開設で年間22万円)を、すべてなくし
て、一律に約32万円だけを上乗せする、というやり方です。

 1月20日の厚生労働部局長会議でも全く知らせないで、2月28日に突
如として知らせる、というのは、周知期間として明らかに短すぎます。すで
に、各市町村では、今までの制度に基づいて予算編成も済ませてしまってい
るのです。

 そもそも、学童保育の補助単価はあまりにも低いわけですから、32万円
の上乗せそのものが悪いわけではありませんが、例えば、障害児の受け入れ
などは、「がんばっているところには補助をする」という方針でやってきて、
ようやく浸透し始めたところなのに、「がんばってもがんばらなくても同じ」
という仕組みにしてしまうと、完全に逆行してしまうことになりかねません。

 地方分権の流れは重要ですが、子どもの虐待や、障害児関連などについて
は、地域間格差をなくすことが、政府の大きな役割であるはずです。

 私の指摘を受けて、厚生労働大臣が動いてくださり、障害児加算の枠と長
時間開設加算の枠は残していただくことができました。
 
 もう一つのBCGですが、今までは4歳まで認められていた定期接種(公費負
担対象、事故があったときには予防接種法により行政の責任になる)が、生
後6ヶ月までしか認められなくなる、という大変な変更が政令によって行わ
れようとしていました。

 問題の一つは、本人の健康問題(低体重で生まれた、免疫不全症の疑いが
ある、など)で生後6ヶ月までBCG接種ができないというようなケースで
あっても、定期接種の対象外となる、ということです。

 公費負担とならず、事故があったときには小児科医個人の責任が問われる、
ということになると、接種が抑制されるのではないか、ということが懸念さ
れます。

 もう一つは、今まで基本的に3ヶ月以降とされてきたBCG接種の時期が
前倒しになるのではないか、という懸念です。

 免疫不全の子どもにBCGを接種してしまうと、時に致死的な副作用を起
こすことがありますが、そのような免疫不全の子どもの約半分が3ヶ月以内
に診断されます。ですから、集団接種は3ヶ月以降に行われてきました。

 今回、「とにかく6ヶ月以内に」ということにしてしまうと、接種時期が
前倒し(例えば産休中など)になってしまい、結果として致死的な副作用を
増やすのではないか、ということが心配されます。

 免疫不全が疑われる子どもの場合には、やはり6ヶ月要件をはずしてもら
う必要があります。

 これらの質問に対して、厚生労働大臣は「少し考える時間をほしい」とい
う答弁でしたが、翌日の3月31日に、厚生労働省の結核感染症課長が見え
て、大臣から「水島議員の期待にこたえるように」という指示が出たため、
医師による医学的判断がなされた場合には公費負担とし、医師の責任も重大
な過失があった場合のみに限定する、という通知を出していただけることが
決まりました。
 こちらも年度末ギリギリ間に合ったわけです。

 今まで、法案の修正という形で自分の意見を反映させたり、国会の質問の
中で指摘したことが次の法改正に取り入れられたり、ということは何度も経
験していましたが、2日後に決まっていたことを引っくり返した、というのは
さすがに初めてでしたので、私も驚きました。

 今回のケースは、野党の議員である私が、大臣に直接訴えかけることで、
党派を超えた政治家の連携ができ、官僚の政策を変えさせた、ということに
なります。これが、「官僚主導」ではない「政治主導」です。官僚よりも私
の方が医療現場のことを知っていたということも大きかったのですが、きち
んとした論理構成で質問すれば、ある程度の成果は得られるという良い例に
なりました。

 ★水島広子ホームページ   http://www.mizu.cx/

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   編集後記             ロゼッタストーン・弘中百合子
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
  有村議員の言うように、確かに私自身、あまり領土問題について教えられ
 た記憶がありません。事実を何も知らなければ、意見の持ちようもありませ
 ん。日本の歴史教育は、はるか昔のことに偏っていますから、もう少し現代
 史にも時間を割いたほうがいいのではないでしょうか。

  ただ、子どもは素直だし、経験してきた世界が狭いので与えられた情報を
そのまま鵜呑みにしてしまいます。それぞれの国が自分の国に都合がいいこ
とだけを教えて、相手の国への敵対心を植えつけてしまっては、いつまでた
っても国同士が仲良くなれません。

  世界の国々が自国の教科書をもちより、お互いの歴史認識の違いを確認し
 ながら真実を探っていく「教科書サミット」みたいなものが開催されるとい
 いのにな……と思います。そういう会合は、もしかすると、頭の固い大人が
 やるよりも、これからの未来を背負う子ども達の間で行なうほうが効果的か
 もしれませんが。

 水島議員が国の政策を変更させることができた要因の一つは、水島議員の
医師としての経験も大きかったようです。医師に限らず、国会議員のなかに
もっとスペシャリストが増えれば、日本の政治も官僚主導から政治主導へと
変わっていくのでしょうか。


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  ご了承ください。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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 ◇衆議院
     小宮山洋子(民主党・東京)    武山百合子(民主党・北関東)
     水島広子  (民主党・北関東)

  ◇参議院
     有村治子  (自民党・比例)    岡崎トミ子(民主党・宮城)
     千葉景子  (民主党・神奈川)   広中和歌子(民主党・千葉)
     福島みずほ  (社民党・比例)  円より子  (民主党・比例)
     吉川春子  (共産党・比例)

  ◇都道府県議会
     石坂千穂(長野県・共産党)     京野公子(秋田県・いぶき)
     高村京子(長野県・共産党)     仁ノ平尚子(山梨県・無所属)
     平野みどり(熊本県・県民クラブ)遊佐美由紀(宮城県・民主党)
     渡辺智子(香川県・無所属)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒ プロフィール
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回の発行は、6月16日です。

 小宮山洋子議員(民主党) 武山百合子議員(民主党)

 が登場する予定です。

※登場する議員は、変更になる場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101
株式会社ロゼッタストーン発行人・編集人:弘中百合子
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