WEB連載

出版物の案内

会社案内

蔵王と小野川温泉の旅

2012年8月 蔵王と小野川温泉(続き)

蔵王温泉での宿泊をあきらめて、バスでまた同じ道を山形駅まで戻り、米沢に向いました。3:35発の小野川温泉行きのバスが接続していました。バスの運転手さんの話では、「観光案内所は人がいないときが多くて宿を探すには土産物屋にでも聞くしかないだろう」とのことで米沢駅の案内所で聞く時間もなかったので、そのままバスに乗りました。

土産物屋は逃げ腰で、「直ぐ前の二階堂旅館で聞かれたら」と追い出されました。二階堂をはじめとしてどの旅館でも「映画撮影のスタッフが滞在中で部屋がない」「料理人が撮影の手伝いに出ていて今晩は食事が出せない」といった話を聞かされました。

仕方がないので昔泊まったことのある小野川保養センターを訪ねました。まあまあの値段で部屋がありました。後で分かったのですが、ここにも何人かの映画のスタッフが品川ナンバーの車で泊まっていました。ここは安いので若い連中用なのでしょう。

この温泉では6月中旬から7月中旬までほたるの季節で、町に沿って流れる大樽川の上流から下流までほたるを見ることができます。8月はほたるもなく暑いので海岸に行く客が多く、ここは端境期とのことです。

志賀高原 熊の湯 忠治の隠れ岩

▲ボタンをクリックすると写真が切り替わります。

この地でまず目に付くのは町の対岸にある甲子大黒天本山の建物。その奥は遊歩道になっていて少し上ると小野小町の住居跡と書かれた木柱が木陰に立っていました。
  バスが町の中心に停まると直ぐ目の前に尼湯という共同浴場があり、その裏の薬師様の上り口の脇に小町休み石があり、この地を小町が訪れたという伝説に基づくものです。

志賀高原 熊の湯

▲ボタンをクリックすると写真が切り替わります。

ここには8月3日から9日まで6泊しましたが、昼間は30度を越えても夜は布団をかぶるほど涼しく、しばし東京の夏の暑さを忘れることができました。

ここでこの温泉町について説明すると、米沢からのバスは甲子大黒天本山の側から大樽川を渡り上流の方向に右に曲ったところがバス停です。ここから上流に向って幅広い通りの両側に旅館、商店が並んでいます。川と反対側の山際を白布温泉へのバイパス道路が通っていて、その山の斜面に山の神神社、月山神社、小野川三十三観音が鎮座していますが、訪ねる人は少なく月山神社の先は草が茫々で歩けませんでした。このバイパスの先には小野川スキー場と小町花公園があります。

以上がこの町の概況です。

食べ物については毎朝半熟玉子が出てきますが、これはラジューム卵といって身体によいそうです。私は卵が好きなので毎朝が楽しみでした。

最後にここでも「たんぼアート」の展望台が町の入口の甲子大黒天本山の手前にありました。東北地方ではこの試みは盛んなようで東北本線の鏡石駅の直ぐ前にも展望台がありました。

たんぼアート
たんぼアート

2012.9.8 掲載


著者プロフィールバックナンバー
上に戻る