第92回 クラブ初 女性3人が理事会へ
この11月に創立70周年を迎える(公益社団法人)日本外国特派員協会では、2014年の3度目の追加選挙投票を7月31日の夜に行った。一度目、二度目とも定足数に達せず、全くもたついた選挙だったが、クラブ史上初の快挙があったことに注目したい。女性は正会員理事候補14人中2人、準会員理事候補者10人中1人。この3人全員が当選し、安倍総理の唱える「女性の輝く社会。管理職の3割を女性に」を期せずして実現したのである。
ルーシー・バーミンガムさん(フリー・ランス、NHK勤務)が再選、スベンドリニ・カクチさん(インター・プレス・サービス特派員)は数年ぶりに再々選、笠イネス・テイラー章子さん(大塚製薬常務執行役員)は今回から新しく設定された準会員枠で初当選。理事数9人中女性3人、3割3分の当選である。(尚、監事枠は男性立候補者2人、当選1人。)
バーミンガムさんは1987年以来のプレス・クラブ会員でフリー・ランサーとして米国、日本のメディアで活躍し、2010年に平理事として当選以来、書記、前年度は会長としてクラブに貢献してきた。
カクチさんはニーマン・フェロウとしてハーバード大学でも研究し、スリランカ出身の視座を生かしてこの20年間地球社会における日本の在り方について報道してきた。また、平理事、書記等を数回勤め、ライブラリー委員会では委員長として、クラブの運営を支えてきた。
笠イネス・テイラー章子さんは日本で二番目に大きい製薬会社、大塚製薬のグローバル・コミュニケーション部門長で、2011年よりAPEC女性経済サミットの日本代表を務めている。
準会員による理事候補推薦選挙でも正会員による本選挙でも、準会員部門でトップ当選をはたした。
プレス・クラブが4月1日より公益社団法人に認定されたため、選挙方法も変わり、また準会員からも9名中3名の理事を選ぶことになったため、選挙期間は選挙管理委員会の準備期間も含め4か月、準会員の候補者指名委員会の活動を含めると8か月の長きに渡った。
ところが準会員による準会員理事候補推薦選挙の投票率は6.6%という低さであった。
また、従来は投票権を持つ正会員が会長、副会長、財務理事など職域ごとに2人以上の候補者を立てて投票したのが、公益社団法人組織になってから準会員3名を含む9名の理事を選び、その理事が互選で会長、副会長など基幹役員を選ぶという二重構造になったのが問題か、最終投票率は45.19%。また最終投票権を持つのは正会員のみで、正会員が準会員候補を選ぶのが馴染みにくかったのか、準会員枠への投票数が非常に低かった。
今回の選挙は公益社団法での初選挙であり、これらの試行錯誤の結果を踏まえて次回の選挙までに選挙管理委員会は新しい規則を練り上げることになっている。
役職名 |
当選者名(所属) |
最終得票 |
会長 |
ルーシー・バーミンガム(フリーランス) |
116票 |
第一副会長 |
マイケル・ペン(シンゲツ・ニューズ・エージェンシー) |
097票 |
第二副会長 |
福永正明(ザ・サンマルグ) |
105票 |
書記 |
パトリック・ゾル(ノイエ・チューリッヒア・ツァイタンク) |
104票 |
財務理事 |
大塚祐一(準会員) |
090票 |
理事 |
スベンドリニ・カクチ(インター・プレス・サービス) |
125票 |
理事 |
笠イネス・テイラー章子(準会員) |
115票 |
理事 |
ミルトン・イサ(準会員) |
114票 |
理事 |
カーステン・ゲアミス(フランクフルター・アルゲマイネ) |
098票 |
監事 |
ウイリアム・スポサート(フリーランス) |
120票 |
2014.8.15 掲載
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