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いわき病院医療が引き起こした矢野真木人殺人事件
相当因果関係と高度の蓋然性


平成26年5月7日
矢野啓司・矢野千恵
inglecalder@gmail.com


5、野津純一氏の放火暴行歴と結果予見可能性

(1)、野津純一氏の放火暴行歴


(1)、矢野真木人を攻撃した時の野津純一氏の行動

矢野真木人(28)は平成17年12月6日12時24分に野津純一氏(36)に先が尖った万能包丁で右胸下を突き刺されて殺害された。それは突然の行為であり、矢野真木人は命の危険が目前に差し迫っていたことに気付かなかったはずである。

野津純一氏の当時の行動から以下の事が抽出できる。

  1. 突然相手を襲う
  2. 社会生活を行っている自分より若い不特定の男性を襲う
  3. 凶器は包丁である

野津純一氏の過去の行動に基づけば、これらの行動の特徴は既に現れていた。


(2)、野津純一氏の行動パターン

野津純一氏は17歳時に自宅及び両隣を焼失する大火災を引き起こして、近隣から同じ敷地に住宅を再建することを断られ、その後野津純一氏が近隣とのいさかいを繰り返したため、転居を繰り返した事実がある。他人に対する暴行は、怒鳴り込み行為及び、医大女医に対する包丁を持った襲撃未遂事件(25歳時の一大事)、また通行人襲撃事件(いわき病院入院前)を起こした。大火災を引き起こしたこと(本人は放火と発言)は未成年・精神障害者で前科になっていない。医大女医襲撃事件は殺人未遂と同等の行為であったと推察されるが、未然に取り押さえられてけが人が発生しなかったなどの理由で、事件とされていない。また、通行人襲撃事件は、示談金を支払ったが、刑事事件としては記録されていない。野津純一氏が精神障害者でなければ、少なくとも前科3犯以上の記録が残されたはずである。

野津純一氏は女医襲撃未遂事件では包丁を用いた。また通行人襲撃事件及び看護師襲撃事件では野津純一氏より若年で痩せ形の男性を襲った共通点を指摘した精神科医師(YM医師)がいる。矢野真木人殺人事件では凶器は包丁であり、矢野真木人も野津純一氏より若年で痩せ形という、暴行の対象者には共通点がある。野津純一氏は17歳の時の自宅及び両隣合計3軒を焼失させた火災の原因者(本人は診察で放火と述べた)であったことに始まり家庭内暴力や他害行為などを繰り返してきたが、本件裁判で確認された他害行動は以下の通りである。

  1. 自宅と両隣の火災原因者(17才)
  2. 香川医大女医襲撃未遂、凶器は包丁、(25才時の一大事)。
    女医に対しては結婚願望があり、平成16年にいわき病院に入院して暴行事件を引き起こした際に、医師に述べた(35才)
  3. 転居先で烏骨鶏の鳴き声がうるさい(襲ってくる)と怒鳴り込んで、転居を繰り返した(30才頃)
  4. 香川県庁前のYM医院前で通行人(若者男性)に突然襲いかかった(34から35才)
  5. いわき病院内で早朝洗面をしている男性看護師に突然襲いかかった(35才)
  6. 外出許可中に包丁を購入して通行人を刺殺した、矢野真木人殺人事件(36才)

上記の内の、2.から6.は「突然相手を襲った事例」であり、4.から6.は「社会生活を行っている自分より若い男性を襲った事例」で、2.と6.の凶器は包丁である。1.から4.の事実は平成16年10月にいわき病院に再入院するに当たって本人及び親からいわき病院側に情報提供があった。野津純一氏は平成13年にもいわき病院に入院しており、その際に主治医だったYM医師(その後独立してYM医院経営)は「攻撃性の発散」を治療課題とした医療記録をいわき病院に残している。YM医師は香川医大女医襲撃事件の時も香川医大で緊急ベルを聞いて女医を助けた経験があり、上記の2.と4.に関係している。またいわき病院に勤務した経験から5.の看護師を知っている。上記の(1)の1.から3.の野津純一氏の傾向に関する要約はYM医師の意見に基づく。


(3)、いわき病院が承知していた野津純一氏の放火暴行歴

いわき病院は野津純一氏の過去歴をHB医師、主治医のNG医師及び渡邊朋之医師、その上でソーシャルワーカーが聴取し、各種の心理テストを行ったが、野津純一氏の攻撃性に関していわき病院が体系的に分析した記録は存在しない(少なくとも、いわき病院は証拠提出をしていない。)いわき病院は精神科専門病院であり、患者の行動に関連した事実を分析せずその特徴に気付かないことは、病院として行うべき義務を履行しない不作為である。

野津純一氏は平成16年10月1日にいわき病院に入院して3週間後の10月21日に看護師に突然襲いかかる事件を起こした。看護師が洗面している様子を、注射器を洗浄していると妄想して、「不潔」として攻撃したとされる。この事件が発生したことは、事実として、いわき病院の医療及び看護には野津純一氏に他害行動を誘発した要素があった証明である。野津純一氏がその後1年以上の間暴力行動をいわき病院内で起こさなかったとしても、いわき病院の医療と看護に全く問題が無かったことにはならない。この時点で、いわき病院は野津純一氏が他害行動を行う可能性に関して分析を行い、それに基づいた医療及び看護計画を再構築する必要があったが、行われていない。平成17年2月14日に渡邊朋之医師は主治医を交代し、患者の野津純一氏は「25歳時に、一大事がおこった」と説明したが、渡邊朋之医師は一大事の具体的事実関係及び一大事が発生した状況などの確認や調査を行っていない。なお野津純一氏が前年の10月21日に男性看護師を襲撃した際に、香川医大女医に対する結婚願望を述べており、無理心中未遂であった可能性がある。

いわき病院が精神科開放医療を推進するのであれば、患者が他害行為を行う可能性を予め予見してその可能性を削減する方策を具体的に考えて、実行する必要がある。善良な隣人である事は患者が社会参加に成功する鍵である。患者が他害行為を行う可能性を見ず、知らなかった事にする子供の弁明をしても責任は免除されない。むしろ、精神科専門医として確定意思による義務違反が行われた事を証明する。精神科専門医が患者の過去の暴行歴に関心を持たず、無知であることは、過失である。



   
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