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第97回 公益社団法人 日本外国特派員協会「報道の自由賞」

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(左より)FCCJ会長L.バーミンガム氏、通訳、田中稔氏、清武英利氏、司会J.アデルシュタイン氏

今年創立70周年の節目を迎える公益社団法人日本外国特派員協会では、今回初めて「報道の自由賞」を設け、日本の憲法記念日であり世界の「報道の自由」記念日である5月3日に受賞会を行う予定だ。応募の締め切りは4月23日。

パリに本部を置くジャーナリストの非政府組織「国境なき記者団」が今年発表した報道の自由ランキングによると、日本は180か国中61位。福島原発取材への日本人フリー・ランス記者や外国メディアへの差別、特定秘密保護法の制定に加えて日本に従来から存在する既存報道機関「記者クラブ」の弊害を指摘している。


FCCJ Freedom of the Press Awardsは以下の5分野

日本調査報道賞
前年3月31日から今年3月31日までに初めて出版、放送、その他の形で伝えられた日本にかかわる主題を扱う作品で日本内外を拠点とするジャーナリストによるもの。

報道功労賞
報道に自由及び言論の自由の促進に貢献した日本で活動するジャーナリスト。該当者がいない場合は表彰なし。

自由報道の盟友
日本を拠点として報道の自由を促進する運動に取組む法律家、活動家、告発者が対象。

年間最優秀出版賞
日本において出版またはウエブ上で公開された優れた調査報道に贈られる。

他界の英雄
活動中に命を落とした殉職ジャーナリストに対する賞。候補者の活動地点は日本の内外を問わない。

【推薦者の資格】
日本外国特派員協会、日本記者クラブ、日本新聞協会、日本自由報道協会、民間放送連盟、その他に雑誌協会などの組織に属するもの、またジャーナリストの自薦も可能。

審査員は5名は以下の通り。

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作家・ジャーナリスト 田中稔氏
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元読売新聞記者 元読売巨人軍球団代表
清武英利氏

田中 稔
原発・安保・防衛の利権構造を調査報道。日本の原発フィクサーというタブーの記事への訴訟には「国境なき記者団」などの応援で勝利。

清武 英利
元読売新聞編集委員、元読売ジャイアンツ球団代表として渡辺恒雄球団会長を告発して有名となる。2014年度講談社ノンフィクション賞受賞。

Yuko Ando
フジテレビの編集記者、アナウンサー

寺澤 有
主に出版会で活動する独立系調査報道記者

片岡 英子
ニューズウイーク日本版 フォトディレクター。2001年からニューズウイーク日本版に勤務。2014年に写真集「Ten Years of Picture Power(写真の力)」を出版。世界報道写真コンテスト(オランダ)審査員。

受賞者には賞状と特派員協会の一年間の名誉会員証が贈られる。4月21日現在応募者は10名。ルーシー・バーミンガム会長は「締め切りの再延期はしない」とし、至急の応募を呼び掛けている。


2015.4.22 掲載


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