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スコットランドよ、ともにあれ(byデヴィッド・ボウイ)

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エジンバラ、ホリールード宮殿で

タイトルはデヴィッド・ボウイの言葉だが、正確にはケイト・モスが代読したもの。ブリット・アワード英男性ソロ・アーティスト受賞の際のコメントだ。プレゼンターとなったノエル・ギャラガーによると、授賞式に現れるには「クールすぎる」ため、モスが代わりに受け取って、メッセージも代読。念のため、ギャラガーの言ったのは冷たいではなく、かっこいいの方のクールだと思います。

「ほんとにボウイが来ると思ってる?あんたら?」みたいな調子で客席に問いかけたギャラガー。こういうぶっちゃけトークをする人が混じるとアワードも面白くなる。加えてモスが現れたことでも盛り上がった。

そのモスが代読したボウイの受賞メッセージは、「日本ではケイトの着ている服のように月にウサギがいると言われます」で始まり、タイトルの言葉で締め。ちなみに、モスは、その通り、和風ウサギ柄の短パン・ワンピースみたいなものを着用。ボウイがジギー・スターダスト時代に着ていたものらしい。そこまで打ち合わせてたのね。

ともかく、ボウイも気にするスコットランドの独立問題。この9月に、独立するか、そのまま英国の一部でいるか、スコットランドで投票が行われるそう。
  1707年まではイングランドとは別国だったスコットランド。英国となった後も、1997年にイギリス国会とは別個の議会を設置することが決定され、今では、法や教育制度、行政も別。
  スコットランド貨幣もちゃんとある。もちろん、英国貨幣はスコットランドでも使えるし、ロンドンあたりでも、おつりにスコットランド貨幣が混じっていたり、今はごっちゃでもけっこう大丈夫。
  もし、独立することになれば、そのあたりはどうなるんでしょ?ロンドンから行き来するのにパスポートも必要?

もともと、こちらでは、スコットランド人、アイルランド人は、イギリス人とは別ものと自他共に思っているよう。スコッツとか、アイリッシュとか名乗るし、呼ばれるし。仲間はずれという意味ではなく、言葉も違うし、文化も違うという意識があるらしい。日本で言ったら関西人?
  私はエジンバラ国際映画祭で滞在しますが、バスに乗ったりすると女学生までスコットランド訛りで話していて、旅情を醸し出してくれます。

独立が決まれば、国の誕生に立ち会えて、うれしい気もするけど、英国がそのぶん小さくなるのは寂しい。スコットランド人でも、イギリス人でもない私には、他人事ではあるのだけれど。
  そういえば、そんなこと言ってるボウイもニューヨーク在住だということを、早速ネタにされてます。

2014.3.3 掲載

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