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スペインへの旅 第4回  ブルゴス


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「牛追い祭」で賑あうパンプローナを後にして、7月9日ヴィトリア経由でブルゴスに出ました。ここはサンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の中でも重要な街の一つです。
 最初にこの街を訪れた時のアルランソン川に沿ってプロムナードの美しさが忘れられずに十年ほどしてから舞い戻ってきました。
 今回は残念ながらプロムナードの中央に天幕が張られ、中に雑多な商店が並んでいました。一日のんびりとカフェに座って河畔を見渡すには、何とも殺風景な眺めでした。

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サンタ・マリア門

このように私の年来の夢は無残にも消えましたが、この街について案内しましょう。
 バス・ターミナルからアルランソン川を渡って旧市街に入るところにそびえ立っているのがサンタ・マリア門です。14世紀に建てられ、16世紀にカルロス5世がこの地を訪れた際に現在の姿に改築されました。
 この門を潜ると眼前にカテドラルが広がっています。サンチャゴへの巡礼路に沿った各地の教会にはいろいろと互いに影響し合った跡が残っていますが、このカテドラルはフランスとドイツのゴシック建築の影響を受けて16世紀に完成しました。
 最初にモデルとして選ばれたのが、フランスのブールジュのサン・テチエンヌ教会であったと伝えられています。また15,16世紀には、ドイツのケルンから三人の建築家がやって来ました。

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エル・シド像

この街はまたエル・シドの活躍の舞台となった所です。伝説のエル・シドはレコンキスタ(対イスラム失地回復運動)の英雄ですが、実際にはキリスト教徒とモール人の間を往き来した傭兵隊長でした。最後に1094年、ヴァレンシアを奪還しますが、彼の死後またイスラムの手に落ちます。
 ブルゴスは1037年からカスティーリャ王国の首都として繁栄しましたが、皮肉なことに1492年のグラナダ陥落からその地位をバリャドリーに譲ることとなりました。

これで今回のスペイン旅行は終わりです。
 次回は、チロルのスキー旅行のお話を紹介します。

 

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