ロゼッタストーン コミュニケーションをテーマにした総合出版社 サイトマップ ロゼッタストーンとは
ロゼッタストーンWEB連載
出版物の案内
会社案内

第53回 梅雨時必見!! 正しい傘の使い方のお作法・決定版


 夏ですね!!
 がっ!! 僕は連日、都内某所で次回公演のレコーディング中でございます……。

 いやしかし、CDとかのお買い物で繁華街に行きますと、目のやり場に困るような女性がたくさん歩いていらっしゃいますね。血気盛んだった高校生くらいの頃にこんな光景を目にしていたら鼻血を出してたかもしれないなぁ、というくらいの露出度なのですけど、いつからこんなことになってるんですか?!
 学生時代からずーーーーっと夏は稽古場か劇場だったので、街の服装の移り変わりなんて気にしていなかったのですけど……。
 まーいーや。

 さて、私たちネビュラプロジェクトは、春の第2弾の公演が終わった後、なんと、5日間も「夏休み」をいただいてしまいました。
 去年、会社を作ってから初めての夏休みをとってみたら、社内で大好評。まぁ、そりゃそうなのですけど。1年中芝居をやっているのが幸せな僕たちではありますが、意外に休むことって大事なんだな、とやっと悟った次第です。

 で、僕は、日・月・火と二泊三日で名古屋に行ってきました。この時期に名古屋。そうです、当然、「愛・地球博」です。もちろん、僕が行きたがったわけではなくて、こどもたちのリクエストです。しかし、なにしろ梅雨。「雨・平日」を狙って行けば空いているのではないか、と踏んだわけです。
 「え、学校は?!」と思われたかもしれませんが、そんなの、当然、休ませました。学校の勉強より、年に1度か2度休めればいい方のお父さんの休みに旅行する方が何千倍も大切、と僕は思うのです。もちろん、低学年だから、というのもありますが。

 さて、なにしろ人混みと行列と待つのと待たされるのが大嫌いな僕が、その全部が揃っているであろう「愛・地球博」に行こうというのですから、気が進まないことこの上ありません。
 しかも、寸前まで仕事が詰まっていたので、下調べはヨメ任せ。僕は、出発前日にネットで情報を仕入れるだけにとどまりました。
 しかし、そこはそれ、一応本業が製作総指揮なので、二泊三日の段取りを考えました。
 まず、行ったその日は、夕方から会場に行って、まず会場の状況と全体像を身体で掴む。2日目は、気合いを入れて朝いちから行って、並ぶものは覚悟して並ぶ。そして3日目は、2日間でとりこぼした、もしくは思い残しがあったところに行く、という感じ。  そして、のぞみで名古屋に向かいました。

 ……おっと、僕の「愛・地球博レポート」をここで書こう、というわけではありませんでした。

 1日目はまぁ、着々と下見は終わり、市内に戻って宿泊。
 そして、2日目。朝から、外は大雨。
 僕の願いが通じました。
 これだけ降っていたら、まさかそんなに「愛・地球博」に行こうなんて人はそうそうはいるまい!! うっしっしっしっ!!
 ……なんて、甘いことをホテルを出る前までは考えていました。
 甘い甘い。
 9時前には会場に着いていたのですが、もう、入り口前は長蛇の列!!
 しかも、みんな傘を差しているので、おそらくは晴れている日の倍くらいの列になっていたのではないでしょうか。

 で。
 なぜか、殺気立っている人たちが多いんです。
 普通におとなしく並んでいればいいのに、傘で後ろから押してきたり、傘の間を縫って前に行こうとする人がいたり。
 いやぁ、人間のエゴを見せつけられるような気がしました。
 もちろん、大人は何か言ってもしょうがないので、勝手な動きをする子供たちは、人んちの子でも、手当たり次第に注意しまくりましたが。

 そして、入場への関門の最後の最後、荷物チェックまでのほとんど動きがない長蛇の列です。ここの列は、なにしろ一人一人荷物の中身を見せているので、本当にちょっとずつしか進まないのです。
 なので、殺気立っている人たちもさすがに諦めます。

 が。
 ここで驚いたのが、傘を差しているにもかかわらず、自分の都合で差したままで身体を回転させたり、自由に動き回る人たちの多いこと。しかも、周りの人に傘の先があたっても「雨なんだからしょーがないじゃない」とばかりに謝りもしないでとっとと行ってしまう人や、傘の傾け方が身勝手で、傘の先から隣の人にぼたぼたと雨水を垂らしていても気づいていない人など、もう、「小さい傘の暴力」がそこいらじゅうに蔓延していたのです。

イラスト ここで気づきました。
 今までの人生で、「傘の差し方」について、誰からも教えられたことがないぞ、と。
 「常識」の範囲で考えれば、「人に迷惑がかからないように」の一言で済んでしまうわけですが、それができない人たちが増えてきている今、また、「常識」が通じない世の中になってきている今、もう、嫌われ者の私が乗り出していくしかないでしょうっっっっっ!!!!

 というわけで、お待たせいたしましたっ!! (←誰も待ってない!! )
 「梅雨時必見!! 正しい傘の使い方のお作法・決定版」をお届けいたします!!

■傘業者の皆さんへのお願い

全ての傘の骨は、錆びない素材で作られなければならない。

■傘差しの心得

(1)両手を空けよ
雨の日は、通常、片手だけを利用してバッグなどを持つが、雨の日には傘を持つ分、手が足りなくなる。よって、傘を持つ専用の手と、所用に使う利き手を用意するため、両手を空けられる服装、荷造りで外出すること。

(2)傘は凶器となることを自覚せよ
傘(特にアンプレラ)の先端(石突き)は、通常尖っているものであり、非常に危険度が高いアイテムである。よって、先端は、差しているときは上後方30゜、閉じているときは下方に垂直、を義務とする。

(3)他人に自分の傘に付いた水滴を決して付けるべからず
他人の傘の水滴を飛ばされたり、濡れた傘を身体に押しつけられたりすることは、中世の紳士が手袋を投げつけられるのに匹敵する侮辱的行為である。自分の傘に付いた水滴は、自分の汗と同じレベルのものである、と理解すべし。
よって、なんらかの「傘袋」を傘と同時に携帯することを義務づけることとする。

■傘を開く方法

(1)出かける前のウォーミングアップ
……アンプレラの場合は、玄関を出る前にまず数回軽く傘を振って生地をほぐし、一旦屋内で開いてみて、骨の劣化などがないかどうかを確認します。
……折りたたみ傘の場合は、袋から出す前に、まずシャフトを完全に引き出します。その状態で袋をはずし、数回傘を振って生地をほぐしてから開きます。

(2)出かけるときには降っていなかった場合
……上記のウォーミングアップが終わったら、すぐに巻き直します。この行為は、後述の「傘を閉じる」場合の「傘巻き」のトレーニングにもなるため、必要不可欠です。

(3)出かけるときから雨が降っていた場合
……ウォーミングアップ後、玄関の扉を開きます。すぐに外の場合は、軽く扉を開いてから肩で扉を押しつつ、利き手でスライダーを上げて、空に向かって傘を開きます。   

■傘を持つ方法

(1)閉じた傘を持ち歩く場合
……折りたたみの場合は、濡れていても必ず折りたたみ、腕を折り曲げて胸のあたりで持つ。
……アンブレラの場合は、傘袋に入れた状態で、ステッキのように手元を持つのではなく、バンドあたりを持って手首をうまく利用して地面に垂直になるようにして持つ。

(2)雨をしのぐために差す場合
(a)傘を差すときの角度は、後方に30゜で固定する。
(b)傘にたまった雨水は、必ず後方に流す。
(c)持つ手を代える時は、角度は保ったまま、ゆっくりと頭上を通過させて反対側に移動させる。
(d)傘を差している人の後方を歩くときは、人混みでも前の人との距離を80センチ以上空けなければならない。万が一、前方の傘使用歩行者が急停止した場合は、急激に左右に進行方向を変えるのではなく、同時に一旦停止して左右の安全を確認してから進路変更をして進む。
(e)傘を差しているときに方向転換する場合は、傘を固定したまま、左右・後方に人がいないかを確認する。
(f)人混みなどでは、身長165センチ以上の人は腕を伸ばし、それ未満の人は腕をたたんで肩につけるようにして差す。その際も、全ての傘の角度は30゜でなければならない。
(g)狭い歩道などで、向こう側から来た人とすれ違う場合には、自分の進行方向を決め、自分が通り過ぎようしている方向に軽く傘を傾け、方向指示をし、必ず目と目を合わせて軽く会釈をしながら「あ・うん」の呼吸で通り過ぎる。

■傘を閉じる方法

(1)前方に屋根がある部分を発見したら、その15秒前から傘を閉じる準備を始める。

(2)まず、最初の5秒で、傘を持っている手の反対の手に携帯電話などを持っていた場合、ポケットにしまう。カバンを持っていた場合、傘を持っている側の腕にかけるなどし、利き手を空ける。

(3)次の5秒で、傘の角度をゆっくりと前方30゜まで移動させ、さりげなく傘にたまった雨水を前方に流し始め、利き手の人差し指と中指、そして親指をスライダー(正式名称・下ロクロ)にかけ、ストッパーをはずす準備をする。

(4)最後の5秒が最も重要。屋根の手前5メートルほどに接近しているはずなので、傘差しのアマチュアが立ち止まって後ろを振り返って傘を閉じている場合があるので、前方をよく確認し、人がいないところを目指す。そして、2メートルほど手前でストッパーをはずし、軒下に到着すると同時に、ストッパーを下げ、前方に振り下げる。この際、傘を振るベクトルは、下方150゜とする。

(5)屋根の下に入ったら、歩行を止めずに、利き手で手元を持ち、反対の手で布を一気に巻く。この際、キレイに巻こう、などとは考えずに、まず巻いてしまうことを優先させる。コツは、傘の下方から、利き手で本体を回しながら巻き上げていくことである。

(6)巻き終えたら必ずバンド(オビ)のホックを止め、通勤電車内などの人混みに入る前に、可能な時間帯を見つけて傘袋に挿入する。

■目的地到着後の傘の処理

(1)自宅
……傘は広げて、通気性の良い冷暗所で乾燥させる。骨が錆びる素材でなくても、生地の寿命を縮めることになる。

(2)会社など
……傘(特にアンプレラ)の先端(石突き)を下にして、傘立ての端に差し込む。

……折りたたみ傘は、極力、持参の傘袋に入れて自席まで持ち込む。これにより、傘立ての混雑を防ぐこともでき、なおかつ盗難、もしくは取り違えを防ぐこともできる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
……しかし、ほんとに、日本人全体が、そして世界中の人たちが、どんな状況でも周りの人に対してちょっとだけ優しい気持ちを持つ心の余裕を持てるような世の中になればいいなぁ、と思うのです。

2005.7.15 掲載

著者プロフィールバックナンバー
上に戻る▲
Copyright(c) ROSETTASTONE.All Rights Reserved.