2012年3、4月 タオルミーナ(その2)
今年のヨーロッパの天候は全く不順で、今回も4月1日までの三日間はよかったのですが、2日から曇り空となり、エトナ山も見えなくなりました。やっとエトナ山がはっきりと見えるようになったのは4月9日と10日の最後の二日でした。
タオルミーナからさらに上ったところにあってエトナ山の眺めが一番よいと言われているカステルモーラ(Castelmola)には4月5日、タオルミーナで眺めが一番よいと言われているギリシャ劇場(Teatro Greco)には4月8日に訪ねたのですが、綺麗なエトナ山を見ることができませんでした。この二箇所については後で詳しく書きます。
先ずはタオルミーナの町について。
出発点はバス・ターミナルからピランデッロ通り(Via L . Pirandello)を上った左側にあるメッシーナ門です。町の北西に位置した門で、ここから東南にウンベルト一世大通りがカターニア門まで続いています。この通りが町の中心で、この通りから山側、北と海側、南に細い道があり飲食店を中心にいろいろの店が並んでいます。
メッシーナ門を入って2、30mほど歩くと右側にコルヴァヤ館があり、ここから左に広場の先の少し上りの道がギリシャ劇場通り(Via Teatro Greco)でギリシャ劇場とその直ぐ下にある最高級のホテル・ティメオに通じています。
この劇場はシーズンのはじめに一週間ほど無料で開放されます。今年は4月8、9日イースター・サンデイとマンデイだったので、その期間を後にずらして4月14日から9日間を一般に開放するとのことでした。入場料は8ユーロと言うので天気のよい日に入ることにしました。EUの人の入場料は半額の4ユーロでした。
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ギリシャ劇場。(その4)で詳しく紹介します。
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シシリアのシーズンは年代が下ると遅くなっているようです。和辻哲郎さんの『イタリア古寺巡礼』によると1928年2月23日にタオルミーナを訪ねていますが、「プリマヴェーラ・シシリア(シシリアの春という旅行キャンペーン)」は2月1日から3月末だったそうです。
現在のタオルミーナは4月1日でもレストランやカフェで閉まっているところがあるほどシーズンのはじまりが遅くなっています。今回の訪問でもイースター・マンデイの4月9日にやっと目抜き通りのウンベルト一世大通りが観光客で一杯になりました。
このことは私にはどうも納得が行かないのですが事実です。シシリア島の花の盛りは精々3月末までで、2月中旬から3月中旬が一番綺麗な季節です。その時にはシシリア島では余り観光客が多くないというのが今時の現実です。
話が横道にそれました。大通りをさらに進むと左手に「Villa Comunale(市民公園)」という小さな標識があります。ここを両側に多くのレストランを見ながら下ると市民公園に出ます。ここからのエトナ山の眺めも素晴らしいものです。丁度ギリシャ劇場とホテル・メティオの真下に位置しています。上に戻って大通りをさらに進むと「4月9日広場」に出ます。この広場からは南にエトナ山、北にギリシャ劇場を見ることができます。観光客が絶えない広場です。西を見上げればサラセン城、東の眼下には鉄道の駅とその南にジャルディーニ・ナクソスの海岸が見渡せます。
時計塔の門を潜ってさらに大通りは続きます。左手にカテードラル(大聖堂)があります。ここから下ると、今はホテルになっているドメニコ修道院があります。戻って少し先がカターニア門で、門の外にはかなりの数のレストランやカフェそれにスーパーマーケットまであってここも観光客の集まる場所といえます。その先は断崖になっていて、やはりエトナ山が正面に見えます。直ぐ下には大きな駐車場があってここに車を停めて町に入るようです。
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カテードラル(大聖堂) |
カターニア門の外から眺めたエトナ山 |
以上がざっとして町の概観です。
2012.5.21 掲載
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