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第22回 僕が首相になったら作る法律


みなさぁぁぁぁんっ!!
 ロゼッタストーン本誌は、ちゃんと読んでますかぁっ?!

 というわけで、今月は芝居の話というよりもロゼッタ本誌に書いた話の続きを書かせていただきます。

 ただいま発売中のロゼッタストーン本誌のテーマは「ハンディキャップ」。その本誌の原稿締め切りの、まさに当日である2月25日に右足首を骨折して見事にハンディキャップを背負ったのが、誰あろうこの私。
 本誌の原稿は、まさに折った直後に書いたものでありました。

 それから1カ月。
 いやはや、いろんなことがありました。
 まず、前提として大きな会社にお勤めの方だったら、仕事中に骨折&靱帯断裂、なんて大けがをしてしまったら1週間から1ヶ月は傷病休暇を取って休むことが出来るんですってね。僕は全くそんなことは知らずに折ったその日も病院から戻ってゲネプロの写真を撮り、翌日からは舞台に出て前説をしておりました。労働者としての基本的な権利を行使することも出来ず……(←おまえは社長だろーっ?!)。

 で、そんなボロボロな状態でもなんとか劇場に行って前説をやり、社長の仕事をするために、とにかく這ってでも家を出ていかなければならなかったのです。
 最初の一週間は、10m以内の移動は松葉杖ですが、それ以上はほとんどタクシーかヨメの運転による車移動でした。
 松葉杖に慣れた次の週から、500mぐらいまでの松葉杖移動をこなすようになり、徐々に電車通勤を試してみました。もちろん、ラッシュの時間帯は避けて、です。
 その次の週からは、1000mぐらいまで、松葉移動の距離を増やし、いかにこの社会が松葉移動に適していないかを体感するべく、わざわざ面倒なことをしてみたりしていました。

 そういう日々の中から沸々と湧いて出た、「僕が首相になったら作る法律」プランを提案いたしますっ!!


追い越し車線を自家用車がバックしてきた

 まず、タクシー。
 太ももまで固定された右足。両腕は松葉杖。タクシーに乗りこむ時は、左腕で屋根を支えながらお尻から入っていき、運転手さんの後ろの方に身体を移動させて車の進行方向に向かって左側に身体を向けて真横に座るような形を取るしか乗車する方法がありませんでした。

 これは、きっと助手席を思いっきり後ろまで下げられるように改造していただけれ ば普通に乗車できたことかと思います。が、折れている足は高く上げておかないと痛 いので、やはりこの状態がベストであったのかな、とも思います。

 が。この状態でタクシーに乗ると、それはそれで恐いことが山ほどあります。つまり、真横の状態で乗るのでシートベルトが出来ないどころか、踏ん張りが効かないわけです。運転手さんがブレーキをちょっと強く踏むたびに思いっきり腕で踏ん張らなければなりません。幸いにも僕がその状態でタクシーに乗っている時には追突事故などには遭いませんでしたので事なきを得ましたが、もしあの状態で事故っていたら絶対に命はありませんね。

 で、運転手さんが強いブレーキを踏むのは何故か、ということになるわけです。
 割り込みによるもの、などはかわいいものです。僕が目撃した最もスゴイ事態をご紹介しましょう。

 骨折した後最初の土曜日の夜、サンシャイン劇場(池袋)から自宅(東京都府中市)に帰るタクシーの中でのことでした。

 首都高速四号線から中央高速に入るちょっと手前に「高井戸出口」があり、右が出口、左が中央高速方面でした。僕の乗ったタクシーは、左の本線に向かおうとしていたのですが、その手前あたりで、前方の車が立て続けになぜか急激に左車線に移っていっていたのです。

 「変な車の流れだなぁ」と思っていたその瞬間、100mほど先の景色が急に開け、運転手さんと僕の目の前に現れたものは、本線の追い越し車線をゆっくりとバックしてくる自家用車でした。

 つまり、高井戸出口で降りなければならないのに、間違えて本線に行ってしまった車が、あろうことかブレーキを踏んで、しかも追い越し車線をバックして出口から下りようとしている、というとんでもない姿だったのです。
 ……そりゃぁ、プロの運転手さんだって急ブレーキを踏みますわなぁ……。

 実は以前にも似たような光景を見たことがありました。全く同じ状況で、高井戸出口の下り口(右側)から、バックで戻ってくる車がいたのです。その時は、路側帯をバックしていたので、「なんぢゃありゃぁぁぁっ!!」とタクシーの運転手さんが叫んでいたくらいで済んでいたのですけど、本線の、しかも追い越し車線をバックしてくる、というのは、僕の常識の範囲では当然想像を絶する光景でした。

 まぁこれは極端な例ですが、それ以外でも、40キロ制限の首都高速五号線・東池袋入口から本線に入ろうとしている時に、タクシーのスピードメーターが60キロになっていて、それだけでもびっくりしたのに、それを無視してガンガン通り過ぎていくトラックの脇をまだ加速して本線に入っていき、結果、本線ではみんなが80キロで走っている、という状況。もう、それがあたりまえなわけです。

 ……「制限速度」って、なんなの……?!

 僕の知る限り、「上限」という意味で、「それ以上は出してはいけない速度」なわけでしょ。
 現実には、「安全速度」なわけですよ、制限速度、っていうのは。その速度でみんなが走ってくれれば事故は少なくて済むのね、だから、それで走ってよ、それを守ってくれないで事故っちゃったら、それはあんたのせいよ、って言いたいがための速度、ってことですね。


車が出せるスピードは120kmまでに!

 コレに関しては、二つ提案があります。

 まず、車の性能が上がってるんだから、現実問題として制限速度は20キロ上げましょう。つまり、一般道路は60〜80キロ、高速道路は80〜120キロ。

 それと同時に、車にも制限を設けましょう。

 だってね。
 今だから言いますけど、10年以上前は僕は運転免許を持っていて、自分で運転していたんです。で、僕の愛車だったスバルのレガシーは、とっても高性能で、中央高速下り三鷹〜調布間で試してみたら、180キロまでなんなく出たんです。が、180キロでリミッターが効いて、それ以上は出なかったんですが、リミッターがなければもっと楽勝で出ていたでしょうね。
 100キロオーバー。即免許取消ですよね、捕まってれば。れば、ですよ。
 でも、捕まらなかった。なぜ? 
 100キロオーバーって言えば、刑事事件で言えば殺人ぐらいに値しますよね、道路交通法のレベルなら。
 が、殺人なら徹底的に調べて捕まえる警察も、100キロオーバーは見逃しまくるわけです。人を殺して捕まらない、なんてことはほとんどないわけですけど、100キロオーバーの車はあたりまえのように走っているわけです。へんなの。

 で、ここで、いいですか?

 なんで、法律で最大で100キロ、って決まっているこの国で、180キロ出る車が売ってるんですか?
 人を殺しちゃいけない、っていう法律がある国で「免許があればそこらじゅうでショットガンやマシンガンや対戦車砲が買えるよーん」てなものです。
 高性能の車のセールをうたった新聞折り込み広告なんて、「殺傷能力は44マグナムの5倍!! 1回弾倉を装填すれば100人は殺せるスグレモノ!! 今ならローンで毎月5万円!! 今週週末はご家族でショウルームへ!!」なんていうのといっしょなわけですよ。

 というわけで、提案。
 どんな高性能の車でも輸入車でも、120キロでリミッターをかけましょう。
 これで、絶対に交通事故は三分の一に減ります。

 さぁ、なんか文句ある?

 というわけで、今月は書きたいことがいっぱいあるので「週刊」です(←いいっすかね、編集長っ?!)。
 また来週っ!!

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