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09年8月 スロヴァキアとオーストリアのゲゾイセの旅(その2)
      -ヴィソケー・タトリ-

今回の旅では前後四泊ずつ、合計八泊も日本でいうタトラ山地の中心と言ってもいいスタリー・スモコヴェツに滞在しました。理由は兎に角何でも安いことと、バルコンからの眺めが遠くニーズケー・タトリ(低いタトラ)の山並みを望んで素晴らしい。

普通オーストリアを例に取ると、スロヴァキアでも同じですが、宿泊費は田舎が安いが、食事は都市の方が安いところを見つけやすい。これが一般的な傾向です。

しかし、ここではシャワー、トイレ付、ダブルの部屋にバルコンがついてシングル料金が素泊まり15ユーロです。朝食の4ユーロが気に入らないのですが、昼食は3ユーロでスープがつきます。一番安かったのはタトランスカ・ロムニツアのレストランの2.35ユーロでした。この食事もスープがついて、メインは7,8種の中から選べます。

私の泊まったホテルの欠点はTVがないこと。レヴォチャの宿ではドイツ語の放送も聞けましたが、トレンティンではスロヴァキア語の放送しか入りませんでした。

「八泊もしてよく退屈しなかったな」といわれそうですが、四泊、四泊ですと、使えるのは中の三日ずつです。

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フレビエノック行きの登山電車の谷駅
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フレビエノックからの散歩道は
変化に富んでいる

8月1日はスタリー・スモコヴェツから登山電車でフレビエノックへ。この山頂駅からは遥かにニーズケー・タトリの山並みの広がりを望めます。直ぐ側にSOREAチェーンのホテルがあり、8月一杯は特別価格25.92ユーロでシャワー、トイレ付きで朝夕食が出るハーフボードのサービスを宣伝していました。『地球の歩き方』には、駅から5分ほど下ったところにあるビリーコヴァ・ハタの紹介記事がありますが、こちらは二部屋共同使用のシャワー、トイレ付きで素泊まりの値段が20ユーロ。ここの食事は山中ということもあって高いのでソレアの方が安くて、設備もよいことになります。

8月9日にはフレビエノック(1284m)から東のスカルナテー・プレッソへ向かう途中のZamkovskeho Chataという山小屋まで歩きました。石畳の上り道で、予定の時間を過ぎても目的地に着けず、体力の衰えを嘆きました。50分のところを一時間です。途中に滝があったり、山が見え、下界が見えて変化に富む道でした。


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ロムニツキー・シュテート山頂の建物.......
ロムニツキー・シュテート山頂からの眺め
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8月2日、この日が今回の旅行のハイライトで、タトランスカー・ロムニツアから少し歩いて谷駅(903m)からリフトでスカルナテー・プレッソ(1754m)へ、さらのゴンドラでロムニツキー・シュティート(2633.9m)の山頂まで一気に上りました。
  幸い晴天に恵まれ、山頂からの眺めを堪能しました。

このゴンドラは、普通の二台でバランスを取る方式ではなくて、なんと一台(15人乗り)を往復させています。往復15分で、乗客は山頂に30分だけ滞在が許されます。
  このゴンドラは人気があり、私の場合日曜日でしたが、9時過ぎに谷駅について9:50のゴンドラに乗って帰ってきたときには、もう後から来た人は15時過ぎまで待たされていました。
  メーカーはあの大阪舞洲清掃工場の焼却炉のライセンサーであるスイスのフォン・ロール社でした。
  あとは写真をご覧下さい。

タトランスカー・ロムニツアの土産物屋
タトラ・ナショナルパーク博物館

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ソリスコ山のリフト山頂駅にある
ハタ(山小屋)

8月3日はこの高原の西の終着駅のシュトルプスケー・プレソから湖を半周して、その先のスキー・ジャンプ台の下から、ソリスコ山の中腹までゼッセル・リフトで上って、山頂駅の直ぐ上にあるハタ(山小屋)でビールを一杯飲んでから町まで歩いて戻りました。
  前日のゴンドラの印象が余りにも強烈だったので、このあたりは平凡な風景に見えました。この町もタトランスカ・ロムニツアほどの活気は感じられません。スタリー・スモコヴェツから西は店じまいをしたホテルやレストランが散見されました。この激しい価格競争から落ちこぼれるところも多いのではないでしょうか。

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なお下山の途中にドイツ人の一行と出会いました。今まで気になっていた04年のオーカン(欧州の暴風)の被害で荒地になったところに一面咲いているピンクの花の名前を聞いてみました。一人の婦人が明快に答えた言葉が"Heideroeschen"(荒野の小さなバラ)でした。でもこの花には棘はないようです。それを問いただすのを忘れました。
  この土地の人たちにこの花の名前を聞いても、はっきりとした答えは返ってきません。オーカンの後によそ者の植物がきて迷惑だ、と言いたそうでした。黄色でなくピンクの「せいたかあわだちそう」のようにも見えます。


8月6日から10日までの滞在では、付近を散歩することで時間をつぶしました。
  スタリー・スモコヴェツでは日曜日に開いているスーパーマーケットがあったのには驚きです。勤勉な民族のようです。

2009.9.18 掲載


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