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前号でお約束したフォルノ・ディ・ゾルドという変な場所に何故出掛けたかをお話します。きっかけは知人に勧められて佐貫亦男先生のヨーロッパ・アルプスについての著作を読んだことでした。 帰ってから分かったことですが、先生の最初のご本が「佐貫亦男のアルプ日記」で1973年5月20日二刷発行というのが今手元にあります。次が「佐貫亦男のチロル日記」で1983年7月20日第一刷発行となっています。その後1994年4月30日に「佐貫亦男のアルプへ五十年」同年11月10日に「佐貫亦男の旅の回想 アルプスとドイツを旅して50年」とほぼ十年おきにご著書が出版されています。 先生はトブラッハ(Toblach)からコルティナ・ダンペッソ(Cortina d'Ampezzo)に出て、セルヴァ・ディ・カド—レ(Seelva di Cadore)経由でゾッペ(Zoppe)に入ろうとされましたが、バスの便が悪くてカラルツォ・ディ・カドーレ(Calalzo)で鉄道に乗換えロンガローネ(Longarone)からまたバスでフォルノ・ディ・ゾルド(Forno di Zoldo/843m)、そこからゾッペに入られました。この道を私は帰路に使いましたが、今ではシーズン中はロンガローネからバスに乗れば、カラルツォの手前のタイ・ディ・カドーレ(Tai)でカラルツォから来るコルティナ行きのバスに乗ることができます。 一方私はアゴルド(Agordo)からカプリーレ(Caprile)まで引き返し、ここからのバスでセルヴァ・ディ・カドーレを通ってフォルノ・ディ・ゾルドに着きました。セルヴァはモンテ・ペルモ(Monte Pelmo/3168m)とマルモラータ(Marmolata 3342m)を同時に見ることのできる素晴らしい夏の避暑地のようです。しかし、私にはその景色は分からず素通りしてしまいました。次回挑戦の課題です。 私は思いが けず素敵な部屋をフォルノで見つけることができて、ここに四日間滞在し、25日はトウリオール・デル・カミーユ(Triol del Camillo)という付近のドロミテの山々が見える散歩道を歩きました。翌日は時々夕立のあるような天気だったので自重し、27日朝宿の人の車に乗せて貰って待望のゾッペ・ディ・カドーレに向いました。この辺りが北のカドーレ地方と南のゾルドの谷の境になっています。 ゾッペの村の入口から「神の椅子」とも呼ばれるモンテ・ペルモを見ることができます。何か人工のお城のような感じのする山です。次回はゾッペ・ディ・カドーレについてお話しします。
2012.10.19 掲載
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