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小泉純一郎元総理大臣は9月7日プレスクラブでの記者会見で原発に対する自らの認識不足を恥じ、「日本のために尽くしてくれた人たちを見て見ぬふりはできない」と、400人にも上る東京電力福島第一原発放射能被害者のため7月に発足させた「トモダチ作戦支援基金」に対する募金を呼び掛けた。 この5月、サン・ディエゴで20代から30代の健康被害者10名に面会し、記録ビデオ等の資料を見た小泉氏は、初めて事情を知って驚いたという。 記録ビデオでは原子力空母レーガン内では作業後の乗組員に対し「服を脱いでシャワーを浴びろ!」と指示する声に重なってガイガー・カウンターが鳴り響いていたという。「トモダチ作戦」中、乗組員たちは塩分は除去されているが放射能は除去されていない海水でシャワーを浴び、同じく放射能は除去されていない海水で調理された食事をとっていた。半年後、一年後から鼻血、下血、下痢が始まり7名が亡くなった。妊娠中だった水兵が出産した障害児はすぐ亡くなり、現在300名が放射能障害で苦しんでいる。 米国では兵士たちは軍隊を訴えることはできないので、東京電力とGEを訴えているが、その人数は300人から現在400人に増えているという。「除隊すれば健康保険がきかない。見舞金300万を持参しようとしたが、被害者が5月当時300人もいるというので手ぶらでいった」
公的救済について小泉氏が問い合わせると、アメリカ上下両院も国防省も「放射能による健康被害とは断言できない」とし、日本の北米局長も同情してくれたが、「政府としては何もできない」との結論。そこで政府が出来なければ民間で感謝の気持ちを表したいとして7月5日に基金を立ち上げ、来年3月末までに1億円を集めたい」と呼びかけた。 大阪では建築家の安藤忠雄氏の提唱で8月に会費1万円の会合を開き1300万円が集まり、同様の会が東京でも開かれたため4千万円まで募金が集まったという。 「過ちを改めるに憚ることなかれ。過ちを改めざるを過ちという」。小泉純一郎元総理大臣は久しぶりの特派員協会講演で熱弁をふるった。
主な質疑応答より
小泉純一郎元内閣総理大臣は「原発に対する賛否を超えて、多くの国民のご協力をお願いいたします」とアピールしている。 2016.10.1 掲載
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