2012年8、9月 ドロミテの旅(その8)コルヴァラ
宿の女主人が直接コルヴァラ(Corvara、1568m)の観光案内所と交渉してくれたお蔭で比較的安い値段の宿を見つけることができました。9月9日が日曜日だったので、バスの便数が少なく、インニヘン10:50発、ブルネック(Bruneck、828m)11:29着、12:07発のバスに乗り継いでコルヴァラ13:13着。ゆったりとした旅程で目的のコルヴァラに着きました。宿は町の入口の停留所から10分ほどの距離でした。
コルヴァラは海抜1568mで、インニヘンの1175mと比べると大分高い所に位置しています。セラ山系を囲む四角形の角にありますから、ブルネック828mからかなり急な上りとなっています。この谷はガーダー谷(Gadertal、Val Badia)と呼ばれレートロマン語の方言であるラーディニッシュ(Ladinisch)が話されています。
レートロマン語はコルヴァラからグレードナー・ヨッホ(Groedner Joch)を越えて入る隣のグレードナー谷(Groednertal)でも使われています。ザンクト・ウルリッヒ(St Ulrich)のリフトには独・伊・レートロマーニッシュの三ヶ国語の表示がされています。
宿は少し高い(朝食込みで26ユーロ)のですが、バルコンの正面には遥かにクロイツコーフェル(Kreuzkofel、3026m)、左手を見上げるとサッソンゲーア(Sassongher、2665m)が聳え立っています。
もう一つ大変気に入ったのは朝食で、ヨーグルト、ジュース、生ハム、サラミ、チーズ、半熟卵、パンはBrotchen(朝食にドイツで一番ポピュラーな丸いパン)にBraunbrot(褐色のパン)まであって大満足でした。言い忘れましたがコーフィにミルクか、紅茶もあります。インニヘンでは21ユーロと安かったのですがチーズはなく、パンも二個のみでした。5ユーロの差なのでしょう。また半熟卵では昔流の「五分」という表現が通用してすっかり気分をよくしました。やはりここはドイツ語圏だとの感を深くしました。
翌9月10日はバスでカンポロンゴ・パス(Cammpolongopass、1875m)、アラッバ(Arabba、1602m)を通ってポルドイ・ヨッホ(Pordoi Joch、2250m)。そこでフレダローラ避難小屋(Rifugio Fredarola)まで上ってマルモラータ(Marmolata、3342m)を遠望しました。ドロミテで唯一の氷河をもつ山です。
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フレダローラ避難小屋とマルモラータ(3342m)。氷河が見える。 |
この日はさらにセラー・ヨッホ(Sella Joch)、グレドナー・ヨッホ(Groedner Joch)とセラー山塊を一回りしてコルヴァラに帰りました。この後半の旅については次回お話しします。
さてポルドイ・ヨッホですが、バスを降りるとセラ山塊のサッソ・ポルドイ(Sasso Pordoi、2950m)に北に向ってゴンドラが上って行くのが見えます。標高差は700m。
私は今回このゴンドラには乗らず反対の南側の斜面を上ってフレダローラ小屋まで行き、マルモラータを眺めました。勿論四面山に囲まれていますが、小屋の若い衆に山の名前を尋ねてもさっぱり要領を得ません。この辺りがベルーノ州と南チロルの境になります。
なおここまでカナツアイ(Canazei、1463m)からのリフトが上ってきていて、冬はカナツアイまで滑り降りるのでしょう。
2012.12.24 掲載
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