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Vol.17 - 絶対無理と言われて… 〜偏差値27からの再起2〜
みなさんあけましておめでとうございます。
今年は皆さんにとってどういう年になるのでしょうか。
ある有名な占い師が言うには今年はさらに人間と人間の関係が冷え切ってコミュニケーションがさらに減る社会になるそうです。
そして様々な事件が今年も増えるだろうとのこと。
残念ですね。
しかし社会というのは一人一人の集合体。
一人一人が意識を変えれば、そんな占い師の言うことなんかきっと吹き飛ばせますよ。
僕はそう信じます。
そしてまずは僕から変わろう。
簡単なことから変わってゆこう。
色々な人にしっかりと笑顔で挨拶をするとか。
今年はそういう簡単なことから変わってゆこう。
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18才の初夏。
偏差値27からの再起を、もう一度生きなおすための再起を心に決めた僕は、その方法としてこれを選択した。
大学受験。
選択したというより、それしか方法が見つからなかったというほうが正しいのかもしれない。仕事をしたってついていけないだけだし、何よりもう社会というものに打ちのめされていた僕にはどこかに就職するとかいう選択肢は無理だった。
だから再起のため僕は高校を卒業してから3ヶ月、もうそろそろ初夏という時期に大学受験を志した。
大学受験に挑戦すると言ったことに母親はたいそう喜んだ。
最初は"この子は本気かな? またいい加減なことを言っているのじゃないかな?"と思ったみたいだけど、どうやら僕の決意が固いことを知ると心の底から喜び、全力でサポートすると言ってくれた。
人間というのはやはり精神の生き物だなと思う。
物質的なものではなく、言葉とか態度といったもので人は元気になったり病気になったりする。僕の言葉によってじょじょに元気になっていった母親を見て僕はおぼろげながらそう思った。
そして受験勉強は始まった。
とは言っても最初はほんと苦戦した。
いや苦戦したなんてもんじゃないかもしれない。
だってもう完全にやり方がわからない。
高校3年間はまったくといっていいほど勉強しなかったから、僕の頭のレベルははっきり言って中学生。(※いや偏差値27だからもっと悪かったかも・・・)
その中学生レベルがいきなり半年後の大学受験に挑戦する。
無謀としかいいようがない。
しかも相当時期を外しているので、予備校にも入れてもらえない。
そうすると先生というものがいないから勉強の仕方のとっかかりがつかめない。
これには本当にまいった。
しかし時間はどんどん過ぎてゆく。
半年しかない時間がどんどん過ぎてゆく。
焦った。
そんな焦りの中、いやなことも起こったりする。
何か方法はないかと街に出て本屋なんかに行ったりする。
そうするとよく高校のとき同じクラスだったヤツとかに出くわしたりする。
うちの高校は卒業するとほとんどが浪人生になっているような学校。
(就職する人2 浪人6 進学2ぐらいの割合)
その浪人生に"おっ!ひさしぶり。どうしてんの?"などと声をかけられたりする。(※友達ではないんだけどね…)
そして僕が苦笑いしながら"いやあ、受験でもしようと思ってさ…"などと言うと、決まってこう返ってくる。
"えー??何、言ってんの? 今から? 君が受験? 絶対無理だよ。"
その完全否定に僕は"いや、でもさ…"と2の句をつぐと必ずこう説明される。
"いい?僕たちは高校の頃からそれなりに勉強して、去年だって予備校とか通って、それでも大学には入れずに今、浪人してるんだよ。それぐらい大学受験というのは甘くないもんなんだよ。それを今から?あと半年もないのに? 絶対無理だよ。"
その至極ごもっともな意見に僕はいつもへこまされた。
だけど、後戻りは許されなかった。
僕にとってこの受験は最後の賭け。
これに失敗したらもう生きる方法が完全になくなる。
そういう悲壮な思いで必死に毎日、勉強方法を模索する毎日だった。
つづく
MIZK2006-1-3
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