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茶化されるのも愛されるがゆえ?英国王室

7月24日、ジョージ・アレクサンダー・ルイ王子誕生。
  日本からの取材陣を逆取材して世界的な盛り上がりを強調していたテレビのニュースもあったけど、わたしが面白かったのはツイッター等でここぞとばかりに茶化しているのを報じたもの。

みなさん、なかなか素晴らしいギャグ・センスをお持ちです。中でも、お気に入りがこれ。出産間近の時のもので、赤毛がトレードマークのハリー王子に吹き出しつけて、(兄嫁キャサリン妃のベイビーが)「赤毛じゃありませんように!赤毛じゃありませんように!赤毛じゃありませんように!」笑ろた。
  野暮になりますが、念のため解説すると、隔世遺伝の心配ではなく、自分の子ではと心配しているというギャグです。
  やんちゃなハリー王子、比べると茫洋として見えるウィリアム王子、魅力的なキャサリン妃のキャラなればこそ成り立つギャグ。

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ハリー王子「赤毛じゃありませんように!」2013年7月23日付メトロ紙

それにしても、ハリー王子って得なキャラクター。新王室メンバーのキャサリン妃はひとまずおいといて、オリジナル王室メンバーでは断トツの1番人気。全裸パーティー写真流出さえ、マイナス材料にならない。それどころか、公式行事のスピーチでそれをネタに笑わせたりして、ますます人気上昇。やんちゃすればするほど、愛されキャラになっていくみたい。
  ルックスも、子どもの頃はダイアナ妃に似たウィリアム王子の方がチャールズ王子似のハリー王子より断然可愛かったのに、最近では生え際後退気味の兄よりかっこいいくらいだし。子どもの頃の容姿って、あんまりあてにならないな。

というように、わたしごときが茶化して大丈夫な気がするのも、英国王室の良いところ。日本の皇室は、絶対茶化したりできません。今でも不敬罪って成立するんでしょうか?
  逆に言うと、そんな固まった空気に囲まれている皇族がお気の毒。キャラが立ってる、立ってない以前に、こうあるべきというキャラクターを演じなきゃいけない。開かれた王室かそうでないかという違いばかりでもないような…。

キャサリン妃フィーバーのイギリスで、雅子妃フィーバーだった頃の日本を思い出して、ちょっと複雑な気持ちにもなります。お若い方はご存じないかもしれませんが、雅子妃だって、キャサリン妃に負けないくらい才色兼備の素敵なお嬢さんで、日本中大騒ぎだったんですよ。おいたわしや。
  敬語でバッシングされてるより、カジュアルな言葉で茶化されてる方が、幸せなのではないでしょうか?

2013.8.1 掲載

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