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スペインへの旅 第3回 モンセラット修道院

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絶壁の中腹にたたずむモンセラット修道院

奇岩絶壁の中腹に張り付いた、この修道院を中心とする集落は、バルセロナの北西53キロほどのところにあります。
 ここに行くには、スペイン広場からカタルーニャ鉄道のR5番線Manresa行きに乗ります。目的地に行くには二通りの方法があります。一つは一時間弱で着くAeri de Montserrat駅前からロープウエイで修道院に登る方法です。もう一つはその次の駅、Monistrol de Montserratから山岳鉄道で登る方法です。時間的には最初の方法が早く着きますが、帰りの接続は後のコースが待ち時間がありません。
 私は後のルートを選んで、それにサン・ジュアンとサンタ・コバへ行く登山電車がセットで21ユーロの往復切符を買いました。

 修道院付属のバシリカで有名なのはラ・モレネータと呼ばれる黒いマリア像とエスコラニアという名の少年合唱団です。ラ・モレネータは大勢の人の行列に、訳も分らず、ついていたら拝観することができました。少年合唱団は7月は残念ながらお休みでした。
ここの教会も、バルセロナの市内にある教会も、両側の身廊にある祭壇がとても豪華でした。

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展望台からの眺め

ここの美術館には、ピカソ、ダリ、ルオーなどが一、二点づつありますが、私の目を引いたのはバルセロナのMirという画家の作品群でした。

修道院のある山の中腹からは上下に登山電車が出ています。上に行けばサン・ジュアンの展望台です。ここから散歩道がありますが、日ざしが強くて歩くのを諦めました。
 下に下ると彫刻の散在する散歩道を通って、12世紀に黒い聖母像が見つかったと伝えられるサンタ・コバの洞窟に行くことができます。この道は日陰もあって快適でしたが、彫刻が多すぎてガウディの作品を見落としてしまいました。
 この山の散歩道からはどこからでも下の平野を見渡すことができます。

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この修道院はカタルニアの文化を守り続けてきた場所としても有名です。
 フランコ総統時代には、中央集権国家の確立を目指して、カタロニア文化や伝統を捨てさせようと、あらゆる弾圧が行われました。それに反対したのがモンセラット修道院だったと言われています。バスクの独立運動も元はこのフランコの少数民族の文化破壊に行きつきます。わずか四、五十年の間にバスク語を話す人が殆ど居なくなり、今バスク語の復興運動が行われています。

 

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